3分で分かるアカウントベースドマーケティング(ABM)の基礎

社名の揺れ問題

御社のリードデータベースには、何名の見込み客が存在し、何社の企業データが存在していますか?
この質問に対して、的確に答えることができないマーケターは多いのではないでしょうか。

この大きな原因が、データベース上での「社名の揺れ」です。メールアドレス単位での名寄せはできていても、企業名での名寄せまではできていないという状態にある企業は非常に多いです。

例えば、以下の図のように、NTTの田中氏とNTT(株)の佐藤氏は、同企業に属していますが、データベース上では2社とカウントされてしまいます。

このような状態では、企業データを基に進められるアカウントベースドマーケティング(ABM)の実践は難しいです。
アカウントベースドマーケティング(ABM)を実施する上でデータベースの整備は必須です。まずは、データクレンジングを欠かさず実施することから始める必要があります。

企業情報の不足

次の問題は、企業に関連する属性情報が圧倒的に不足している点です。

企業の属性情報がなければ、どのような業種、どのような規模の企業が、自社にとって将来有望となる見込み企業なのかを導き出すことができません。つまり売れる会社の特性を見出すことができないということです。

企業属性の情報を付け加えることで、自社にとってポテンシャルのある企業プロファイルを見出すことが可能となります。

企業の属性には大きく以下のようなものがあります。

これらの属性情報は企業情報を購入する、または情報を集めることで解決することができます。

ポテンシャルの定義

社名の揺れ、企業の属性情報の不足が解消されたら、次に実施すべきはポテンシャルを定義することです。

御社にとってポテンシャルの高い企業の属性とはなんでしょうか?企業規模で測るべきでしょうか?それとも業種でしょうか?
既に取引のある企業の傾向を調べてみるとともに、御社にとってのポテンシャルの定義を決定していくと良いでしょう。

コンタクトすべきリードの定義

ポテンシャルの高い企業属性が定義できたら、次に確認すべきはその企業の中に存在するリード属性の定義です。

その企業に紐づく見込み客(リード)はデータベース上に何人存在しているのでしょうか?そしてそのリード個人の属性情報やWebトラッキング情報はどれだけ収集できているのでしょうか?

マーケティングオートメーションを既に導入している企業であれば、リード単位の個人属性情報ならびにアクティビティ情報が紐付いているでしょう。これらの個人属性や行動情報を読み取り、狙うべきリード属性を定義します。そうすることで、ポテンシャルの高い企業に紐付いた、興味関心度合いの高いコンタクトすべきリードが浮かび上がってきます。

ターゲットの決定

ポテンシャルの高い企業とコンタクトすべきリードの定義を基に、データベースにあるリード情報と照らし合わせてみることで、ターゲットが明確になります。

マーケティングは選択と集中です。ポテンシャルの高い企業をいかに絞り込むか、つまりターゲットを決めて、戦力を集中投下することで効果を見極めていくことが重要です。絞れば、絞るほど、コミュニケーションの精度やマーケティング効果は向上します。

さらに絞り込みをかけるために一社一社、社名単位で絞り込むというのも1つの方法です。当社でも、ターゲットの中で大口になる可能性のある一社に対して、メルマガ配信やセミナーなどを狙い撃ちで実施することで大きな効果を得た事例もあります。

また、データベースに存在するリードが、決定したターゲットに適合しているかどうかを調査することも重要です。
仮にターゲットリード数が少ない場合は、リードジェネレーションの手段も再検討する必要があります。

アカウントベースドマーケティング(ABM)における、リードジェネレーション手段の良し悪しは、ターゲットリストがどれだけ含有されているかを基準に判断しましょう。
例えば、毎年5,000件以上のリードを獲得している展示会では、集めた5,000件の中で、ターゲット企業に紐づくリードを抽出したところ、100件(2%)しかいませんでした。その場合は、訴求ポイントを改めるか、もしくは該当展示会への出展自体を検討しなおす必要があるといえるでしょう。

コンタクトすべきリードの優先順位

上記の図は、先述した方法で、ターゲットとすべき法人に紐づくリード数とその中でも優先するべきリードの数を見える化したものです。

このように数値を見える化することで、コンタクトをすべきポテンシャルの高い企業に紐づくリードを抽出し、優先順位を明確にしていくことが可能です。これらの数量を常に確認しながら営業に引き渡し、訪問を促進すると良いでしょう。

訪問結果がたとえ悪くとも、ポテンシャルの定義やアクティビティの定義、あるいはコミュニケーションを改善していきましょう。まずはベースとなるマトリクスを作成してみると良いでしょう。

アカウントベースドマーケティング(ABM)の基礎、まとめ

データに基づいたBtoBマーケティングは第三段階にきています。

第一段階は見込み客の名寄せ管理。
第二段階は見込み客の行動管理。
第三段階はポテンシャル企業の発掘。

アカウントベースドマーケティング(ABM)はまさに第三段階の手法であり、将来の収益基盤となる顧客創造につながる総仕上げです。自社のマーケティングはどの段階にあるのか、まずは悩むよりも行動し、現状把握をしていくことから始めましょう。

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