プロジェクトの背景新サービス立ち上げと、手探りのマーケティングワンマーケティング 垣内 まず、御社の新しいサービス、医療IT情報サイト「目利き医ノ助」の立ち上げについて教えてください。松岡様 元々、電子カルテは1メーカー・1商品が基本で、その形で販売していました。ただ、そのメーカーの売上が下がれば、うちも一緒に下がってしまう。会社として経営的に見てもリスクが高い状態だったんです。いろんな会社と話す中で、代表が「複数メーカーを扱えるような仕組みが必要だ」と気づいたんです。今の「目利き医ノ助」のベースになるような「いろんな商材を紹介しマッチングさせる」ことができないかと考えました。垣内 その気づきが新サービス誕生につながったんですね。松岡様 はい。ちょうど医療業界でも“DX”という言葉が少しずつ浸透してきたタイミングで、いろんなシステムの組み合わせを“価格重視”で選んでしまって業務効率が上がらないクリニックが多いと気づいたんです。そこに向けて、動線設計やシステム選定を担うプロ集団─それが「目利き医ノ助」の役割です。▼目利き医ノ助Webサイト https://www.mekiki-inosuke.com/「目利き医ノ助」は、必ず一度ドクターと話をして、ニーズを把握した上で、確度の高い案件だけをメーカーに渡す。それが他と大きく違う点ですね。ドクターの視点では、非常に助けになるサービスになっていまして、最近相談もすごく増えてきました。「目利き医ノ助」は3年目に入りましたが、実感としてあるのが、誰かに相談する前の情報収集でライトな感じで使ってくださるドクターが多いので、顧客視点での必要性とか、ニーズを捉えてるかという点ではかなり成功していると思います。垣内 しかし、立ち上げ初期はマーケティングや営業活動の課題も多かったと伺っています。松岡様 当初、Webマーケティングは知見もリソースも限られた状態でしたが、ウェビナーやSNSを手探りで運用していました。閉鎖的な業界であり、横のつながりがかなり強い業種なので、地上戦も含めて認知度を上げるっていう方向に必死でした。なので、既存の取引先や業界内のつながりを活かしたアプローチが中心でした。Webサイトからのリードは少なかったです。営業活動は、関係会社が集まる場に積極的に参加し、人脈を構築し関係性を深める主にフィジカル(対面型)の営業が主軸でした。導入前の課題ノウハウ不足と属人化が招いた運用の限界~内製だけでは越えられなかった壁~垣内 そんな中、課題の気づきがあったのでしょうか?松岡様 二つありました。一つ目はリソース不足がありました。ベテランの退職のタイミングで「これ以上内部リソースだけでは限界がある」と痛感しました。当時のチームは4人編成で、その中でも2人に業務のバランスが偏っていた印象でした。属人化のリスクもすごく高かったですね。そもそも、社員がいろんな領域で仕事していますが、基幹システムのSalesforceをベンダーを通さずに直接導入していたので、設定も運用もすべて我流。やりたいことがあっても、「どうやって設定するか」「どの機能を使えばいいのか」すら分からない。いじり方もわからないし、数字の取り方もわからない、完全に暗中模索でした。二つ目は、やっぱりWebマーケティングの基礎知識が僕らにはなかった。浅い知識でやるべきことのイメージはぼんやり見えているのに、実行に移せない。さらに数字が取れない=分析ができない=戦略が立てられないという問題に直面しました。Web周りもそうだしSalesforce周りもやっぱりもう一つ上を目指してやっていかないといけないなという課題にぶつかり、ノウハウとあとリソースこの両面が欠けていたと改めて気づいたことが決め手でした。SalesforceもWebマーケティングも両方できる外部パートナーが必要だと本格的に探し始めたんです。垣内 システムやマーケティングの持続可能性は重要なテーマですね。属人的な運用から脱却し、仕組みとして再現性のある体制を構築することが不可欠です。再現性のある体制は、属人性に頼らず、誰が担っても本質的な価値提供を継続できる基盤になります。ワンマーケティングを選んだ理由裏表のない指摘に「任せられる」と確信垣内 SalesforceとWebマーケティング、どちらも支援できる会社を探す中で、かなりの数を検討されたと聞きました。松岡様 はい、10社以上問い合わせて、Zoomで話したのは4〜5社でした。垣内 その中で、当社を選んでいただいた決め手は何だったんでしょうか?松岡様 一番大きかったのは、話していて裏表を感じなかったことです。営業トークではなく、言いたいことをストレートに言ってくれる感覚があって。私もそう感じましたし、代表も「こういう人たちとならフラットに付き合っていけそう」と思いました。提案書の内容もシンプルで的確でした。「何ができていないか」「何をやらなきゃいけないか」がサービス全体通してバランスよく指摘されていて、すごく腹落ちしたんです。例えば、今のうちのウェブサイトの現状分析みたいなのを書いていただいたと思うんですけど、ズバッとこれができてない、こういうことやらなきゃいけないよって書いてもらっていました。他社は、抽象的で何にいくらかかるっていうのがはっきりしなかったです。お願いする側からすると、怖いですね。それから、何でもやりますというスタンスが強い会社もありました。また、アウトソースまで全部委託するスタイルの会社もあり、いろんな分野に強い人が下請けにいる構成でした。でも、うちのように少人数でスピードを重視しているチームには二人三脚で引っ張ってくれるプロフェッショナルなパートナーが必要だと感じて。そういう意味で、御社のスタイルが一番合っていたんです。垣内:ありがとうございます。私たちとしても、簡単に「できます」と言うのではなく、課題やリスクも含めて率直にお伝えすることを大切にしています。そのうえで、一緒に手を動かしながら常に共創できるパートナーでありたいと思っているので、そう言っていただけてとても嬉しいです。プロジェクトの取り組み設計に入る前に、まず“自分たち”を知ることから垣内 最初の支援では、SalesforceやWebの設計に入る前に、まず事業理解の整理から始めさせていただきましたね。松岡様 はい、正直ちょっと驚きました。「Salesforceの数字をどう取っていくか」から入るのかなと思っていたので。ところが、最初にやったのがPEST分析やSWOT分析でしたから。▼PEST、SWOT分析でも、実際にやってみて、自分たちのサービスを客観的に整理して深く理解することの大切さを実感しました。知ってはいましたが、それが実務でどう役立つかは実感がなかったです。でも今回は、アドバイスを受けながら一緒にやる中で、「こういうことを整理するって、こういう意味があるんだ」と実感できたのが大きかったですね。ペルソナ設計なども現場に近いメンバーも一緒に考えたことで、サービスに対する解像度がチーム全体でそろってきたのを実感しました。全員が同じ軸を持って、同じ方向を向けるようになったので、ミーティングの時間も短くなったし、議論がブレなくなったんですよ。▼ペルソナの一例垣内 そこからようやく、SalesforceやMAの設計に入っていきましたね。松岡様 そうですね。当時はSalesforceを使って“問い合わせ=商談”という単純な管理でしたが、実際はリードの段階や途中のプロセスが全然見えていなかった。Webから問い合わせが入ってきた人がどこから来て、どうやって商談につながったのかがまったく把握できていなかったんです。その中で、ワンマーケティングさんに教えてもらったのがレベニューサイクルモデルです。リードの段階やプロセスをすべて可視化し、そのリードに対してどうすれば、次のステージに遷移するのかを定義する考え方。そして、ダメだったリードについては、リサイクルという概念がある。いまでは、あらゆる施策にたいして、このレベニューサイクルモデルが骨格となっています。▼レベニューサイクルモデル垣内 多くの企業が「ツールを導入すれば変わる」と思いがちですが、本当に変わるためには、まず“誰のどんな課題をどう解決するのか”をチーム全体で深く理解することが欠かせません。形だけの導入ではなく、本質的な設計と運用が成功の鍵です。松岡様のチームは正面から向き合い、構造的な設計と運用に取り組まれた。その土台があったからこそ、SalesforceやMAも“使える武器”になっていったのだと思います。プロジェクト中の印象的なエピソード“見えなかったリード”が、商談につながるきっかけに垣内 支援を進めていく中で、「ここが変わったな」「これは大きかったな」と感じたタイミングはありましたか?松岡様 やはり、一番大きかったのは、資料ダウンロードを起点に“熱いリード”にアプローチできるようになったことですね。それまでは、もちろん誰がダウンロードしたかはわかっていましたが、Salesforce等ではきちんとアプローチ対象として把握できていなかったので、アクションをしていなかった・・。垣内 「反応があったのに、追っていない」という状態は、もったいないですよね。松岡様 本当にそうでした。でも今は、ダウンロードした人が誰か、どのコンテンツに反応したかが、Salesforce上ですべて見える化できるようになったので、次の一手が打てるようになったんです。おかげでZoomでの面談数も増えてきている実感があります。垣内 その変化は、マーケティング施策が「点」から「線」につながってきた証拠ですね。導入後の成果商談数は1.4倍に。組織の判断スピードも劇的に向上垣内 取り組みを通じて、具体的にどのような成果を感じていただいていますか?松岡様 今ようやく、土台がしっかり整ってきたという実感があります。定量的な成果としては、資料ダウンロード数が明らかに増えてきていて、Zoomでの面談数も1.3〜1.4倍にはなってきています。垣内 熱いリードへのアプローチができるようになったことで、商談化の精度も上がってきましたよね。松岡様 はい。以前は資料ダウンロードしてくれた方を追う術もなかったんですが、今は誰がどんな資料を見たのかも追えて、そこからちゃんとアクションを取れるようになりました。垣内 レベニューサイクルモデルを回すチーム体制にも、変化があったのでは?松岡様 ありましたね。全員がレベニューサイクルモデルを中心にした会話で、同じ方向を向いて考えられるようになったことで、ミーティングの時間が短くなったり、無駄な議論が減ったりと、業務効率が格段に上がりました。 さらに、自分たちが「誰に」「何を」届けるべきか徹底的に解像度を上げたおかげで、施策の判断や方向性の議論もスムーズになりました。やっぱり自分たちのターゲットとなるお客さんの解像度をどれだけ上げられるかと、割り切りが重要なんだと思いました。漠然と全体をターゲットとするのでなく、自分たちとしてここを狙うんだよっていう選択をしっかりして、そのターゲットに向けた施策を行い、その数字を追っかけて回す大切さを実感しています。垣内 こうした成果は、仕組みを整えて終わりではなく、現場で使いこなし、改善し続けたからこそ得られたものだと思います。目の前の改善だけでなく、事業の成長スピードを加速する“土台”が整い、マーケティングが“成果を生む武器”に進化したと確信しています。ワンマーケティングの支援を振り返ってざっくばらんな提案と実行、その両立が信頼の源に垣内 ここまでの取り組みを振り返ってみて、率直にどう感じていらっしゃいますか?松岡様 今の支援内容には、すごく満足しています。今後も、特にありがたいと感じている「二人三脚感」というのはなくさずにお付き合いしていけたらなと思っています。本当に助かっていることは、アイデアをたくさん出してくれて、「これやってみたらおもしろいんじゃない?」って、ミーティング中にポンポン投げてくれることです。アイデアがたくさんある中で、じゃあこれやっていこうよって決めて、作業的なところまで請け負っていただけるっていうのは他になかなかないと思います。支援会社は「アイデアは出すけど実行まではやらない」とか、「実行は得意だけど提案は弱い」みたいに、どちらかに偏っている印象がありました。でも、御社は両方バランス良く対応してくれる。僕自身、アイデアを考える感覚はすごく好きなので、それを受け止めて一緒に形にしてくれるのが嬉しいです。 これから会社が大きくなっていっても、御社のざっくばらんなスタイルを失わずにいてほしいですね。垣内 御社のように意思決定が早く、変化を前向きに取り入れるチームだからこそ、私たちも一歩先を見据えた提案ができます。これからも、共に悩み、共に仕掛けていける存在であり続けたいと思っています。 今後の展望医療現場の声に応えるマーケティングを、もっと強く、広く垣内 今後、「目利き医ノ助」をどのように展開していきたいとお考えですか?松岡様 まずは、情報発信の強化ですね。今って、医療業界でもドクターが自分で調べて開業する時代なんです。SNSやYouTube、Webサイトなどを駆使して、皆さんすごく情報収集している。だからこそ、僕たちもそこにしっかり情報を届けていきたいと思っています。垣内 そのために、認知をさらに広げていく必要があるわけですね。松岡様 そうです。今は特にYouTubeに力を入れていて、まずは医療業界で圧倒的な1位のチャンネルがある中で、その“次のポジション”を狙っていこうと決めました。そこから、より多くのドクターの方と接点を持っていきたいと思っています。垣内 すでにサービスの価値とニーズのフィット感は証明されつつありますし、あとはどう届けるか、ですね。松岡様 はい。私たちのサービスは、困っているドクターに本当に必要とされていると実感しています。だからこそ、届け方と認知の広げ方が大事になる。そこに、これからもっと力を入れていきたいですね。垣内 「困っている人の力になりたい」という御社の想いに、私たちも強く共感しています。現場視点を大切にしながら、施策ひとつひとつを確実に積み上げ、これからもドクターの方に届くサービスの支援を一緒に形にしていけたらと思います。まとめ“届けたい価値”を、仕組みで支える信頼のパートナーとして中央ビジコム株式会社様が展開する「目利き医ノ助」は、医療業界の現場課題に寄り添いながら、動線設計やシステム選定といった領域までをワンストップで支援する、これまでにないサービスです。その挑戦の背景には、属人的な体制や手探りのマーケティングによる限界がありました。そうした課題に対し、私たちワンマーケティングは、「SalesforceやMAの設計」に入る前に、まずは事業や価値の“本質”を見つめ直すことから取り組みました。PEST・SWOT分析、ペルソナ設計といった基本的なフレームワークを通じて、チーム全体の解像度を高める──そのプロセスこそが、組織の判断スピードや施策の質を高める大きな転換点となりました。導入後には、資料ダウンロードから商談への動線設計、熱度の高いリードへのアプローチも実現し、Zoom面談数は1.4倍に拡大。マーケティングの“点”が“線”となり、事業の成長に確かな足取りをもたらしています。そして何より、支援を進める中で印象的だったのは、松岡様の「一緒に形にしていける関係性が嬉しい」というお言葉です。私たちが重視している“共創”の姿勢が、現場の皆様にしっかりと伝わり、成果として結実していることを改めて実感しています。今後も、医療現場の声に耳を傾けながら、より多くの先生方に“本当に意味のある選択肢”を届ける。その挑戦に、私たちは、共に考え、共につくるパートナーとして向き合い続けます。マーケティングやシステムの枠を越え、現場に根ざした仕組みを共創することで、御社の持つ価値をより大きく社会に届けていけるよう、これからも誠実に支援を続けてまいります。中央ビジコム株式会社 松岡様インタビュー動画