キーワード分析のためのアクセス解析ツールこれまでの記事では、コンテンツ作りの基本としてターゲット像(ペルソナ)を決めて、そのターゲットが欲しがっている情報や知って得をするようなネタを元にしてコンテンツを作成することについて説明してきました。コンテンツで集客を行うには、この「ターゲットが欲するコンテンツを提供する」ことが重要ですが、「ターゲットが欲するコンテンツを提供する」という言葉だけでは具体性に乏しく、どうすればよいのかも分かりにくいものです。では、そんなコンテンツを作成するにはどうすればよいのか?それは「既存のコンテンツの分析を行い、改善案を出し、実行あるのみ」です。「既存コンテンツは想定したターゲットに読まれているのか?」先ずは現状を正確に把握するべく分析を行わないと、その後の改善案もブレてしまいかねませんので、分析は理解、納得するまでじっくりと行いましょう(何事も理解、納得しないままに先に進めてもなかなかうまくいきません)。特にWebコンテンツの分析を行うには、サイトを利用したユーザーの行動データを取得するための「アクセス解析ツール」が不可欠だと言っても過言ではありません。このアクセス解析ツールを使えば、ユーザーの流入経路(検索流入、SNS、他サイトのリンクから…etc)が把握でき、さらにどのコンテンツページが多く閲覧されているか、逆にあまり閲覧されていないかなども分かります。これらのデータを元にすれば、閲覧ユーザーが想定していたターゲットか、ズレてしまっているかも把握することができるのです。CMS(Contents Management System)によっては簡易的なアクセス解析ツールが提供されていることもありますが、無料で高機能なアクセス解析ツールの「Googleアナリティクス」を組み込んで使うのも一般的な方法です(ここではGoogleアナリティクスの具体的な操作方法の説明は割愛しますので、詳しい活用法については以下記事をご参照ください)。アクセス解析ツールから読者を分析するときは、検索流入したユーザー、特に検索キーワードから分析することが定石です。なぜならば検索流入のユーザー分析は最もユーザーの傾向を掴みやすく、また、検索キーワードは読者のニーズを端的に表した言葉だといえるからです。(最近はGoogleもYahoo!もSSL化によって検索キーワードが閲覧できなくなっています。Googleサーチコンソールと連携を行えば、Google検索からの流入、検索クエリ(キーワード)を閲覧することは可能となります。)検索エンジンの仕組みの基本的な考え方(この節はアクセス解析について基本的な操作を理解したことを前提として)「キーワードから組み立てるWebライティング」について説明する前に、先ずは検索の仕組み、及び検索エンジンについての基本的な考え方を例を交えて説明します。例えば、自分がとある会社について調べたい場合、検索エンジンに何と入力して検索するでしょうか?会社名をそのまま入力するだけでなく、具体的に知りたいことを続けて入力するのではないでしょうか?商品やサービスについて調べたいときは「会社名 商品名」「会社名 サービス名」のように入力するでしょう。更にその商品やサービスの値段が知りたければ「会社名 商品名 値段」「会社名 サービス名 価格」と入力するでしょう。その他の人の意見を聞きたい場合は「会社名 商品名 評判」、他の競合他社のサービスと比較したいときは「会社名 競合他社名 サービス名」などと入力するでしょう。もちろん、もっと多くの検索キーワードを使って検索する人もいます。原則的には、入力される検索キーワードが多いほど的確な検索結果として「検索するユーザーの意図を満たすコンテンツ」を検索結果に表示します。また、検索結果に表示される上位ページは検索エンジンにどう見られているか(検索エンジンにどんなキーワードと密接に関係するページだと判断されているか)を表しているとも言えます。つまり、コンテンツで伝えたい内容と検索キーワードが一致していれば一致しているほど検索結果の上位に表示され、そのコンテンツは検索キーワードに則した情報を提供している、正しく役割を果たしていることになります。これはWebライティングにおいては限りなく正解に近いことであり、キーワードに沿ったWebライティングが実現出来ているということでもあるのです。キーワードから組み立てるWebライティング「実際に検索するユーザーの意図を満たすことが出来るコンテンツ」を作成するための「キーワードから組み立てるWebライティング」は正にこれを実現する、コンテンツマーケティングの目的を実現する方法です。しかし、厳しいことをあえて言いますが、「キーワードから組み立てるWebライティング」は一朝一夕では実現できるものではありません。その精度を高めるには、前述のアクセス解析ツールを使って、最初に想定したターゲットが予想した検索キーワードで検索流入しているかを確認、分析する必要があります。つまり、大切なのは、結果であるアクセス解析のデータを使って確認、分析を行い、仮説、推論の答え合わせもしっかり行うことなのです。その答えが合っているならば、同じ環境、シチュエーションであれば再現性は高くなる、すなわち次に生きるノウハウとして自らの手で確立していくことが出来ますし、例え間違っていたとしても、そこで得た知見を次に生かすことで、より精度を上げていくことが出来ます。これこそがコンテンツマーケティングにおける「いかにして集客を行うか(実現するか)」を実現する方法です。一方、想定外のキーワードでも検索流入が多ければよい、という結果オーライの考えは捨ててください。たまたま幸運に働いたこと、偶然の結果ではいつまでたっても経験値は増えませんし、ノウハウとして確立されることもありません。確認、分析を行うときは「狙い通りの結果であったか」を常に意識しておいてください。本当に必要なページかどうかも考慮するここまではアクセス解析ツールのデータを使うことでコンテンツに適したターゲットを集めることが出来ているかを確認しました。ただし、一つ気を付けることとして、検索流入数ばかりを気にしてしまうとアクセスは少なくても商品の購入やサービスの申し込みに欠かせないページや間接的に寄与しているページなどがおざなりになってしまいがちです。例えば「お問い合せページ」や「会社概要ページ」などです。お問い合せページは普段はあまり使われない(検索すらされない)ページですが、ユーザーがコンタクトを取る窓口としてはとても大切なページです。会社概要やサイト管理者のプロフィールのページも同様です。これらのページは検索数も少なく、閲覧数も少ないでしょう。アクセスが少なくても、これらのページがあるかないかではWebサイトの信頼度は大きく変わります(もちろん前者のほうが信頼度が高くなるのは言うまでもありません)。アクセス解析データの検索キーワードはサイトを向上させるにはとても重要なデータです。ですが、そのデータを全てのモノサシにしてしまうことで、本当に必要なページを消してしまわないように十分考慮してください。このシリーズを通して今回は「キーワードから組み立てるWebライティング」について説明しました。アクセス解析のデータを使って分析、改善案を立て、実行することで、あなたのビジネスを促進してください。コンテンツマーケティングに限らず、リアルな集客活動においても「お客様の意図を満たすこと(満足いただけること)」こそが全ての成功法則であり、それを実現するためにはどうすればよいのかをこのシリーズを通して考え、実際の活動に少しでも生かしていただければ幸いです。