営業ツールとしてWEBサイトを活用するということ営業活動が難しくなったとはいえ、新規顧客を獲得する上で、商談から受注に関して営業の力によるところは大きい。見直すべき営業活動の問題は、それまでの過程だ。商談機会を得るまでのプロセスにおいて、どう検討される企業にノミネートされるか。その点においてWEBサイトは大きな役割を果たす。従来のように営業マンが簡単にアポイントをとれない中、マーケティング部がいかにWEBサイトを有効活用し、商談機会を設けるかが今後、BtoB企業が成長する上での一つの重要なポイントである。WEBサイトを見つけてもらう商談に繋がる第一歩はまず、自社の存在を知ってもらうことだ。そのためには自社のターゲットとなる企業から検索されるであろう課題に対するソリューションを継続的に発信していくことが重要だ。以下は、WEB上で製品やサービスに関わる情報や、ソリューションをブログコンテンツとして発信している好事例だ。ソリューションを提供するブログコンテンツローム株式会社 TechWeb電源ICの開発者向けに技術情報をコンテンツとして提供している。http://micro.rohm.com/jp/techweb/株式会社セールスフォース・ドットコムマーケティングや営業戦略の取り組みや考え方、それに伴うビジネスモデルや手法などを発信している。http://www.salesforce.com/jp/socialenterprise/グリーン・モールディング・ソリューション協会プラスチック成形に必要な技術情報やソリューションを日英中の3か国語でグローバル配信している。http://greenmolding.org/japanese/状況に応じた検索方法企業の状況によっては、まだ課題が漠然としている中で製品・サービスの情報や同じ状況での事例を探すことも多い。以下は、そのような検索者の漠然とした様々な状況に応じた製品・サービスや事例の検索方法をWEBサイト上に取り入れている事例だ。製品・サービス情報の検索方法アルケア株式会社_商品情報製品を「商品名」「商材」からだけではなく、「症状」からも検索できる。http://www.alcare.co.jp/medical/index.shtml日通商事株式会社_課題から探す「輸送を行いたい」「物流の品質を高めたい」「環境対策を行いたい」など具体的な課題・問題を提示している。http://www.nittsushoji.co.jp/index.html#roll2アミタ株式会社_担当業務別「アミタの使い方」担当業務別に、課題を提示し、その課題が解決できるサービスがあることを提示している。http://www.amita-net.co.jp/事例情報株式会社IDCフロンティア_導入事例導入事例が詳細に分類わけされており、見込客の状況・問題にあった事例が探すことができる。http://www.idcf.jp/case/株式会社ブイキューブ_お客様導入事例導入事例に「業種」「導入サービス」「規模」などがわかりやすく記載されている。http://www.nice2meet.us/ja/introduction/example/見込客の情報を獲得し、営業を強力にサポートする営業による商談の成約率を上げるためには、すぐ受注に結び付かないユーザーに対しても、継続的に接点を持ち購買意欲を高めていくことが重要だ。以下は、メルマガ等で定期的に情報を発信できるよう、見込み客情報を獲得する仕組みをWEBサイトに取り入れている事例だ。ホワイトペーパーの配布株式会社マルケト_資料マーケティングオートメーションに関する情報をまとめて配布している。http://jp.marketo.com/resources/index.htmlセミナー情報インフォテリア株式会社_イベント・セミナー誰向けのイベントなのか、そのセミナーやイベントに参加することで解決される問題は何かが具体的に記載されている。https://event.infoteria.com/jp/event/メールマガジン兵神装備株式会社_メールニュース新製品情報・イベント情報などをメールマガジンで配信している。登録の際にニュースジャンルを選ぶことで、見込客が何に興味があるのか把握する仕組みだ。また、最新のメールニュースが掲載されているので、見込客も安心して登録できる。https://www.mohno-pump.co.jp/appform/mohno-pump/mailnews/index.php「シミュレーション」を用意して、商機を見逃さない日本ブランド戦略研究所による、BtoBのWEBサイトに「どのような機能やコンテンツ等を望むか」を尋ねたデータでは、一位が「価格の確認」(51.3%)、次いで要望が多いのは「見積シミュレーション」(26.3%)である。顧客の状況によって価格を見積もることの多いBtoBでは、WEBサイト上に価格を表記することは難しいケースも多いだろう。以下はそのような状況を打開する策として、見積などのシミュレーションを準備している事例だ。使用用途にあった製品を選ぶスガツネ工業株式会社_選定ツール蓋や扉の寸法や質量などの数値を入力するだけで、条件に合う製品を選定し、操作力をグラフ表示できる。http://www.sugatsune.co.jp/motion/selection/まとめ今回ご紹介したのは、厳しさを増す環境の中で、新たに顧客獲得を推し進めていくためにWEBサイトを積極的に活用している企業の実例だ。営業だけでは商談機会を簡単に創出できない今、WEBサイトを効果的に営業ツールとして活用していくことが、顧客獲得に繋がる一手になる。是非今回の事例を参考に、自社のWEBサイトの在り方を今一度見直す機会にしていただきたい。