はじめにインバウンドマーケティングを実現するためには、見込み客を引きつけるコンテンツがとても重要な役割を持ち、コンテンツマーケティングという考え方が日本でも広がりつつあります。ブログやメールマガジン、 SNSを活用した継続的なコンテンツ配信は、顧客との接点を保ち続ける有効な手段であり、新規顧客を WEBから呼び込む資産として蓄積されていきます。しかしながら、「書くことが見つからない」「みんな忙しく手間がかかることは避けたい」と、コンテンツ発信に踏み切れない企業も多いようです。見方を変えれば、まわりが躊躇している今こそ、コンテンツマーケティングにはチャンスがあると言えます。さまざまな企業のコンテンツ制作をお手伝いさせていただいてきた経験から、コンテンツテーマを簡単に導き出すための 3つのステップをご紹介します。STEP1読んでもらう相手はどんな人か、イメージする。広告コピーの世界ではよく、「創造力よりも想像力が大事」だと言われます。自分が伝えたいことを表現する力よりも、伝える相手の気持ちを考える力のほうが大切だと。ブログなどのコンテンツ制作においても、まず読者(ターゲット)を具体的に想定することが第一歩となります。相手の年齢は? 業界は? 職種は?会社の中でのポジションは? 仕事で困っていることは?普段どんな雑誌や WEBサイトを見ているか?こうした人物像をなるべく具体的に書き出してみます。すると、相手がどんな情報に興味を持ちそうか、どの程度の専門用語なら通じるか、さらには、どんな言葉づかいで書くのがふさわしいかなど、コンテンツの像が自ずと見えてきます。スピーチでも、大勢に向かって話すよりも、たった 1人に向けて語りかける方が、多くの人々の心に届くと言われています。STEP2自分が伝えたいことの中にある、相手が知りたいことを探す。自社の製品やサービスの魅力を知ってもらいたい。誰しもがそう願っているはずです。しかし、自分が伝えたいことを書き並べるだけでは、一方的な押しつけ、押し売りに思われてしまい、多くの読者は離れてしまいます。コンテンツマーケティングでは、「相手が知りたい情報を提供する」ことが大原則。まわり道に思われるかもしれませんが、相手に役立つノウハウや情報を惜しみなく、継続的に提供することで、相手はあなたの会社のサイトを有益な、自分にとって役立つサイトだと考えるようになるのです。相手が読みたくなるテーマを見つけるために、まずは自分が伝えたいこと、つまり、製品やサービスの特徴などを書き出してみてください。次に、その中に読者の抱える課題を解消したり、欲求を満たしたりできることがないかを探してみてください。「時間をうまく使いたい」「売上を伸ばしたい」「会議を早く終わらせたい」「仕事でミスをなくしたい」「育児と仕事を両立させたい」「上司や部下に認められたい」など、読者のニーズに引っかかった部分は、コンテンツの切り口となる可能性があります。STEP31つの記事につき、1テーマに絞る。コンテンツを組み立てていくとき、せっかくお客様に読んでいただくのだから、この機能も紹介したい、あのサービスのことも言っておきたいと、ついいろいろと盛り込みたくなるものです。しかし、そこはグッとこらえて、 1記事1 テーマに絞るのが鉄則。あれこれ伝えようとするほど、結局何が言いたいかわからない伝わりにくい記事になります。また、忙しい仕事の合間に読んでもらうことを考えた場合、長くても 3〜5 分で読めるボリュームにまとめた方が読んでもらいやすくなります。もし、他にも書きたいことが見つかった場合は、それは次の記事のテーマにしましょう。そうして更新頻度をあげたほうが、コンテンツの価値は高まります。他のさまざまな業務と同様、コンテンツ発信にも PDCAサイクルによる改善が大切です。案ずるよりも、まずは実行することが肝心。ブログやメルマガを発信し、その効果を見極め、改善を加えていくことで、真に魅力的なコンテンツができていきます。まとめ1誰に向けて書くかを決めれば、書くことは自然と絞り込まれ、その内容が相手に伝わる確度も高くなる。2製品やサービスの中に、読者の課題解決や欲求につながるものがないかを探す。それがコンテンツの切り口になる。3伝えたいテーマを 1つに絞り、読者が仕事のすきま時間にサクッと読めるボリュームにまとめる。