
HubSpot設定前の準備から活用方法までをご紹介【ワンマーケティングのMA導入事例】
HubSpotは世界120ヶ国以上、15万社を超える企業が活用しているマーケティングプラットフォームツールです。
近年、日本企業の導入数も増えており、注目度も高くなってきています。当社でも2020年よりHubSpot認定パートナーとして取り扱いをスタートさせました。
当記事ではHubSpotを導入したビジネスの実例を中心に、導入時のポイントや活用事例をご紹介します。HubSpot導入をご検討いただく際の参考になれば幸いです。
HubSpotとは
HubSpotはアメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジにあるHubSpot社が開発したマーケティングプラットフォームです。
このプラットフォームにはマーケティング、セールス、カスタマーサービスなどのツールが含まれており、自社のマーケティング活動からセールス活動、カスタマーサポート活動までを包括して対応することができます。
HubSpotの詳細はこちらの記事でも解説しています。
HubSpotを導入したビジネス
ここでは実際にHubSpotを導入したビジネスについて説明します。
シール印刷通販「繁盛シール工房」について
シール印刷案件をオンライン上で申し込めるサービス「繁盛シール工房」。大きな特徴はシールの素材・粘着剤・表面加工など複雑になりがちなシール印刷の仕様を相談レベルから対応し、こだわりのシールをお作りいただけること。
2004年にオープンしてから2021年までワンマーケティング株式会社が運営。2022年よりARC株式会社へ事業を譲渡しております。
HubSpot導入当時(2021年)はワンマーケティング株式会社で導入作業、2022年はARC株式会社へ再導入を経て現在に至ります。
HubSpot導入の経緯
ここではHubSpotを導入するに至った経緯をご説明します。
3つの頭打ち
サービスの運営においては、非常に安定していました。裏を返せば、下がりもせず、上がりもせずの状態が続いていました。その中でも「売上」「単価」「Webアクティビティ」に関しては大きな問題ととらえ、改善を試みましたが上手くいかない状態が続いていました。
【3つの頭打ち】
- 売上が頭打ち
- 案件単価の頭打ち
- Webアクティビティの頭打ち
ブラックボックス化
Webサイトの計測に関してはGoogleアナリティクスだけで対応しており、コンバージョンした見積や問合せが「成約したか」までは確認できていない状態でした。またGoogleアナリティクスでは個人(誰が)が特定できず、受注・失注要因も特定できず、何か改善施策を実行する場合も担当者の肌感(経験値)や結果(売上)だけに頼った状態でした。
HubSpot導入の決め手
そんな中で出会ったツールがHubSpotです。ベースとなるCRMを中心に顧客情報の一元管理、MA機能を使ったLP作成やメール配信、SFA機能を活用した商談管理など、求めていた機能が一通り備わっていました。また以前からシール印刷サイトの集客はサイト内のコンテンツを中心とした、広告無しのオーガニック検索だけで集客しており、HubSpotが提唱するインバウンドの思想とも合致していると考えました。
HubSpot導入時のポイント
ここからはHubSpot導入時のお話です。導入時に実行したことも多くありますが、ここでは大きく3つのポイントに絞って解説します。
ペルソナ策定
まずペルソナの策定です。元々、ペルソナは設定していたのですが、いつの間にか頭の中だけで想像している架空の人物になっていました。今回、HubSpot導入を機に改めてペルソナを再設定。実際に納品したお客様数名にお電話でヒアリングも行い、より理想的なペルソナを設定しました。この作業によりターゲットを明確にします。

購買プロセスの設計
次に購買プロセスの設計です。購買プロセスとはペルソナが購買に至るまでのプロセスを指します。今回は「認知ステージ」「検討ステージ」「意思決定ステージ」に区分けし、各ステージごとにペルソナの活動を整理しました。この作業により顧客理解を深め、各ステージごとにペルソナが必要とする情報(コンテンツ)を整理、不足がある場合は新規コンテンツとしてWebサイトに反映しました。

リードライフサイクルの設計
購買プロセスが顧客目線のステージ管理であるのに対して、リードライフサイクルは自社目線のステージ管理。MAツールを導入して数ヶ月ほど経過した頃、「アプローチするホットなリードがもういない」や「新規リードが増えず、リストが枯渇してしまう」というお話しをいただきます。そのような場合に必要なのが、1件1件のリードを大切な経営資源として循環させていくリードライフサイクルという考え方です。BtoB市場の場合、マーケットが限定的であることが多く、獲得できる新規リードにも限りがあります。つまり、現存するリードはすべて、マーケティング対象として大切に扱うという姿勢が重要になります。


失注や保留を理由に獲得したリードを放置するのではなく、一旦、再育成対象に戻し、次の購買のタイミングが巡ってきた時に再アプローチできる仕組みをつくれば、リードの枯渇を防ぐことができます。
HubSpot活用事例
ここからは繁盛シール工房でのHubSpot活用事例を一部抜粋してご紹介します。
定期メール配信
お見積りを回答しただけで「放置状態」になっていたお客様や、納品してから「ご無沙汰」になっていたお客様に対して定期メールを配信しました。主な配信目的は相見積りをとられている方や案件を放置されている方に対してのリマインドが目的です。リードライフサイクルのステージ管理で該当するリードをリスト化し、メールを配信。配信結果はリアルタイムにレポートで確認することができます。

一定期間の配信を行った結果、メール開封率は「約35%」、クリック率「約3%」という内容でした。繁盛シール工房というサービスのリマインドが目的であったため、開封率に比重をおいた施策でした。開封率を上げるためにメールタイトルを普段のお見積り回答時に使うメールと似せるといった工夫を繰り返し、少しずつ改善していきました。
ターゲットに合わせたコンテンツの量産
ペルソナと購買プロセス設計の段階でコンテンツを棚卸ししたことに加え、潜在層に向けてコンテンツを量産しました。コンテンツの追加や更新はHubSpot管理画面で簡単にできます。
また、HubSpotのSEO機能では文字数不足や単語不足、画像のalt属性の入力漏れなどSEO施策の基本を指定してくれます。コンテンツごとにレポートも確認することもでき、記事を修正する際や新規コンテンツ作成時に参考になります。


導入プラン
最後に導入したHubSpotの契約プランをご紹介します。
本記事でご紹介したビジネスでは、マーケティング施策を本格的に進めたいとの考えからMarketing Hubを契約、また、一部の案件を商談化させて管理するためにSales Hubも契約しました。
※本記事では割愛していますが、Webサイトリニューアルも同時に行ったため、サイト構築ができる「CMS Hub」を契約しています。
ソフトウェア | プラン | 主な機能 |
HubSpot CRM | Free | 顧客データや会社データの管理、活用 |
Marketing Hub | Professional | マーケティングメール、LP、マーケティングオートメーション、分析 |
Sales Hub | Starter | 営業数値の管理、進捗管理、営業効率化、分析 |
CMS Hub | Professional | Webサイト構築、クラウド型CMS、ドラッグアンドドロップによる編集 |
参考:HubSpot 製品・サービスカタログ
https://legal.hubspot.com/jp/hubspot-product-and-services-catalog
HubSpotは無料で使えるCRMを中心に必要な機能だけを契約することが可能です。皆様のビジネスの成長に合わせてプランをご検討ください。
ご契約プランの内容はワンマーケティングでご相談いただけます。お困りの場合は是非、お問い合わせください。
まとめ
今回の事例でご紹介したサービスは現在進行中で運営しております。ご興味ある方は是非、サービスサイト「繁盛シール工房」をご覧ください。
HubSpot導入にあたり、そのツールで今の課題を解決することができるかがポイントになります。ツールを使い始めるといつの間にかツールの機能面の活用に目移りすることがありますが、本来の課題が解決できないのであれば本末転倒です。企業ごとに課題は異なりますが、ツールで解決できるか判断がつかない場合は、弊社までご相談ください。
ワンマーケティングでは、マーケティングの戦略設計からMA導入・運用、セールス支援、コンテンツ制作まで統合的に支援しています。HubSpotの導入・運用に関してのお困りごと、ご相談ごとがありましたら、是非、お問い合わせください。
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