スコアは当てにならない?マーケティングオートメーションを導入、運用していくうちに「リードスコアリングの結果があまり当てにならない」という議論が生じることがあります。例えば、「スコアの高まったリードに対しアプローチしてみたが、全然アポイントが取れなかった」「そもそも案件がなかった」というようなケースです。実際、弊社でもリードスコアリングを実施し始めた初期のころは、必ずしもスコアの高い見込み客のアポイントが取れるわけではなく、将来的な案件はありそうなもののまだまだホットは状態ではないようなケースも多々ありました。同じような状況に陥っている企業も少なくないのではないでしょうか。スコアリングがうまくいかない原因スコアリングがうまくいかない原因はいくつか考えられます。1.十分なリードがないリードスコアリングを実行するには、ある程度のボリュームの見込み客リストを保有していること、そして今後もリードを獲得していける状態にあることが前提条件です。活用できていない過去の営業名刺リストや、展示会やセミナーなどから獲得したリストがほとんどのBtoB企業にはあるはず。まずはそれらを統合してリードデータを整備することが必要です。また、現状リード獲得の手段がないと言う場合には、マーケティングオートメーション導入の前にリードジェネレーション施策の強化が重要になるでしょう。※参考:コンテンツマーケティングとは?※参考:コンバージョンを向上させる10の方法2.データのクレンジングができていないスコアリングを実行する前に、ターゲットであるかどうかを先に判断する必要があります。競合企業や、一般の個人、学生など、対象外のリードに対してスコアが付与されている状態では、スコアリングの精度はどうしても下がってしまいます。リードデータを定期的にクレンジングすることが必要です。弊社にもまれにマーケティングやSEO関連の営業電話がかかってくることがありますが、これはまさにデータクレンジングができていない典型的なケースになります。※参考: データベースを使った効果的なリード管理とは?3.コンテンツがない見込み客の行動を把握するためには、行動を促すこと、そして行動を起こした先にあるコンテンツが必要です。今あるコンテンツで購買プロセスに対応できるかを検討し、さらにコンテンツが必要であれば、それらをを準備すること。本来なら専属のマーケティング担当者を配置し、戦略設計やコンテンツ設計、コンテンツの作成等を社内で実行できることがベストですが、リソースが足りない企業も多いでしょう。この場合は、社内体制を考え直す、もしくはコンテンツを制作できる(シナリオ設計も併せて)企業との協業などを検討することをおすすめします。※参考:8か月でWEBサイトへの訪問数477%増加。BtoB企業サイトでの集客方法とは?4.スコアの基準が曖昧どんな属性のリードの、どのような行動に何点加点するのか?インサイドセールスや営業へリードを引き継ぐ閾値を何点と定義するのか?これらは、マーケティングオートメーション導入時に検討すべき項目の1つだが、これが意外と難しいものです。導入初期段階では、過去の顧客データやなどから仮説立ててスコア基準を決定するしかなく、結果として、「スコアは高いが、ホットリードではなかった」という状態になるケースもあるでしょう。しかし、この点に関してはある程度仕方のないことです。それよりも重要なのは、PDCAを回す中で加点方法やしきい値を見直すことです。リードスコアリングの基本的なことは、「リードスコアリングで見込み客の有効度を見極め商談率アップをはかる方法」に記載しているので、ぜひそちらを確認してみてください。5.購買意欲が高まるタイミングを把握できていない例えばホットリード基準を100点と設定した場合、その内容(属性や行動)は見込み客によって大きく異なります。ブログ記事を20記事閲覧したリードと、サービスページを閲覧、さらに資料請求したリードが共に100点に達している場合。購買に近いリードは明らかに後者ですよね。数値としてのスコアだけでは見えにくい購買行動やタイミングなど、「購買に近いスコアの内容とは何か」をマーケティング担当は見極める必要があります。リードスコアリングの精度を上げるポイント数値としてのスコア+行動履歴購買に近いリード、直接問い合わせのるようなリードには、数値上では見えない数日間での急激なスコア上昇や、特定ページ(例えばサービスページや企業情報)の閲覧などの行動が見られることがあります。これらの行動にはもちろんスコアを付与しますが、それだけではなく、特定の行動があった場合は営業にアラートを出す、SFAと連携している場合はSFAにも履歴として残すなど、「スコア+特定の行動」を基準とすることで、セールスリードの精度をより上げることができます。Marketoでは、スコア、Web上でのアクティビティの他、特定の行動を「注目のアクション」として営業にも簡単に共有することが可能です。営業との連携そして、最も重要なのが、他部署、特に直接顧客と接点のある営業との連携です。スコアリングだけに限らず、BtoBマーケティングの目的は、どれだけ営業にホットな状態のリードを渡せるか、どれだけ営業効率を上げられるかに依ります。営業が考える「案件化する可能性のあるリード」と、マーケティングがデータで見て考えるホットリードとはもしかすると差異があるかもしれません。常に営業との連携を保ち、営業活動のフィードバックをもらうこと、それをスコアリングにも活用することが精度を上げる重要なカギとなります。