なぜマーケティングの成果は見えにくいのか?マーケティングの成果はなぜ見えにくいのか?多くの場合、その原因は、見込み客を集めることが目的化してしまっていることにある。例えば、「展示会で3,000枚の名刺を集める」「Webサイトで月間10,000アクセスを目指す」というように、見込み客の獲得数を目標値や成果として設定している企業は多い。そして、集めたリードを、そのまま営業に丸投げしてしまっているケースが、実際によく見られる。これが、マーケティングの成果が見えにくい大きな原因なのだ。見込み客獲得数を目的としているため、そこからどれだけ営業案件が生まれたか、最終的にどのぐらい売上に貢献しているのかは把握できない。また、目標として打ち出した数字も、前年度の結果などからあいまいに設定しているケースも多いため、成果目標自体がそもそも適切なのか判断しにくく、結果、課題や改善策も見つけにくい状態に陥ってしまっている。この状態では、マーケティング活動を適切に進めていくことは難しいと言わざるを得ないだろう。一貫した指標が必要上記のような成果目標は、あくまで顧客獲得に向けた一連の仕組みの中のプロセスであってゴールではない。もちろん見込み客を集めることは、マーケティング活動を進める上で重要なファクターだ。しかし、マーケティング活動の最終的な目的は、見込み客を集めることではない。マーケティングに求められているのは、顧客獲得に繋がる購買確度の高い営業案件を生み出すことであり、結果として企業の売上をアップさせることだ。そして、適切な成果目標を算出するためには、マーケティング活動全体を俯瞰する視点、そして、一貫した指標が必要だ。その指標として用いられるのが、KGIとKPIだ。KGI(Key Goal Indicator)重要目標達成指標最終的な目標・ゴールの達成度を定量的に表す指標KPI(Key Perfomance Indicator)重要業績評価指標目標に向けたプロセスの達成度合いを示す指標KPIを設定する際は、まず目指すべきゴール(KGI)を設定し、そこから逆算してそれぞれの施策のKPIを設定する。そうすることで、実施している施策の適切な指標、成果を目に見える形で把握できる。また課題や改善策を検討することもでき、よりマーケティング活動を最適化することが可能だ。マーケティングのKGIとは何か?では、マーケティングのKGIには何を設定すべきだろうか?先述したように、マーケティングの役割は、顧客獲得に繋がる購買確度の高い営業案件を生み出すことだ。では、KGIには商談に至った営業案件数を設定すべきかというと、答えはノーだ。KGIとしては、それでは不十分で、マーケティング活動が売上にどれだけ貢献したかが把握できない。マーケティング活動は、顧客獲得に向けた一連の仕組みの中のプロセスである。であれば、KGIは、マーケティング部署で完結する数値でなく、企業、または部署など組織全体の目標、つまり売上とすべきである。KPIの算出例では、売上をKGIとし、そこからマーケティングのKPIをどのように算出するのか?今回はある1部門のWEB施策のKPI算出を例として考えてみたい。 上記は一例ではあるが、一度マーケティングのKPIを算出してみると、ぼやけてしまっているマーケティング施策の指標、貢献度、が具体的に見えてくるはずだ。KGIから逆算して集客すべき母数を割り出し、まず目指すべきはどこなのかを明確にした上で、施策を実行していくことが重要である。まとめKGI・KPIは、企業の事業、そしてマーケティング活動が適切に進んでいるかどうかの判断をするための重要な指標だ。もし、「現状のマーケティング活動は適切なのか?」「改善すべき点は何なのか?」がわからず、目標や達成度があいまいになっているならば、この機会に是非、KGIと具体的なKPIを算出、設定していただくことをお勧めする。そして、その指標を元に、PDCAを回し、今後のマーケティング活動を最適化していただければと思う。