Salesforceのコンセプトは『過去と未来の活動ログ』Salesforceのそもそものコンセプトは、営業による対面や電話、メールなどの接点をログにして貯めていくことにあります。そして過去履歴に加え、未来の予定もログ化し、予定を完了しては、未来の予定を立て、そのサイクルを回していくことで顧客との商談を進め、営業活動を効率的、効果的に実行するためのツールです。ところが、この「未来の予定を立てる」という点で、行き詰っている営業担当者が非常に多いと聞きます。その原因は、PSS(プロフェッショナルセリングスキル)の要素が不足しているため、次の営業機会を得られていないこと、案件化できるだけの情報やネタが足りず、受注に至らないなど、早い段階で商談が終了していることです。上記の結果、多くの顧客は、その後フォローされることなく放置されたままになっているケースも多いのではないでしょうか?顧客の行動を察知し、未来の予定を立てる放置された見込み客が、今後自社のサービスや製品に興味を持たないかというと、決してそのようなことはありません。Sirius Decisionsの調査データでは以下のように示されています。積極的な購買意欲が見られないためフォローを止めてしまった見込客のうち、80%は2年以内に競合企業から製品を購入している。つまり、営業がフォローできていなかったことで、多くの価値ある顧客を取りこぼしている可能性も大いにあり得るということです。顧客の購買意欲の変化は、その行動に示されます。例えば、ホームページを閲覧する、あるいは送ったメールを見ている、などの行動を示します。この顧客の一連の行動をSFAで見える化することができれば、今まで予定を立てることができなかった顧客の動きを察知して、それをきっかけに再度アプローチすることが可能となります。その結果、従来以上に効率の良い商談が実現できるはずです。マーケティング情報は宝の山つまり、様々なマーケティング情報をログ化し、その顧客の活動量を見ることで、数多ある顧客の中から優先順位を決定でき、効率良くアプローチすることが可能となるのだ。さらに、マーケティングログと営業のアプローチログを蓄積していくことで、休眠顧客の掘り起こしやサイクル期間の長い商材の事案化状況の察知、メイン商材以外のクロスセルなど、様々な営業効果をもたらす事もできます。また、ログデータを集積していくことで「最も短く商談化がしやすい道筋=必勝パターン」や「どこで詰まっているのか=ボトルネック」を見つけだせるようになります。入り口から出口までの行動、顧客接点を把握することで様々なことが可視化されるでしょう。マーケティング接点はSFAでは見えないしかし、SFAだけで顧客の行動を可視化することは難しいことです。冒頭にも述べたように、SFAは営業担当者と顧客との接点を管理していくためのツールです。もちろん、展示会やセミナーなどのオフラインマーケティングの接点管理はSFAでも対応できます。しかし、多くのSFAでは名寄せはされず、キャンペーン毎に顧客リストが紐付くため、顧客単位でマーケティング接点が紐付くわけではありません。そのため、顧客接点が生まれるたびに、同一人物にもかかわらず顧客情報が別々に作られてしまいます。そうなると一人の顧客のマーケティング接点による活動量を観測することはは難しくなります。もちろんオフラインマーケティングの接点であれば、名寄せを手作業で根気良くしていくことで解決します。ここでの問題はWebページやメールマガジン、フォームのコンバージョンなどのオンラインマーケティングの接点です。これらがオンライン接点となると名寄せは手作業では難しくなります。そこで登場するのが、マーケティングオートメーション(MA)です。※参考:マーケティングオートメーションの役割と機能を分かりやすく解説マーケティングオートメーション(MA)ではマーケティング接点を顧客単位で管理することができます。・誰がどのようなページを閲覧しているのか・どのような経路をたどり顧客情報を獲得したのか・事案化するタイミングにはどのようなページを閲覧しているのかなど、マーケティングオートメーション(MA)とセールスフォースオートメーション(SFA)を連携することで、マーケティング担当者のみならず、営業担当者やインサイドセールス担当者にも、それらの情報を閲覧することが簡単になります。※参考:見込み客とのタッチポイントを管理する方法マーケティングオートメーションがSFAの活用を促進する営業担当者は非効率な商談を避けたいものです。BtoBは組織購買であり、担当者をその気にさせただけでは、事案化させるのは難しいです。効率良く営業活動を行うためには、やはり買ってくれる見込みの高い顧客だけに絞って営業活動が行われるべきでしょう。もちろん、効率的な商談を生み出すためには、マーケティング情報が重要となります。特に自らインバウンド経由でWebサイトへ流入してくる見込み客のマーケティング情報は自社への関心度の現れでもあります。商談につながる重要な顧客情報が蓄積されるオンライン接点は、営業担当者にとっても宝の山です。しかし、お客様の接点は鮮度が命。顧客は待ってくれません。マーケティングオートメーションが連携されることにより、リアルタイムで入ってくる顧客の動向は、営業担当者のSFA活用に繋がるでしょう。売上を向上させるためには、営業部門だけではなく、マーケティング部門の協力体制は欠かせません。マーケティングから顧客の流れを作り出すことで、効率の良い営業活動が可能となり、ますますSFAの活用と定着化につながります。