シックスシグマで効率的にマーケティング!メリットや手順を解説

シックスシグマとは?マーケティングに役立つ考え方!

当初、シックスシグマはマーケティング向けの手法として開発されたものではありませんでした。シックスシグマの成り立ちや発展経緯を紹介しつつ、概要を紹介します。

統計学から生まれたシックスシグマ

シグマ(σ)は標準偏差といい、統計学上でバラつきの度合いを示す指標です。かつてのシックスシグマは、品質のバラつきによるエラーを抑えるための手法でした。モノを作ったり、装置を運転させたりするときは、エラーがつきものです。しかし、安全性が求められる自動車製造などの業界では、エラーは最小限に抑えなくてはなりません。

そこで、1980年代にモトローラ社が提唱したのがシックスシグマです。シックスシグマは「100万回のうちエラーが起きる割合が3、または4回」という、確率を表します。

最初は品質改善のために生まれたシックスシグマでしたが、しだいに企業の経営課題を解決するマーケティング手法としても注目されるようになりました。シックスシグマは、一つひとつの業務プロセスを見直して課題を解決します。

リーンとシックスシグマの融合

業務プロセスを見直す際に着目したいのが、業務におけるムダ(リーン)でしょう。「顧客の要望に応えるにはムダを削らねばならない」という考え方はトヨタが提唱したもので、リーン生産方式は別名、トヨタ生産方式とも呼ばれます。

なお、具体的なムダは「加工」「在庫」「製造量」「待機時間」「動作」「運搬」「不良」の7つと定義されます。リーンに着目して業務プロセスを見直すようになり、シックスシグマはより洗練された課題解決手法となりました。

シックスシグマとISO・QCのかかわり

2020年現在、シックスシグマはISO規格に導入されています。ISO規格とは、世界共通のルールです。誰でも理解できる単位や安全標識などが、ISO規格として挙げられます。また、QC (Quality Control)とのかかわりも確認しておきましょう。QCとは和訳すると「品質管理」で、課題にかかわる当事者が話し合い、PDCAサイクルを回して課題解決にあたる手法です。

QCは製造現場でよく用いられてきましたが、定量的な観点が欠落している場合もありました。一方、QCに統計学的な考え方を加え、現状や目標などを見える化したものがシックスシグマです。課題を定量的に捉えたことで、スムーズに課題解決できるようになりました。

シックスシグマを導入するメリットは?

シックスシグマを導入するメリットは品質改善にとどまりません。導入することで得られるメリットを紹介します。

企業の成長

シックスシグマは商品やサービスの品質改良に役立ちます。それにより顧客満足度が向上することで、最終的に企業の利益に貢献するでしょう。

また、人材育成にも効果的です。シックスシグマを使うと、勘や経験に左右されることがない安定した課題解決手法を学べます。課題を解決したという経験は、将来的に部下のマネジメント、プロジェクトや企業の方針決定の際に活きるでしょう。

活用範囲の広さ

シックスシグマは、製造業の品質改善のために生みだされました。しかし、現代のシックスシグマは業界・業務を選ばず使われます。顧客の意見と客観的な測定データがあれば、汎用性に優れた手法であるためです。「統計」などと聞くと難しく感じるかもしれませんが、活用するチャンスは多いでしょう。

サービス業・農業・建設業・運送運搬業など、あらゆる現場で使えるので勉強しておいて損はありません。

シックスシグマの手順や導入時のポイントは?

シックスシグマで課題解決するには、正しい手順を踏む必要があります。導入するときのポイントもあわせて解説します。

手順1.Define

最初に課題を設定しましょう。適切な課題を見つけるには、顧客の声を手掛かりにします。シックスシグマは定量的な課題解決手法なので、目標は数値で設定してください。たとえば、製造業でいうと「すべての不良を撲滅する」という漠然かつ実現困難な目標ではいけません。「良品率99%以上を目指す」というように、現実的な数値目標を掲げましょう。

手順2.Measure

データを測定して現状を把握し、課題を達成するための問題点はどこか見つけます。表やグラフで見える化するとわかりやすいでしょう。なお、偏った見方に陥ると問題を正しく見つけられません。データは中立なものをまとまった量で用意する必要があります。

手順3.Analyze

問題として浮かび上がったものを掘り下げて、根本的な問題を分析しましょう。「なぜなぜ分析」を使い考えることもあれば、データ解析システムを用い、機械的に見つけ出す場合もあります。重要なのはプロセスに関して問題を見つけることです。個人の性格・スキルに差があるという内容では、組織的に課題を改善できません。

手順4.Improve

根本的問題を解決するための手段を実行します。一つの問題を解決しても別の問題が発生することがあるので注意が必要です。たとえば、高価な機材を導入して課題を解決すると、導入時のコストがかさみます。いくつか改善策があれば小規模でテストし、よい結果を出したものを本格的に導入しましょう。

手順5.Control

本格的な導入にうつります。テスト段階ではうまくいったとしても、現場で試すとうまくいかない点がでるかもしれません。また、一時は効果があってもイレギュラーな事態に弱い可能性もあります。一度導入したからといって安心せず、定期的に状況をみて適時改善を試みましょう。

シックスシグマ導入時のポイント

シックスシグマ導入の際は、組織的な行動が求められます。トップが課題を複数挙げて、下に丸投げというのでは効果が期待できません。課題に優先順位をつけ、組織全体が理解した上で取り組みましょう。

また、効率よく動けるように役割分担が大事です。特に、シックスシグマのプロジェクトリーダーは「ブラックベルト」と呼ばれ、ほかには「グリーンベルト」「イエローベルト」などのグループがあります。

現状把握に何のデータを使うかも重要です。最初の課題設定の際に目標を数値化して決定しますが、使うデータによっては望んだ結果が得られない場合があります。課題と相関性が強いデータを選びましょう。

シックスシグマの事例を紹介

製造業の品質管理への導入は、比較的イメージしやすいかもしれません。明確な製品規格が決まっているので目標設定がしやすく、データが多いという点でもシックスシグマを使いやすいでしょう。しかし、ほかの業界・業務でもシックスシグマは使えます。

たとえば、顧客から納期短縮を要望されたとしましょう。まず、受注から何日以内で納品するか目標を設定します。次に、現状の納期がどのくらいか、過去のデータを多数チェックしイレギュラーなものを除いて求めます。続いて、どのプロセスが時間を要しているか調べ、なぜ時間がかかるのか問題を深堀します。

最終的に、マンパワー不足となれば人員増加、事務処理が複雑とわかれば手続きを簡略化するなど対策を打ち、目標納期に達するまで改善をくり返します。

まとめ

統計学から生まれたシックスシグマは、多くの業界・業務の課題解決に役立っています。課題を解決するには、課題設定・測定・分析・解決手段のテスト・本格的導入という手順で行いましょう。また、シックスシグマの成果を十分に得るには、顧客の声を手掛かりに明確な課題を設定することと、役割分担のもと組織的に活動することがポイントです。

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