ステップメールとは?メルマガとの違いと活用方法について解説

いま、BtoBマーケティングにおいてリードナーチャリング(見込み客の育成)に活用する「ステップメール」が注目されています。ステップメールといえば、従来はECの分野で購買促進・ロイヤリティ強化などのフォローアップに活用されてきたイメージがありますが、ここ数年では、MA(マーケティングオートメーション)の導入企業増加や、リードナーチャリングの重要度が増してきたことなどを背景に、BtoBにおけるステップメールの必要性も高まってきています。

そこで今回は、BtoBにおけるステップメールの重要性や、メールマガジンとの違い、活用方法について解説します。

ステップメールとメルマガの違いとは?

ステップメールとは?

BtoBにおけるステップメールとは、シナリオに沿って「ステップ=段階」を踏みながら、主に見込み客にメールを複数回送信して情報提供を行い、購買意欲を高めるメール配信手法です。主にリードナーチャリングに活用されています。

例えば、見込み客が自社サイトから資料をダウンロードした後、すぐに「お礼メール」を送り、そこから2日後に「資料の中身についてのアンケートメール」、そこから5日後に「導入事例や個別セミナーなどの案内メール」とステップを踏んでメールを送信していきます。

このステップメールがBtoBにおいて重要視されはじめた背景には、まずBtoB顧客の購買行動の変化があります。インターネットやスマートフォンの普及により、顧客は課題解決に際して、自らインターネットを中心に情報収集を行って課題解決策をいくつか見つけ、比較選定を行い、購買に至るという流れができています。

特にBtoBにおいては購買の意思決定に複数人が関与するため、それぞれのプロセスでいかに有益な情報を提供してナーチャリング(育成)していくかが重要になってきます。

また、そうした購買プロセスを追い、ステップメールの機能を備える者も多いMA(マーケティングオートメーション)が、多くのBtoB企業に導入されるようになったことも、注目されている理由です。

メールマガジンとの違い

ステップメールは、「顧客や見込み客に配信するメール」という意味ではメルマガと同じですが、目的や期待する効果、配信のタイミングや内容が異なります。主な違いを次の表に示します。

BtoBにおけるステップメールとメールマガジンの違い

メルマガの目的は一つに限定されません。それに比べて、ステップメールは、見込み客が欲しい情報を予測してタイミングよく配信することで購買意欲を高める「リードナーチャリング」などの明確な目的があります。

そしてステップメールとメルマガの最も大きな違いは、配信のタイミングです。メルマガは、自社本位のタイミングで配信する一方、ステップメールは必ず見込み客が何らかのアクションを行ったタイミングで配信します。例えば、自社サイトのお問い合わせフォームから資料請求を行った後、イベントのブースに来訪した後などのタイミングです。

必然的に、配信するメールの内容も異なってきます。ステップメールは、あらかじめ自社が作成したシナリオに沿って、見込み客のアクションごとに順を追って配信していくため、内容も見込み客の状況に合わせて、そのときに「欲しい情報」を提供します。その点、メルマガは個別の内容とは限りません。

ステップメールを活用するメリットとは?

ステップメールを活用することには、次のようなメリットとデメリットがあります。

【メリット】
・One to Oneの特別な情報を届けられる
・見込み客と関係をより深められる
・見込み客との接点が増える
・シナリオに沿ってコミュニケーションを取ることができる
・リードが増えたときに漏れなく個別対応が可能になる

【デメリット】
・シナリオ設計と配信タイミングを決める作業に手間と工数を要する
・メールコンテンツ作成に工数を要する
・最新情報を盛り込みにくい

ステップメールは、数多くのリードを抱え、その都度個別の対応をするのがむずかしい場合に便利です。シナリオ設計をしてメールを自動的に必要なタイミングで配信するよう設定しておくことで、リードにその都度、必要な情報を必要なタイミングで配信するというOne to Oneコミュニケーションを行うことができます。

一方で、購買意欲を高めるシナリオとメールコンテンツは入念に作り込む必要があるため、準備や設定に大幅に手間と工数を要します。

ステップメール活用のポイントとは?

ステップメールを送るときには、次の3つのポイントを押さえると、より成果につながりやすくなります。

目的を決める

ステップメールの大きな意味での目的はリードナーチャリングだとしても、それだけでは不十分です。シナリオごとの目的、1通、1通ごとの目的を決めることがポイントです。

例えば、先の資料ダウンロードというアクションを起こした見込み客へのステップメールの目的は次のようになります。

▼資料ダウンロードのステップメール:【目的】「個別セミナー参加申し込み」

1通目:お礼メール【目的】関係構築
2通目:資料についてのアンケート【目的】ニーズの深堀
3通目:導入事例・個別セミナー案内【目的】導入事例・個別セミナーの情報提供・興味喚起

ターゲットを絞る

メールを配信するターゲットを絞ることも欠かせません。どのアクションを起こした相手に対してステップメールを送るかということです。例えば、次の絞り方があります。

・資料ダウンロード者
・セミナー参加者
・イベントのブース来訪者
・お問い合わせフォームからの送信者
・サービス内容・料金表のページ閲覧者

シナリオ設計

シナリオ設計は、BtoBのリードナーチャリングにおいて非常に重要です。先にも述べた通り、近年の顧客の購買行動の変化から、売り込み営業の時代は終わり、見込み客の購買プロセスに合わせて行動して優位企業として名を挙げてもらうという営業スタイルへ転換する必要が出てきています。そのため、見込み客の必要なタイミングで必要なコンテンツを提供することが重要になってきます。
見込み客は主に「課題発見→解決策の情報収集→解決策の候補選出→問い合わせによる情報収集→比較検討→購買」というプロセスを歩みます。このようなとき、解決策の候補選出時に、サービスの強みや他社と違う点、導入事例などを提供してくれる候補企業がいれば、見込み客にとっては「いいタイミングでいい情報をくれた企業」と思ってもらえます。
このようなOne to Oneコミュニケーションに、シナリオ設計は欠かせません。

シナリオ設計は、購買意欲を高めるためのストーリー作りです。そして既存顧客の購買プロセスを研究するなどして、十分に現実に則した結果の出るストーリーを作ることが重要です。

【シナリオ設計例】

1.お問い合わせフォームから資料請求
2.お礼のメール
3.翌日に資料の送付と共にサービスの詳しい紹介のメール
4.7日後に導入事例の案内メール
5.10日後に個別セミナーの案内メール
6.15日後に無料試供キャンペーンの案内メール

例えば既存顧客が、資料請求の後に導入事例を提供し、個別セミナーの後、購買に至ったパターンが多いという場合、このようなシナリオ設計をします。そして後押しのために無料試供の案内を送る設計にしています。

これはあくまで一例ですが、このようにシナリオ設計は入念に作り込み、見込み客の心理を先読みする、精度の高いものにしていくことが重要になってきます。

ステップメールとメルマガを組み合わせ、マーケティングの効果を最大化する

ステップメールは、メルマガと組み合わせることで、より見込み客と密なコミュニケーションを取ることができます。それぞれの得意とするところを活かして送り分けることがポイントです。

先にもご紹介した通り、ステップメールは個別のアクションに応じた適切な内容を適切なタイミングで送り、メルマガはすべてのリードに対して伝えたい最新情報を一斉配信するという風に使い分けます。

また、MAを活用することで、より細かなステップメール配信が可能になります。例えば、MAでWebサイトのアクセス履歴を取得し、お問い合わせフォームのページに何度か訪れたものの、お問い合わせに至らなかったリードに対して、ステップメールを送るといったことが可能になります。
また、MAではステップメールの開封の有無も知ることができるため、開封した人にはこのメール、開封しなかった人にはこのメール、といった風に細かくシナリオ設計をして自動的にステップメールを配信することも可能です。

人手では到底むずかしい細かいメールの送り分けも、MAを駆使して自動化し、さらにメルマガと組み合わせてうまく実施していくことで、マーケティングの成果が最大化させることができます。

まとめ

ステップメールは、現代におけるBtoB顧客の購買プロセスに則したコミュニケーションを実施していくのに適しています。入念に精度の高いシナリオを設計し、メルマガとの組み合わせやMA活用でマーケティング効果を最大化していくことが可能です。

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