展示会をサポートしていたお客様からの一言2009年、2011年に襲った未曾有の負の波は、当社のお客様を直撃しました。私たちの大きな収益になっていた展示会や印刷といった商材にも影響があったのは、言うまでもありません。展示会の出展を取りやめる企業が増える中、とあるお客様から言われた一言、このことが私たちの事業を大きく展開するきっかけとなりました。『展示会をやっても、まったく効果が分からない』展示会は売り上げを上げるために出展するはずが、展示会の効果が見えない。とそのお客様は言ったのです。名刺を獲得することは、もちろんやっていましたが、その名刺をうまく活用できていないこと、名刺に対して結果が紐づいていないことが起因していました。そこで、私たちは、展示会を実施するだけでなく、名刺に対してアフターフォローのメールや架電をお客様に代わってアウトソーシングで請け負う形態のサービスを実施するようになりました。そのようなサービスを続けていく中、BtoBマーケティングというキーワードが、私の中にひっかかかったのです。見込客をリードといい、それらを育て、選別していき、そして、それらを永続的に管理していく必要があるという、至極真っ当なことが、まったくできていない事実を目の当たりにしたのでした。医者の不養生同様に私たちも2011年までは、ガンガン飛び込み営業をしていました。もちろん仕事が獲得できないわけではないのですが、非常に効率が悪く、営業の離職者も多かったのが悩みでした。確率でいうと100件に1件。そこから永続的に取引できる会社というのは、5件に1件くらいだったのを記憶しています。また、営業の習性として、断られた見込み客には、再訪しないという課題もありました。つまり私たちも、お客様と同じくマーケティング不在で、営業が前線で個人戦を繰り広げているような状態でした。こんな状態では売上が上がる理由もありません。そんな中、Hubspotというマーケティングオートメーションが日本に入ってきました。Husbpotは、インバウンドマーケティングを提唱しているサービスでした。当時はとても斬新に感じました。早速、わが社でもインバウンドマーケティングを実施しようと、セス・ゴーディング氏の『パーミッションマーケティング』やブライアン・ハリガン氏の『インバウンドマーケティング』等の関連書籍を読み漁りました。選択と集中インバウンドマーケティングを実践するにあたり、マーケティング組織を作ることを決意しました。マーケティングをお客様に提案するのなら、わが社でもマーケティングを実践することが重要であるという信念のもと、思い切ってマーケティング担当者を採用しました。そして、まだ未経験の山岸が入社しました。彼が入ってきたことで、私の中でも腹をくくる必要がありました。マーケティングでやっていくという気概を彼や、他のメンバーにも見せないとダメだと思いましたので、社名変更と事業転換をやっていく決意が固まりました。それが2013年の3月のこと。そして山岸が入社したときに出したお題が、当社のWebサイトでインバウンドマーケティングを実践していくこと。そしてリード獲得をするためのホワイトペーパーを制作するというミッションでした。とても粘り強く頑張ってくれました。そして、ようやくWebサイトの公開準備が整いました。公開は2013年6月ごろです。ついにワンマーケティング株式会社として始動したのです。社名・事業を変更して、非常に大切なことに気付くことができました。それは事業をやっていく上で、選択が必要だということ。何かを集中するためには、何かを失う覚悟が必要であるということ。つまり腹を括るということです。経営者も、営業も、マーケも、そしてお金もすべてが有限であること。これらの資源をどこに突っ込むか?を学ぶことができました。トライ!トライ!トライ!インバウンドマーケティングを実践してからは順調に見込客が増えていきました。大阪のみが拠点だったところ、2014年末には東京に拠点を構え、新たな顧客への対応をしていくことができるまでになりました。次なる課題は、営業との連携でした。マーケティングオートメーション(当時は国産ツール)で生成されたリードデータを抽出して、そのあと、SFAにインポートしなおす。また、営業のアプローチ状況を踏まえて、再度、マーケティングオートメーションに戻すというのは、かなり大変な労力が発生していました。そこで、マーケティングオートメーションとSFAと連携することが可能なツールを前提に調査をしていましたが、丁度のタイミングでマルケトが日本に入ってくるという噂を聞きつけ、導入を検討し2015年2月に導入を決定しました。マルケト導入の効果は、想像を超えるものでした。営業転換時の工数削減と、マルケトによる見込客行動の見える化により、営業効率とカバー率の向上は、大きなインパクトを得ることができました。逆にフォロー対象が増えた分、対応できる営業リソースが無いことが判明したくらいです。これらをスムーズにフォローし、もっと営業は営業らしい仕事に専念させるためにもインサイドセールスが必要であることが明確になりました。それまで営業か、それともインサイドセールスの採用かを悩んでましたが、その頃の課題は、フォローしなければならない見込み客の対応です。見込み客とのタッチポイントの量を上げること、そして今までにない組織=役割を取り入れることで、新たな化学反応が生まれることに賭けました。そしてインサイドセールスの部署が誕生しました。結果、タッチポイント数は格段に向上し、営業転換率、案件化率も向上しました。マルケトの存在は、私たちのビジネスを強くしました。また、マーケティングオートメーションの理解を深め、BtoBマーケティングとは何であるかも教えてくれました。ここでの教訓は、トライすることです。トライによってもたらす成果や解決をイメージできるのであれば、すぐに実行することです。当時、私たちの会社の器としては、マルケトはとても高価なツールでした。それでも課題が明確で、課題を解決することができるのであれば、という思いで導入を決定しました。いまとなっては、マルケトのツール費用はまったく安価なものと断言できます。真の課題解決を求めて2013年に事業転換を行ってからは、自社のマーケティング体制や組織作り、東京にも進出し、展示会の自社出展やセミナーでの講演、自社サービス『mabot』のローンチ、マルケトのパートナー参画など、今まで経験してきたことがないことばかり、とても充実した5年間でした。東京の顧客も少しずつ増えていき、収益構造も変わってきました。マーケティングオートメーションが導入されている企業が増えてきた一方で、全くそれらを使えていないという悲劇も生まれてきています。何とかこの価値を理解してほしいという思いで、最近では、リカバリ案件も増えてきており、コンテンツとマーケティングオートメーションの運用という面でもご支援をさせていただいています。ただ、私たちが忘れてはならないのは、マーケティングオートメーション屋、コンテンツ屋ではなく、課題解決屋であること。顧客にとってのベストを提案すること。お客様の傍に立ち、本当の成功をお手伝いすることが、私たちの価値であるという認識を社員全員でコミットすることがますます重要であると考えています。真の顧客課題を解決するために、ますます精進してまいります。まだまだ至らぬ点も多く、皆様には、これからもご指導ご鞭撻を益々よろしくお願い申し上げます。