バリューチェーンって何?サプライチェーンとの違いや分析手順を解説

バリューチェーンとは?

バリューチェーンとは「価値連鎖」を表しており、主活動と支援活動に分かれています。ここでは、バリューチェーンの具体的な意味について解説します。

バリューチェーンの主活動とは?

主活動とは、商品が顧客に届くまでの流れに直接関係している活動のことです。たとえば、製造、出荷、マーケティング、営業、販売などの活動は、すべて主活動に含まれます。

バリューチェーンの支援活動とは?

支援活動とは、主活動を支えるための活動のことです。たとえば、技術開発や材料の調達はもちろん、会計、財務、人事なども支援活動として捉えられます。

サプライチェーンとの違いは?

サプライチェーンは物がどのように供給されていくかを示しています。一方、バリューチェーンが示しているのは、価値供給の流れについて表したものです。サプライチェーンは物理的な連鎖を表しているのに対し、バリューチェーンは商品がもたらす価値の連鎖を表しています。

また、サプライチェーンは物の供給に直接関わる活動のみに着目しますが、バリューチェーンは間接的に関わる活動も含めて考える点も大きな違いです。

バリューチェーンの具体例を紹介

バリューチェーンはさまざまな企業で活用されています。ここでは、バリューチェーンの具体例を紹介します。

具体例1:ほけんの窓口

ほけんの窓口は、複数の保険会社の商品の中から、顧客に適したものを提案する保険代理店です。相談会や人的資源管理といった独自のバリューチェーン活動を取り入れたことで、顧客のニーズをより正確につかめるようになりました。バリューチェーン分析を行ったことで信頼獲得に成功し、顧客に適した保険を多く提案できるようになっています。

具体例2:オイシックス・ラ・大地

オイシックス・ラ・大地は、オンラインで食品を販売する小売業を営む企業です。研究開発、調達、物流、アフターセールスなどのバリューチェーンを強化した結果、利便性や安全性、食品の美味しさの向上が実現しました。また、他社のサービスとの差別化に成功し、食に対して関心の高い顧客を獲得しています。

具体例3:ネットプロテクションズ

ネットプロテクションズは、通信販売の決済手段の1つとして後払い決済サービスを展開している企業です。与信審査や請求に加え、コールセンターの運営やシステム運用などのバリューチェーンを強化しています。また、他社とは異なる人的資源管理を実施している点も特徴的です。これらの取り組みにより、高品質で汎用性の高い決済サービスの実現につなげています。

具体例4:ニトリ

ニトリは、家具や家電などのインテリアを販売する大手企業です。主活動として、海外からの仕入れ、生産、流通、デザイン、規格、接客などを行っています。また、支援活動として、資金調達や人材育成だけでなく、インフラ整備にも力を入れているのが特徴です。大規模なインフラ整備により、競合他社が真似できないほどのコスト削減に成功しました。

バリューチェーン分析ってなに?

バリューチェーンを活動(レイヤー)ごとに分けて考えるためのフレームワークです。すべての活動に価値の連鎖があると捉え、それぞれ物の連鎖と価値の連鎖に切り分けて分析します。

バリューチェーン分析を実施する目的

バリューチェーン分析は何のために実施するのでしょうか。ここでは、具体的な目的を解説します。

自社の強みを把握できる

商品が顧客に届くまでの流れを活動ごとに区切るため、自社にとっての強みを把握しやすくなります。会社として特に力を入れるべき活動が明確になるので、ビジネスの成功を掴めるチャンスが広がるのがポイントです。

競合他社の提供価値を分析できる

自社がどのような価値を顧客に提供しているかを把握すれば、競合他社との比較も可能です。競合他社には真似できない自社の強みがわかるため、成功率の高い方法を選びやすくなります。

適切な資産分配が可能

自社の強みと弱みがわかると、適切な資産分配が容易になります。強みに対してより多くの資産を分配できるので、より戦略的で無駄のない活動を進められる可能性が高まるでしょう。

バリューチェーン分析の手順を確認しよう

ここでは、バリューチェーン分析の手順について解説します。

手順1:自社の活動を洗い出す

まずは自社の活動を洗い出し、バリューチェーンがどのようにつながっているかを明らかにしましょう。自社の活動についてなるべく細かく洗い出すことが分析を深めるポイントになります。業種や業界によって洗い出される活動内容は大きく異なるので、自社に合ったやり方を模索しながら進めると良いでしょう。

手順2:主活動と支援活動に分ける

洗い出した活動を主活動と支援活動に分類します。主活動とは商品が顧客に届くまでの流れに関係するもの、支援活動はそれを支えるものです。それぞれを図にまとめ、視覚的に把握できるようにしましょう。

手順3:コストを分析する

分類したそれぞれの活動にはどの程度のコストを費やしているのか確認します。年間でかかったコストをまとめるだけでなく、担当部署ごとに費用分析をするのも良いでしょう。

手順4:強み・弱みを分析する

分類した活動の強みと弱みを洗い出します。ここで重要なのは、なるべく多くの人が分析に参加することです。こうすることで、さまざまな人から意見を聞けるため、より深く分析しやすくなります。競合他社の状況も比較しながら、考えたことを自由に書き出してもらいましょう。

手順5:VRIO分析を実施する

VRIO分析とは、4つの視点から活動を分析して優先順位をつける方法です。これにより、自社の課題や経営戦略などを見極めやすくなります。VRIO分析の詳細については、後述します。

手順6:自社が力を入れる事業を決定する

ここまでの分析結果をもとにし、これからどの事業に力を入れるか決定します。ここでは、注力する活動の運営方法とともに、予算分配についても具体的に考えることが大切です。

VRIO分析とは?

VRIO分析とは、「Value(価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の4つ要素について分析する手法です。ここでは、4つの要素の内容について解説します。

Value(価値)

Value(価値)は金銭的な価値に限らず、人材、備品、不動産など幅広い価値を含んでいます。ただし、すべての経営資源に必ず価値があるとは限りません。それぞれがどの程度の利益を生み出しているかを基準にし、価値を評価します。

Rareness(希少性)

Rareness(希少性)では、自社が取り組んでいるビジネスの希少性について評価します。希少性が高ければ競合他社に対して優位に立ちやすく、顧客から選んでもらいやすくなります。市場における希少性を客観的に判断することが大切です。

Imitability(模倣困難性)

自社のビジネスが模倣されにくいかどうかも重要なポイントです。模倣されにくいほど、長期的に大きなシェアを獲得できる可能性があります。たとえば、特許を取得している場合は模倣困難性が高いと判断できます。

Organization(組織)

経営資源を活かせる組織を構築できるか判断します。ビジネスを成功させるには、組織全体が協力しあうことが重要です。社員全員が同じ認識をもち、目的に向かって必要な取り組みに力を入れられるような組織を構築する必要があります。

まとめ

ビジネスを成功に導くためには、顧客に価値を届けるまでのバリューチェーンを意識する必要があります。バリューチェーンには組織のさまざまな活動が含まれており、そのなかでも自社にとって強みとなる部分に力を入れることが大切です。

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