こんにちは。ワンマーケティング コンサルタントの小林です。昨今、デジタル化の波に伴いコンテンツマーケティングを実施している企業が増えています。しかし一方で、コンテンツマーケティングにチャレンジしているが成果につながっていないと嘆く企業も少なくありません。良質なコンテンツを作成するには、ターゲットのニーズを把握するなど、事前のコンテンツ設計が非常に重要です。本記事では、顧客の購買プロセスに合わせたコンテンツの設計方法についてご紹介します。コンテンツマーケティングを実施しているが、なかなか成果が出ないとお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。コンテンツマーケティングとは?コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することでユーザーをファン化し、製品購入などの行動につなげるマーケティング手法です。コンテンツの種類によって特性が異なるため、目的に合わせたコンテンツを選ぶことが重要です。では、コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」とは何を指しているのでしょうか。ワンマーケティングでは、「お客様の購買活動を支援するマーケティング接点となるもの」はすべてコンテンツであると定義しています。つまり、Webコラムやホワイトペーパーのようなコンテンツだけではなく、ウェビナーやデモ、トライアル、営業資料など、お客様が購買に至るまでに触れる接点はすべてコンテンツであるということが言えます。コンテンツマーケティング4種の型コンテンツを設計するには、コンテンツマーケティングに必要な種類(型)を知ることが大切です。ワンマーケティングでは、コンテンツマーケティングに必要な型を以下の4つに分類しご紹介しています。■コンテンツ4種の型1.集客型:匿名リードを集客するためのコンテンツ 例)コンテンツ・テクニカルSEO2.獲得型:見込み客情報を獲得するためのコンテンツ 例)資料ダウンロードなどのCTA設計3.醸成型:購買意欲を醸成するためのコンテンツ 例)課題に気づかせて検討を前に進める「育成」設計4.捕捉型:検討状況の変化を捉えるためのコンテンツ 例)確度の高い状態を見極めるターゲットとなる見込み客に対して、上記4種類の型を使い分けることで見込み客のニーズの醸成や、ファン化させることが期待できるでしょう。どれかひとつの型だけを充足させるのではなく、自社のコンテンツ状況を鑑みながら必要な型は何なのかを検討していく必要があります。購買プロセスに基づいたコンテンツ設計の重要性前述のように4つの型があるとは言え、「集客ができていないからとりあえず集客型を作ろう」といった具合に闇雲にコンテンツ作りを進めてはいけません。お客様が製品やサービスを購入・導入に至るまでには、必ず何かしらの態度変容やプロセスがあるはずです。いきなり製品が欲しくなり購入する、ということはありえないでしょう。特にBtoBの場合は複数の購買関与者が存在することや、購買までの検討期間が長いなど、BtoBならではの購買行動が存在します。そのため、コンテンツを作成し見込み客を単に集客するだけでなく、中長期で見込み客との関係性を構築するためのコンテンツが必要になるなど、お客様の購買プロセスに基づいたコンテンツの設計が非常に重要となるのです。コンテンツ設計の進め方では、具体的にどのようにコンテンツの設計を進めていけばよいのでしょうか?ここからは顧客の購買プロセスに合わせたコンテンツ設計の方法を6つのステップに分け、弊社の設計事例をもとに説明していきます。コンテンツを設計するためのステップは大きく以下の6つです。①ペルソナ(BP/ICP)の設計②購買プロセスの設計③セールス・マーケティング施策の設計④コンテンツマップの作成⑤コンテンツの設計・制作⑥コンテンツを届ける手段の検討ステップ順にひとつずつ詳しく解説していきます。①ペルソナ(BP/ICP)の設計コンテンツを制作するにあたってまずはじめに考えたいのが、「誰に」対してコンテンツを届けたいか?ということです。「誰に」を考える上では、BP(Buyer Persona)とICP(Ideal Customer Profile)を検討していきましょう。BPは、企業に紐づく購買担当者のペルソナを指し、ICPは企業版のペルソナとも呼ばれ、業界・業種、売上規模など、どのような企業を狙いたいのかを示したものになります。弊社の場合はマーケティングオートメーションの導入や運用を中心としたBtoBマーケティングのご支援がメインサービスとなりますので、以下図のようにBPやICPを設計しています。ワンマーケティングのBP設計例ワンマーケティングのICP設計例②購買プロセスの設計BPやICPの検討ができたら、次はペルソナに合わせた購買プロセスを設計していきます。購買プロセスとは、顧客が自己の購買ニーズを認知し、実際に製品やサービスを購入するまでの一連の行動を言語化したものを指します。以下の図は弊社のマーケティング活動で使用している購買プロセスの一例です。弊社の場合、検討段階は、「現状維持▷情報収集の開始▷課題の明確化▷解決方法の模索▷比較検討▷導入」というように購買に至るまでのプロセスを6つのステージに分けて考えています。検討段階のステージが決まれば、ステージごとに以下の内容を検討していきます。そのステージの定義はなにか?そのステージの状態例や課題感はなにか?そのステージにいる見込み客の興味関心はなにか?そのステージにいる見込み客の情報収集の手段はなにか?現状維持のステージであれば、定義は「明確な課題はなく、受動的な情報収集をしている状態」なので、興味関心は「業界知識やトレンド情報、業界動向」など、流れてきた情報をなんとなくキャッチしている状況ではないかと推定することができます。このような形ですべてのステージの定義や状態、興味関心などを見込み客になったつもりで検討していきましょう。③セールス・マーケティング施策の設計ペルソナごとに購買プロセスの検討ができたら、次は作成した購買プロセスに対して自社視点でのセールス・マーケティング施策を検討していきます。施策を検討するにあたって、購買プロセスのステージごとに以下図のような施策のテーマを考えていきます。施策のテーマを検討する上で大切なのは、Webサイトへの集客・信頼関係の構築と、購買意欲を醸成・育成するための施策テーマは何なのか?という2軸で考えることです。弊社の場合ですと、購買プロセスの現状維持ステージの定義が「明確な課題はなく、受動的な情報収集をしている状態」かつ、興味関心テーマが業界知識やトレンド情報となりますので、セールス・マーケティング施策の現状維持ステージにおける施策テーマや獲得の導線は以下のように設計しています。・施策テーマ(サイトへの集客):業界の最新動向、トレンドWord解説・獲得の導線:資料ダウンロード(BtoBマーケ基礎用語集、業界レポート2023)・施策テーマ(購買意欲の醸成):能動的な行動へと促すテーマ(マーケ部門のあるべき姿、デジマに注力できていない組織に訪れる危機、これからのマーケターの役割など)実際に購買プロセスをもとに作成したホワイトペーパー「BtoBマーケティング基礎用語集」は、新規リードの獲得に貢献するコンテンツとして今でも活躍しています。④コンテンツマップの作成購買プロセスに合わせた自社視点のセールス・マーケティング施策の検討が終われば、次はコンテンツマップを作成しましょう。コンテンツマップを作成する際は、Webサイトに公開しているコンテンツだけでなく、オフラインで営業が使用している資料やクローズドでお客様に配布しているコンテンツなど、あらゆるコンテンツを洗い出すことが大切です。すべてのコンテンツをマップに落とし込んだら、各コンテンツがどのペルソナのどのフェーズに向けて作成されたものなのかをひとつひとつマッピングしていきます。このようにコンテンツマップを作成することで、サイト内にどのようなコンテンツがあるのかや、作成したコンテンツが誰に向けて作られたものなのかを把握することができます。他にもIS(インサイドセールス)や営業など、他部門にコンテンツの役割を説明する際にも役立ちますので、ぜひ作成することをおすすめします。⑤コンテンツの設計・制作既存コンテンツのマッピングが完了した後は、設計した購買プロセスやセールス・マーケティング施策に基づき、コンテンツを整理していきましょう。いざペルソナを作って既存コンテンツを整理してみると、実際は見当違いなコンテンツだった、情報が古く活用できないコンテンツ群になっていた、というのはよくある話です。購買プロセスのステージごとに、ペルソナにお届けできるコンテンツは足りているのか?など、過不足を見極めて新しく作成すべきコンテンツは何かを検討していきましょう。BtoBの場合よくあるのが、製品カタログや導入事例のように購買プロセスの後半ステージのコンテンツは充足しているが、情報収集段階のような前半ステージの見込み客に当てるためのコンテンツがないといったケースです。このようなケースでは、コンテンツがないことで新しい見込み客との接点を作るチャンスを逃しているとも言えるでしょう。BtoBの場合、購買までのリードタイムが長くなる傾向にあるので、コンテンツを活用して潜在層の見込み客をいかにキャッチし、信頼関係を構築していくかが大きなポイントとなります。新たにコンテンツを作成する際は、以下のような「コンテンツ管理シート」を活用してスケジュールに遅れが生じないようディレクションしていきましょう。社内・社外どちらに依頼してコンテンツを制作する場合でも、進行上漏れが出ないように管理するためのシートは必ず活用するようにしましょう。⑥コンテンツを届ける手段の検討作成したコンテンツは作って終わりではなく、どのような手段でお客様へ届けるべきなのかも検討する必要があります。情報収集の手段が多様化している現代において、様々な方法でコンテンツを届けることは重要です。コンテンツを届けるための手段として一般的なものは以下です。ハウスリストへのメール配信ソーシャルメディアを活用した拡散YouTubeチャンネルの活用イベントやウェビナー資料として展開ウェビナーをオンデマンド動画として展開外部メディアの活用広告キャンペーンの実施届ける手段を検討する際は、セールス・マーケティング施策の検討で決めた「獲得の導線」も参考にしながら決めていくとよいでしょう。新規でコンテンツを作成したからといって、最初から色々な手段を利用するのではなく、まずはハウスリストに対してメール配信を行い、反応があったコンテンツのみ手段を広げるといったことも有効です。購買プロセスに合わせたコンテンツ設計の解説については以上となります。ぜひ本記事を参考にコンテンツ設計にチャレンジいただければ幸いです。最後に:コンテンツは作って終わりではない・・・本記事では、顧客の購買プロセスに合わせたコンテンツ設計の考え方を6つのステップに分けて解説させていただきました。コンテンツは設計して作成するだけで終わりではなく、作成後の定期的な分析や評価、修正やアップデート、そして受け手とのコミュニケーションの継続が欠かせません。どのようなコンテンツであればお客様のお役にたてるのか?満足していただけるのか?など、常に顧客視点で考えることを忘れずに、お客様にとって価値のあるコンテンツ作りを実践していきましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。ワンマーケティングでは、コンテンツの設計から制作まで一括でのご支援が可能ですワンマーケティングでは、数多くのBtoB企業様のマーケティング支援を行ってきたノウハウを活かし、ICPやペルソナ、購買プロセスの策定からコンテンツの設計・制作までワンストップで支援することが可能です。Webでの無料相談会等も実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。▷コンテンツの設計や制作についてワンマーケティングに相談する