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大手企業を攻略するために必要なセールスマーケティングの最初のステップ

ワンマーケティングもエンタープライズ(売上500億円以上)、いわゆる大手企業をターゲットにしたマーケティング活動を実施しています。大手企業を対象にしたセールスマーケティング活動には、営業とマーケティングの融合は欠かすことができません。

大手企業へのセールスマーケティングは短期間で成果を創出するものではなく、企業動向やニーズを把握し、様々な手法を使いながら、中長期のアプローチが必要となります。また、既に取引のある大手企業を深耕し、その取引を最大化する為にも必要不可欠な要素とも言えます。

本記事では大手企業を攻略するためのセールスマーケティングの進め方についてをまとめました。営業パーソンや営業組織の責任者の方であれば、押さえておきたい市場の選定方法や実践する上で重要なポイントを解説していますので、是非ご覧ください。


この記事の著者
垣内 良太
代表取締役社長
垣内 良太

大手企業と中堅・中小企業とのアプローチの違いとは

大手企業と中堅・中小企業とのアプローチの大きな違いとしては、大手企業の方が購買に際して関与する部門や決済者の数が明らかに多いことです。大手企業になればなるほど、決済の仕組みに細かいルールがあり、関係各所での合意が必要です。これらの関係者による合理的な指標で購買の検討を行うため、セールスアプローチの対象は広範囲となります。

商材価格別、購買に関与する人数のグラフ
商材価格別、購買に関与する人数(当社調べ N=600)
企業購買担当者600人アンケート!バイイングプロセス調査レポート

つまり、大手企業に対する営業活動とは、様々な関与者の中から決済に寄与する複数のキーマンを発見し、それぞれのキーマンにある思惑を統合し、購買に合理性を持たせる活動と言えるでしょう。また、セールスの障壁が高い反面、中小企業よりもLTVを向上させることもできます。様々な事業部や部門もあるため、1社あたりの売上を向上させることができる点は大手企業と取引を行うメリットと言えます。

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マーケティングの必要性

ターゲットとする大手企業の数が少なく、既存の営業リソースで補完できるのであれば、マーケティングの必要性が低いと考えられます。
一方で、全体のターゲット社数が多くまだリードを獲得できていない社数が多い場合は、マーケティングが必要であると言えます。

また、一社に対して購買関与者、決済者の数が多い場合も、自社の認知を高めるためにマーケティングが有効となります。

例えば、決済者が全国に点在し、営業リソースだけでフォローするのが困難な場合などもマーケティングの必要性は高まります。属人的になりがちな営業だと価値を適切に均一に伝えることができないことも、マーケティングでは顧客への価値を正しく、均等に伝えることが可能となります。よって、大手企業を攻略する場合でもマーケティングは有効な手段となります。

特定の市場へアプローチする方法

どの企業を攻略するかという観点で見た際に、アンゾフの成長マトリクスを使って検討します。アンゾフの成長マトリクスとは、事業の成長・拡大を分析する際に使われるマトリクスです。事業の成長を「製品」と「市場」の2軸に分け、その2軸をさらに「既存」と「新規」に分け4つのセクションで表した企業の成長戦略を見つけるために用いられます。4つのセクションの中から売り上げを上げるための適切な市場選択を解説します。

アンゾフマトリクス

市場浸透

市場浸透は、既存の製品やサービスを既存市場に投入し、売上高や市場シェアの拡大を目指す戦略です。戦略としては、その市場において製品の認知を上げたり、購入意欲を高めたりすることが主な目的になります。既存取引先内でのシェアアップや販売チャネルの拡大、製品やサービスのラインナップを拡充することで市場でのプレゼンスを浸透させます。

新製品開発

新製品開発は、既存の市場(顧客)に向けて新しい製品を開発・販売する成長戦略です。既存市場はある程度刈り取っている場合において、クロスセルをすることで新たな売上を創出する際に有効となります。既に類似製品がある場合は、後発となるため、既存市場で勝つために、他社製品と比較して、差別化・区別化できる製品を開発できるかどうかが重要なポイントです。

新市場開拓

新市場開拓とは、既存の製品を新しい顧客層や地域など、新市場に向けて販売することにより、売上増大による成長を狙う戦略です。製品・サービスの応用などを検討した上でターゲットとなる企業をピックアップし、アプローチしていくことで、新たな売上を創出する可能性があります。

例えば、某ブラシメーカーで、元々は食品メーカーなどで防虫といった用途に活用していたブラシを、サーバーなどの市場に対して防塵・防虫などを提案するというケースがありました。事業の拡大が見込まれる適切な市場を特定するためには、専門的な調査・分析が重要です。

多角化

多角化は新市場や新製品での展開とは異なり、既存事業でのリソースを使わず、新事業を立ち上げます。いかにスピード感を持ってプロトタイプを作り、市場の創出とフィット感を確かめながら作るかが鍵です。ある一定の顧客ができたら、次に成長戦略(マーケティング、セールスチャネル、カスタマーサクセス、ホールプロダクトの構想、等)をどう描いていくかが重要となります。

このように自社のセールスマーケティングをどの市場にフィットさせるかは、選択と集中となり、経営判断を伴います。限られたリソースで、最速で効率よくビジネスを展開していくには、左上の市場浸透が良いでしょう。ただ、その市場もある程度シェアを取っている状況であるならば、右上の新製品開発か、左下の新市場開拓になるでしょう。改めて違う市場に違う製品を、ということであれば、右下の多角化ということになります。いずれにしても、これらの市場の中で大手企業をターゲットにする際にどのようにセールスマーケティングを実施していくべきかを以下にまとめました。

大企業へセールスマーケティングを行う重要な3つのポイント

セールスマーケティングを推進する中で、お客様の購買行動がデジタル化しているのであれば、顧客行動を察知するためにWebサイトの拡充が必要です。また、マーケティング活動を行う上で営業との連携は欠かせません。

その上で、次の一手となる重要なポイントを3つ解説します。

企業情報の質がキーになる

大手企業をターゲットにするには、企業の情報や購買関係者の把握などが必要です。

さらに情報の一意性が重要で、企業ごとに関係者の階層別マップが構成できているか、その中でどの属性にキーマンが存在するのか、それらのキーマンの詳細情報があり、そしてマーケティングや営業の接点があるか、また購買フェーズ毎に必要な情報を把握しておきます。それらのデータがSFAなどに集約されて自社内で共有しておくことも必要です。

しかし現状は、以下のようなケースも散見されます。

企業、人物の重複の例

企業や人の重複により正確なアカウント単位の売上や、誰がキーマンなのかの見える化が難しくなります。

つまり、いかに一意性を担保する仕組みと運用ができるかが大切です。この考え方はSSOT(Single Source of Truth)と呼ばれ、仕事に関連するすべての情報やリソースが集約された場所を指し、組織内の全員が同じ情報に基づいてビジネスの意思決定を行うために使用されます。そのためには、データが汚染されるボトルネックを特定し、組織の仕組み・システム・運用でカバーしていくことが求められます。

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アプローチの手法を検討する

大手企業に対するアプローチは、1度や2度の接点で受注することは難しく、購買関与者による合意形成が求められます。そのためにも、合意形成を生み出すようなマーケティングやセールスアプローチの仕掛けが必要です。例えば、ホワイトペーパーや特定企業向けのセミナー、あるいは勉強会やワークショップなど、単なる提案を一人の担当者に繰り返すだけではなく、購買に関与しているキーマンの総意を得るための工夫や、キーマンを炙り出す仕掛けを用意しアプローチしていくと良いでしょう。

まずは、きっかけとなる既存のリードへのアプローチを行い、そこから購買に関与するリードを炙り出しながら、各者の課題に対してソリューションをフィットさせるとともに、課題解決の優先順位を上げていくアプローチが求められます。

大企業はグループで購入する

大企業向けのインサイドセールスは引き合い主体による活動よりも、暗示的な行動をしている関与者を発掘する動きとなるため、どちらかというとアウトバウンドに近い形となります。例えば、ある会社のリードが資料ダウンロードをしたとします。その場合はもちろんインサイドセールスが電話などでそのリードの状況把握をしていきます。その上で同じ会社のリードに対しても、架電するなどして、状況を把握する活動を実施すると良いでしょう。

このようにグループで購買する大企業に対しては、これらの購買グループに対して、アプローチする考え方が重要となります。仮に一人のリードから商談が進んだとしても、その他の関与者による意思決定で突如として停止したり、期間が伸びたり、他社にとられるなども往々にしてあるでしょう。

そのため多くの購買関与者に対して、自社へのファン化の構築は必須であり、マーケティングもインサイドセールスもお客様の課題解決、ひいては成功のためにコミットしていく動きが大切になります。

まとめ

大企業向けのマーケティング活動の最終的な目的は、企業の利益最大化です。そのためには、顧客の目線に立って自社の商品・サービスがどのような課題を解決できるかを検証し、具体的な戦略に落とし込むことが重要です。一方で、小さな穴から入り込み、点から線へ、線から面へと広げていく活動になります。

アカウントベースでマーケティング活動を実施していく必要性もでてきますし、それらの企業に対して、営業やインサイドセールスが欲しい「きっかけ」を作ることを目的としたマーケティングを推進する必要もでてくることでしょう。

そのため、マーケティングと営業の連携は、かなり強固に結び付いていることが必須となります。営業もマーケティング的な視点で、ときにはコンテンツを共に作り、アイデアを出し合いながら需要を掘り起こしていくことが必要でしょう。

大手企業攻略のポイントをより知りたいと感じた方は、以下の資料で詳しく解説しているので是非ダウンロードしてご覧ください。

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この記事の著者

垣内 良太
垣内 良太
代表取締役社長

1974年生まれ。大学卒業後、1996年に中堅印刷会社に入社し新規営業開拓に専念。2002年より実父が創業した現会社に入社。印刷事業を中心に、展示会やWebなどのマーケティング施策の企画、実行支援に従事。2009年よりBtoBマーケティングサービスを展開。2013年5月にBtoBマーケティングサービス事業に専念するためワンマーケティング株式会社に社名変更。2018年に同社代表取締役に就任。以来、数多くの大手BtoB企業のマーケテイングコンサルティングに従事。MA、SFA導入等多くのプロジェクトに参画した経験を持つ。

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