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マーケティングの予算はどう使う?予算配分の方法とポイントを解説

マーケティング活動は、企業の売上を最大化させるために欠かせない役割を担っています。マーケティング活動が適切に行われていない場合、営業の機会損失や売上低下も避けられません。

しかし、マーケティング活動を行うには、イベント出展費用、広告配信費用、ツールの維持費用、など多額の費用が発生します。
そのため、マーケティング予算は、何にいくら使うのかを明確にし、予算を配分することが重要です。

本記事では、マーケティング予算の配分方法とそのポイントをご紹介します。

マーケティング予算の配分が必要な理由

多くの企業は年度初めに、部署ごとに年間の予算が割り当てられます。

マーケティング活動は、企業の売上目標を達成させるために重要な役割を果たします。
コムエクスポジアム・ジャパン株式会社の調査によると、2024年に広告・マーケティング予算を増額する企業は、前年比3.6%増の42%という結果となっており、マーケティング活動を重要視している企業も増えています。

出展:コムエクスポジアム・ジャパン株式会社「企業が注力するマーケティング調査レポート」


マーケティング活動を効率的に行うためには、施策ごとに予算を配分し、予算を計画的に消化することが重要です。

適切な予算配分を行わなかった場合、年度末になるにつれて予算が不足してしまい十分なマーケティング活動が行えなくなるリスクがあったり、反対に、予算を消化できず大幅に余らせてしまうと、次年度の予算が減少したりする可能性も高まります。

そのため、どのマーケティング施策にどのくらい予算が必要か、あらかじめ予算配分を計画する必要があります。

マーケティング目標を明確にする

予算配分を行う前に、まずはマーケティング部門としての目標を明確にしましょう。
目標を明確にするポイントは、マーケティングのスタートからゴールまでのステップを細分化することです。

過去の傾向を把握する

マーケティングの目標は、マーケティング活動を通して売上に貢献することです。
そのため、目標となる主な指標は、新規リード獲得数や、ホットリード創出数(購買意欲が高いと見込まれるリード、MQLや有望見込み客とも呼ばれる)、マーケティング活動から営業に引き渡したリードの受注数、などが挙げられます。

理想を目標値として設定するのもひとつの方法ですが、過去の数字から傾向を把握し、実現可能な割合を算出することが重要です。そこから、重点的に強化したい部分や、既に計画している施策から過去より高い数値が見込まれる部分などを検討します。

実績に基づいた転換率の確認の例

マーケティングのKPIを決める

売上目標と過去の遷移率を基に、マーケティング部門のKPIを検討します。
主なKPIとして、新規リード獲得数、ホットリード創出数などが挙げられます。

その中でも、受注につながる目標として、ホットリードの創出は欠かせません。
ホットリードとは、購買意欲が高いリードで、マーケティング部門によるナーチャリングによって創出されます。過去の受注率や商談化率より、何件のアポが必要なのか割り出し、その数値からホットリードを何件創出する必要があるのか、算出すると良いでしょう。

既存リードが不足している場合、つまり、売上から逆算したら既存リードの件数ではまかなえない状態の場合は、新規リードを獲得する必要があります。その場合は、新規リード獲得件数もひとつのKPIとして設定しましょう。

KPIの達成に向けて、マーケティング施策を検討する

KPIを設定したら、それぞれの目標に向けて、どのようなマーケティング施策が適切かを検討します。

例えば、新規リード獲得の場合は、ターゲットリードが集まると見込まれる展示会に出展する、Web広告を活用する、潜在層向けのウェビナーを定期的に実施する、などが挙げられます。
ホットリード創出の場合は、リードナーチャリングの強化や、顕在層向けのウェビナーの実施、製品やサービスのデモの実施などが挙げられます。

また、KPIの優先順位を決めて、どの施策を重点的に行うのか検討しましょう。
もちろん、どのKPIも重要ですが、すべての目標に向けて満遍なく取り組むことは、時間もリソースも不足してしまいます。そうなると、どの施策も中途半端になってしまい、KPIの達成率も下がるという懸念があります。そのため、事前にKPIに優先順位を定めてから、マーケティング施策の検討を行うと効率化すると考えられます。

マーケティング施策の洗い出し

次に、実施しているマーケティング施策を洗い出します。
このステップで重要なことは、現在行っている施策だけではなく、過去実施したことある施策や、今後実施したいと検討している施策も含めることです。

特に、過去実施した施策は、実績があるため重要な指標となります。

目標への貢献度を把握

施策を洗い出したら、それぞれの効果を明確にしましょう。
具体的には、新規リード獲得数や受注につながったリード数、実施コストや作業時間などを整理します。

冒頭にお伝えした通り、マーケティングとしての目標は売上に貢献することなので、売上への貢献度が高い施策は何か、を把握することが重要です。
実施コストが高かったものの受注への貢献度が低い施策や、新規リード獲得数は少ないが受注率が高い施策など、費用対効果の算出にもつながります。特に展示会出展や大規模イベントの開催、広告出稿など、多額の費用がかかる施策は、今後実施するメリットがあるのかどうかを把握することで、無駄な出費を抑えることもできます。

また、施策の効果を整理することは、それぞれのKPIに適した施策を明確にすることにもつながります。リードナーチャリングを目的としている施策だが新規リード獲得率も高かったなど、想定外の成果が出ている可能性もあります。
実績を基に整理することで、マーケティング施策それぞれのメリット・デメリットが明確になります。

今後実施したいと考えている施策に関しては、他社事例や外部の支援会社のWebサイトなどの数値を参考にしましょう。実績がない分、期待値を上乗せしそうになりますが、同業他社の事例など、自社に近い取り組み実績を参考にすると良いでしょう。

各施策におけるリード獲得単価の算出

リード獲得単価とは、「リード獲得にかかった費用÷獲得リード数」で算出する値のことを指します。

このステップでは、「ターゲット」の概念がポイントとなります。
BtoB商材の場合、経理システムやマーケティング支援など一部の部門をターゲットとしていたり、人材評価など役職者をターゲットとしていたりと、想定している販売先が限定されていることも多いです。
また、競合企業や学生など、販売ターゲットではないリード(=除外リード)をカウントしてもあまり意味がありません。

そのため、一概に「リード獲得」と言っても、ターゲットリードの獲得が重要です。過去の実績でも、リード獲得数はターゲットリードの獲得数を重視する必要があります。

展示会におけるリード獲得のグラフ

上の表のように、リード獲得数では新規リード、ターゲットリードともに展示会Aが多く獲得していますが、獲得単価をみると、新規リード獲得は展示会C、ターゲットリード獲得は展示会Bが安く獲得できていることが分かります。特に展示会Bは、全体のリード獲得数が少ないものの、ターゲットリードを獲得するには最も獲得単価が安いという結果でした。このように、より効果的な施策の把握が可能となります。
さらに、ターゲットを複数に分類している場合(Tier1、2など)は、ターゲット毎に算出できるとより良いでしょう。

予算を配分する

ここまで整理が出来たら、冒頭で確認したマーケティング目標に合わせて予算を配分していきます。

過去の傾向から目標達成に効果があると考えられる施策を検討し、なおかつ費用対効果が高いものを順に割り当てると良いでしょう。

予算配分のポイント

予算を配分するにあたり、3つのポイントをご紹介します。

①注力したい施策から優先的に予算を配分

すべての施策を満遍なく行いたいと考えるマーケティング担当者も多いと思いますが、時間もリソースも限りがあります。
前述した通り、売上目標やKPI達成に寄与し、費用対効果が高い施策という観点を基に、優先順位をつけましょう。

②予算が少ない場合は施策を絞る

予算が少ない場合は施策の数を絞ることがポイントです。
様々な施策に取り組みたい気持ちも山々ですが、施策の成果を測るにはある程度の件数が必要です。
施策の成果を基に、成果が良かった施策に力を入れたり、他の施策に内容や手法を展開したりすると良いでしょう。

③予算は固めすぎず、柔軟に対応する

当初決めた予算配分通りに施策を実施するよりも、施策の目標への貢献度を見ながら予算を最適化しましょう。
予算配分通りに行わなければと思いがちですが、成果がでないと意味がありません。例えば、成果が見込まれる施策に多く予算を配分していたものの、受注に繋がるリードが発生しなかった、となると成果が出ている施策に投資する方が効果的です。

このように、予算は施策の成果を見ながら柔軟に対応すると良いでしょう。
予算を配分するだけではなく、マーケティング活動の成果を定期的に判断することが重要です。

まとめ

適切な予算配分を行うには、実績データが重要です。売上にどれだけ寄与できたのか、という視点からモニタリングするべき指標を決め、定期的なレポーティングと効果測定を行いましょう。

特に、受注の成果を把握するためには、営業データが必須です。マーケティングデータと営業データが連携できて、初めて適切なマーケティング予算が検討できます。SFA(Sales Force Automation)やMA(Marketing Automation)といったシステムを利用して、受注の成果とマーケティングの成果を連携することで、より効率的に成果を測定できるような環境をつくる必要があると考えられます。

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この記事の著者

小谷 祐佳
デマンドジェネレーションチーム
マーケティング

システム運用サポートや営業事務のバックオフィス業務を経験し、2019年5月にワンマーケティングに入社。入社後は、MAの運用サポートやコンテンツ制作のディレクション業務や、MAの導入支援、マーケティング戦略設計などコンサルティング業務に従事。
現在はデマンドジェネレーションチームのマーケティング担当として、マーケティング施策の企画・運用を担当。

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