日々、お客様のセールスマーケティングについて話をしている中で、どうしてもマーケティングの出口となる「営業活動」部分についても触れざるを得ないことが増えています。また、弊社はマーケティング領域を中心に支援をさせていただいており、多くの経営者や営業責任者の方から営業活動の行き詰まりについてご相談をいただいております。この記事では営業組織の弱体化を抑えて、機能するセールスマーケティング組織へ変革するポイントを解説していますので、ぜひご覧ください。「営業活動の限界」と「売上の頭打ち」で衰退に向かう企業の4つの特徴営業活動がないと企業は成り立ちませんし、成長することはありません。まさに企業の生命線というべき営業活動ですが、企業の存続に危機感を抱いてしまうような「営業活動」が様々な企業で見受けられます。その特徴について4つ解説していきます。引合い依存での衰退大口の既存顧客への過度な「引合い依存の営業」スタイルは、新規顧客獲得の機会を減少させ、企業成長を阻害します。引合い依存の営業とは、既存のお客様から担当営業へ直接連絡が入り、以下の引合いが生まれ、売上が上がっていくような営業スタイルのことです。この前の製品を追加してください追加で仕入れることになったので見積もりくださいまた、このような場合は、アカウントごとに営業体制が組まれており、受け身であるために不安要素が多いのも特徴です。自社にてコントロールできる営業ではなく、顧客が必要なタイミングのみ案件が出てくるので、言うならば「運」に頼る営業といっても過言ではありません。アカウントベースの弊害アカウントベースの戦略が固定化すると、市場の変化に対応できず成長が停滞します。特に大口の既存顧客になればなるほど、この傾向は強くなっていくように見受けられます。「引合い依存」のリスクの一つとして挙げられるのがブランドスイッチです。顧客といくら良好な関係性が維持できていても、どこで競合企業に足元をすくわれるかわかりません。また、営業の弱体化も考えられます。営業の役割とは、お客様の課題を見つけ、解決していくことですが、お客様からのお声がけに頼っているだけでは確実に営業パーソンとしてのスキルは低下するでしょう。縦割り営業組織の非効率営業組織や活動も製品別に分割されていることが多く見受けられます。縦割り組織は情報のサイロ化を生み、営業活動の効率を低下させます。情報のサイロ化とは、組織内でシステムやデータ、部門などが分断され、全体から独立している状態です。顧客自体が単体製品より、課題を広く解決できる「面」でのソリューションを望んでいるケースが多くあることを踏まえると、すでに製品別の営業活動自体が機能しておらず、顧客に刺さらなくなっているのではないでしょうか。属人営業による疲弊営業活動が個人に依存し属人的になることで、営業活動すべてにブラックボックス化を招き、改善も難しい負の連鎖を生む懸念があります。企業によっては以下の営業プロセスを一貫して一人の営業パーソンが担っていることも多くあります。顧客発掘案件獲得商談提案見積アフターサービス営業パーソンは基本的に1週間40時間しか働く時間がありません。しかし、どの営業プロセスも重要であるにもかかわらず、一人で対応することによって優先順位を付けざるを得ない状況が発生するでしょう。その結果、業務負担が増え疲弊にもつながります。情報の共有とチームワークを促進し、属人化のリスクを軽減する体制構築が重要です。限界点を突破するセールスマーケティングが必要な理由ひと昔前は足しげく営業が通うことで、顧客のニーズと購買タイミングをはかっていました。しかし、コロナ禍以降は、営業活動も制限される中で、顧客のニーズを捉えていくことは更に難しくなっています。そのような中で、セールスマーケティングが必要な理由を2つ解説していきます。顧客購買行動の特性に変化がある営業活動において重要なことは「ニーズと購買タイミングを見極めること」だと考えられます。いかに良い商材や提案でも、顧客のニーズがない、あるいは購買のタイミングではない場合、顧客が買うことはありません。そのため、現代の顧客購買行動の変化に合わせて、セールスマーケティングのアプローチを進化させる必要があるでしょう。顧客のニーズと購買タイミングを捉えるためには、まずは顧客の購買行動を知る必要があります。下記データは、コロナ禍前の2020年秋頃にBtoB購買関係者における購買プロセス別の情報収集源を調査したものです。課題設定や情報収集、候補選定から提案評価まで、ものの見事にWebサイト等のオンラインに偏っていることがわかります。「営業パーソン」だけでは「営業活動」は成り立たない現代の複雑な市場環境では、セールスマーケティングの統合が営業活動の成功に不可欠です。市場の多様化と顧客の情報取得方法の変化に適応するため、単一の営業パーソンだけではなく、戦略的なマーケティングのサポートが必要になっているからです。提案評価においては営業パーソンとの接点が大きく関与しています。商材の種類によっても微妙に異なるのですが、高額な商材になるほど、情報収集はWebサイト等のオンライン、提案評価は営業パーソンから成約につながるという傾向が強くなることも伺えます。また、顧客ニーズ自体も性能向上・効率化・コスト削減はもちろん、昨今ではESGに関連したニーズが明らかに増え、単一商材だけでなく総合的なソリューションが求められる傾向が強いのではないでしょうか。▼コロナ禍でBtoBマーケティングはどう変わる? 課題&効果的な施策を調査!営業にとって重要な「顧客」を捉える4つの方法顧客を攻略していくポイントは以下の4つに尽きると考えられます。営業パーソンと顧客が接点を持つ顧客へ総合的な解決を提示する潜在顧客にアプローチする製品・サービスを横展開する営業アプローチをどのように実施していくか、それぞれ解説していきます。営業パーソンと顧客が接点を持つ効果的な顧客関係の構築には、営業パーソンと顧客との間に強固な接点を持つことが必須でしょう。直接的なコミュニケーションを通じて顧客のニーズや期待を深く理解し、信頼関係を築くためです。例えば、定期的な面談やアフターフォローを行うことで、顧客の満足度を高め、リピート購入や紹介の促進ができるでしょう。営業パーソンは顧客との接点を大切にし、継続的な関係構築に努めることが大切です。▼法人営業における売上目標の立て方と達成へのプロセス顧客へ総合的な解決を提示する顧客の問題を解決する総合的なソリューション提供が、営業成功のポイントです。単に製品やサービスを売るのではなく、顧客のビジネスや社会における課題解決に貢献することで、価値を提供するためです。営業は顧客の真のニーズを理解し、それに応える総合的な解決策を提供することで、顧客満足度を高め、強固な関係を構築する必要があります。潜在顧客にアプローチする市場における潜在顧客を特定し、効果的にアプローチすることが、新たなビジネスチャンスを創出する上で重要です。まだ自社製品やサービスの価値を認識していない潜在顧客へのアプローチにより、市場の拡大と売上の増加が見込まれます。効果的なマーケティング戦略と営業活動を組み合わせることで、潜在顧客層を拡大し、新規ビジネスの機会を最大化するでしょう。製品・サービスを横展開する既存顧客に対する製品やサービスの横展開は、顧客価値を最大化し、さらなるビジネスチャンスを生み出す手段です。顧客が抱える複数の課題に対応することで、一貫したソリューションを提供し、顧客満足度を高めることが可能です。顧客の持つ様々なニーズに対応する製品やサービスを積極的に提案することで、顧客との関係を深め、収益の向上を図ります。本章では「顧客」を捉える方法について具体的に解説しました。ただし、顧客を獲得しても従来の方法に依存していては、効率的とは言えません。次章で紹介するセールスマーケティングを機能させてこそ、限界点を突破できます。機能するセールスマーケティングへ変革する3つのSTEP頭打ちで非効率な営業活動を顧客行動の変化に合わせ、今の時代にフィットした「機能するセールスマーケティング」へ変革させるために必要なSTEPを3つ紹介します。自社に合わせて実装を行い、より高い効果の得られるセールスマーケティングを実現しましょう。①全体プロセスの把握効率的な営業活動を実施するためには、顧客の購買行動に合わせた営業活動が必要です。顧客の求めている情報を提供していくことで、顧客ニーズとタイミングを引き寄せることが可能です。実行するには、顧客の購買プロセスを明らかにし、それに合わせて自社の誰がどういったアプローチを実施していくのかを決定します。この自社の活動プロセスのことを以下の図で示したリードライフサイクルと言います。営業パーソンだけでは顧客発掘からアフターフォローまでの営業活動領域すべてをカバーすることは難しい上に、多岐のチャネルにわたる顧客の購買活動を捉え切ることは不可能です。顧客の状況に対して、以下の役割と活動の棚卸しを各部門と実行し、システマチックにセールスマーケティング活動全体を構成していく必要があります。マーケティング部門がアプローチするのかインサイドセールスや営業部門がアプローチするのかまた、BtoB企業ではいまだマーケティング部門がない会社も多々見受けられますが、業務効率化のためにも早急に新部門として立ち上げるべきでしょう。②顧客データの一元管理セールスマーケティング分野におけるDX基盤となるデータは、顧客情報=顧客データです。顧客データは、事業部やサービスごと、また情報を管理する部門によって分断されていることが往々にしてあります。分断されてしまうと、断片的なセールスマーケティング活動にしかならず、部門を超えた企業全体のシナジーを生み出すことはできません。本来、セールスマーケティング活動におけるデータの起点は「顧客」にあるので、「顧客」を中心に全データを集約していくことが必須です。そうすることで、セールスとマーケティング、またはセールス同士の顧客情報の共有が可能になり、部門を横断した横つながりのアプローチも可能になります。③デジタルマーケティングとテクノロジー活用デジタルマーケティングと最新テクノロジーの活用は、プロセス管理を行うためにも重要です。デジタルツールやプラットフォームを活用することで、リーチの拡大、顧客エンゲージメントの向上、効率的なデータ収集と分析ができるからです。顧客に対するマーケティング活動情報を集約していくプラットフォームとしてMA(マーケティングオートメーション)があり、営業活動の推進や管理するためにSFA(セールスフォースオートメーション)も必要になります。顧客を中心にSFAとMAでデータ管理することで、セールスマーケティング活動を推進するデータ活用やデータ分析が可能です。▼MAの需要が高まっている背景とMAが実現できることまとめ行き詰った営業の現状を打破し、企業を成長させるためには、データを基盤とした営業活動に変革していくことが必須です。そのためには営業活動や組織体制の見直しが必要ですし、何よりテクノロジーの活用が重要になります。自社にとって何が必要なのか、何から実施していけばいいのかを、営業部門とマーケティング部門が自分事として考えてみてください。それぞれの連携にメリットを生み出し、売上拡大に貢献できる体制を目指していくことが必要ではないでしょうか。セールスマーケティング支援についてワンマーケティングでは2013年から、多くのBtoB企業様の支援を行いマーケティング基盤を構築しました。近年、マーケティング環境は大きく変化し企業においても変革をしなければ営業成果を得ることは難しいでしょう。ワンマーケティングは営業活動の標準化・セールスイネーブルメント・リソース最適化の支援を行っています。様々なお客様のセールスマーケティング課題にお応えしますので、以下よりお気軽にお問い合わせください。