アトリビューション分析とは?モデルの種類から分析手法まで解説

アトリビューション分析とは、CVの直接的な要因だけでなく、間接的な要因も含めた効果にも着目することです。この記事では、アトリビューション分析の必要性を感じているマーケティング担当者に向け、アトリビューション分析とは何か解説します。種類や分析手法なども解説するので、アトリビューション分析への理解とマーケティング施策に役立ててください。

アトリビューション分析とは?

アトリビューション分析とは、成約に至った直接的な広告・営業活動だけでなく、成約に至るまでの全てのプロセスにある広告・営業活動の貢献度を分析する方法、取り組みのことです。

アトリビューション分析の種類

アトリビューション分析には、分析範囲によって2種類にわかれます。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

オンラインアトリビューション分析

オンラインアトリビューション分析とは、WebサイトやSNSなどオンライン施策のみを対象とする分析です。オンライン施策のコンバージョンへの貢献度を算出します。

統合アトリビューション分析

統合アトリビューション分析とは、オンライン施策に加え、雑誌広告や看板、TVのCMなどオフライン施策も含めた総合的な分析です。さまざまなデータを分析、統合して貢献度を測ります。

アトリビューションとは?

マーケティング用語としてのアトリビューションは多くの場合、アトリビューション分析と同義です。区別する場合は、アトリビューション分析の考え方を指すか、間接効果という意味で使います。言葉の由来は、運用成績に対するパフォーマンス評価分析を指す金融業界用語です。

アトリビューションモデルとは?

成約に至る全プロセスの貢献度を配分するルールによって、5つのアトリビューションモデルに分類されます。5つのモデルとは、「ファーストクリック」「接点ベースモデル」「線形・均等配分モデル」「減衰モデル」「ラストクリックモデル」です。次に詳細を解説していきます。

アトリビューションモデルの種類

ここでは、5つのアトリビューションモデルについてを解説します。分析対象や目的によって適切なモデルを選ぶことが重要です。

ファーストクリック

ファーストクリックとは、CVに結び付いたユーザーが最初にタッチした広告に全貢献度を割り当てる方法です。購買プロセスの認知段階を最重視するため、まだ認知が薄い顧客との接点に高い評価がつきます。新たな顧客層を探す場合などに有効な方法です。

接点ベースモデル

接点ベースモデルでは、認知から成約に至る全てのプロセスに貢献度を割り当てるモデルです。最初と最後にそれぞれ40%を割り当て、残りの20%を中間のプロセスに均等に割り当てるのが特徴です。入口・出口が重視されるため、ブランド戦略や販促キャンペーンなどを分析するケースに適しています。

線形・均等配分モデル

線形・均等配分モデルは、全ての広告に均等に貢献度を配分するモデルです。割り振りが単純で使いやすい一方、正しい評価をするためには一定以上のデータ量が必要です。大企業によるBtoCビジネスなど、大量のデータを集められる場合に向いています。

減衰モデル

減衰モデルは成果に成約に結びついた接点から最初の接点に向けて、段階的に貢献度の重みを減らすモデルです。最初に触れた広告は評価が低く、最後に触れた広告がもっとも高く評価されます。成約に近い段階の広告ほど比重が大きいので、信頼できる分析結果を得やすいモデルといえます。

ラストクリック

ラストクリックは、全貢献度を成果に結びついた最終接点に割り当てるモデルです。グーグル広告などのCVの初期設定はラストクリックです。費用対効果の高い広告や即効性が高い広告を見つけ出すときなどに役立ちます。もっとも一般的に使われているアトリビューションモデルです。

アトリビューション分析が必要な理由

EC事業者なら商品名検索で表示されるページや他商品との価格比較ページがラストクリックになりやすいでしょう。そこにコンテンツを増やすことは難しく、SEOのコストもかかります。また、BtoBにおいては営業部員の最終訪問がCVにつながることも多いです。しかし、人員は限られていますし、営業訪問を増やしすぎると逆効果となる可能性もあります。

このように、最終プロセスを過度に重視すると、広告やマーケティング施策に限界が生じます。アトリビューション分析により伸びしろのある広告を見つければ、より効果的な施策が可能です。

BtoBでのアトリビューション

BtoBでは、従来からアトリビューション分析に相当する分析をしてきました。BtoBでは予備知識なしに広告やWebサイトからいきなり商品を購入することはまずないからです。

営業や展示会、問い合わせの対応などさまざまな施策を分析しつつ販促しています。オンラインアトリビューション分析や効率の良い分析にはマーケティングオートメーション(MA)ツールの導入などが不可欠ですが、考え方自体はすでに取り入れられているといえます。

アトリビューションに関与|アドネットワークと3PASとは

ここでは、アトリビューションと関係が深いアドネットワークと3PASについて解説します。

アドネットワークとは?

アドネットワークとは、WebサイトやSNS、リスティング広告など多岐に渡るオンライン媒体に広告を掲載するためのネットワークです。Webサイトの一部のアドネットワークに接続されたスペースに広告を出します。

広告主がアドネットワーク事業者に依頼すれば、多数の媒体に広告を一括配信できます。ネットワークが一つなので、アトリビューション分析がしやすいのもメリットです。

3PASとは?

広告を配信するサーバーのことをアドサーバーと呼びますが、広告を一括管理して効果測定できるアドサーバーのことを3PASといいます。第三者配信とも呼ばれます。広告配信を3PAS経由にすることで、広告配信とそのやり取りや成果データを把握できるため、アトリビューション分析に不可欠です。

アドネットワークの普及によるアトリビューション分析の変化

ここでは、アドネットワークの普及によってアトリビューション分析がどう変化したか紹介します。

アドネットワーク普及前

アドネットワークが普及していなかったころは、Webサイトの所有者などと個々に交渉して広告掲載を依頼していました。広告掲載先同士のつながりもないため、「どこで商品を認知したのか」「どの広告を見て最終的に購入ボタンを押したのか」などはわかりませんでした。CVにつながる最後のクリックしか分析できなかったのです。

アドネットワーク普及後

アドネットワーク事業者が登場し、Webサイトなどの一部のスペースに広告枠を手軽に埋め込める状況になってから状況が一変しました。企業は多数の媒体にペルソナを指定するなどで、簡単にユーザーに合わせた広告配信ができるようになったのです。

さらに、アドネットワークを利用することで、成果につながるクリックではなく、それまでのプロセスも分析できるようになりました。しかし、アドネットワーク普及後もCVに至るプロセスの重複問題が悩みの種でした。

3PAS利用による変化

複数のサイトにアクセスして購入に至った場合、成約者のCookieなどを辿ると、複数のプロセスがCVの直接的なプロセスとしてカウントされる可能性がありました。しかし、3PASを経由させれば情報を照合してユニークユーザーを特定できます。購入に至った流れを複数のメディアを横断的に把握して、精度の高い分析が可能になりました。

アトリビューション分析の向き・不向き

ここでは、アトリビューション分析の向き・不向について紹介します。導入を検討する際の参考にしてください。

向くケース

アトリビューション分析が向くケースは、成果が出ていない広告も分析したい場合です。アトリビューション分析によって新たな角度で評価できます。

間接効果の高い広告を見つけたいときにも適しています。たとえば、具体的な訴求のないアーティスティックな広告が売上に貢献をしていることもあるでしょう。特に、高額商品は顧客の行動が紆余曲折するので、何が決め手になったのか分析することは重要です。

向かないケース

アトリビューション分析に向かないケースは広告場所が少ない、広告経路が単純な場合です。この場合、個々の広告を詳細に分析したほうが精度の高い評価ができます。

また、広告単体で売上への貢献度を評価したい場合にも向きません。成果主義で広告を評価する際には判断が複雑になることがあるからです。類似商品やサービスがない場合も、認知が購入に直結しやすいので、間接効果の分析に向いていません。

アトリビューション分析の方法

広告の最適化には、先に紹介した5モデルのうち最適な方法を選ぶ必要があります。ここでは、アトリビューション分析の方法を紹介します。

5つのアトリビューションモデルのフェーズ

アトリビューション分析に重要なのは、マーケティングがどのフェーズであるかということです。慎重・消極的と分類されているのは、CVに直結するアクションを重視する方法です。減衰モデルやラストクリックモデルは、戦略を大きく間違えるリスクが低いといえます。

一方、積極的な分析の代表はファーストクリックで、新規顧客開拓に効果的です。間を取っているのが貢献度を均等にする均等モデルで、段階的に貢献度を割り振る接点ベースモデルとなります。

アトリビューションモデルのフェーズを見極める

アトリビューション分析に取り組み始めるなら、消極的なモデルのアトリビューション分析から取り入れるのが無難です。ラストクリックモデルは成果に直結するアクションだけ評価する点で、従来の分析手法とあまり変わりません。減衰モデルも成果に近いアクションを重視するため、一定の成功を収めやすいでしょう。

まとめ

CVにつながる直接的なアクションだけでなく、途中のアクションの貢献度を評価するのがアトリビューション分析です。特に、BtoB企業の営業活動などにおいて重要度が高まっています。

分析を行うには、ノウハウやスキルをツールに落とし込み、リソースをどれだけ有効活用できるかが課題となります。「ワンマーケティング」には、それらの課題を解決するソリューションがあります。マーケティングオートメーション(MA)導入支援やコンサルティング以外にも、MA運用に必要なMA設定、コンテンツ制作までトータルサポートしています。

まずは、BtoBマーケティングの基礎を学べる資料や調査レポートをご活用ください。

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