ランチェスターの法則とは?法則に基づいた戦略、実際に導入した企業事例まで解説

ランチェスターの法則とは?法則に基づいた戦略、実際に導入した企業事例まで解説

ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?

ランチェスターの法則とは、第一世界大戦の頃にイギリス人エンジニアのF・W・ランチェスター氏が軍事戦略をもとに考案した概念です。現代では、戦場における強者と弱者に企業を当てはめた経営戦略として活用されています。この記事では、ランチェスターの法則の意味やビジネスでの活用方法、実際に活用した企業事例などを解説します。ぜひ参考にしてください。

ランチェスターの法則とは?

ランチェスターの法則とは「強者」と「弱者」が、それぞれ取るべき戦略を示した概念のことです。この法則には、「第一法則」と「第二法則」の2つがあり、戦争での武器効率や兵力数を、ビジネスシーンでの企業力になぞらえた考え方になっています。

ランチェスターの法則が誕生した背景

ランチェスターの法則は、イギリスのエンジニアであるF・W・ランチェスターが提唱したのが始まりです。日本では、マーケティングコンサルタントである田岡信夫氏がランチェスターの法則を研究し、企業の経営戦略として体系化しました。今日では多くの企業がこの法則を導入、実践しています。

ランチェスターの法則を活用すべき企業とは

ランチェスターの法則はどの業種、企業規模でも活用できます。強者である大企業にも有効な戦略ですが、弱者である中小企業は特に有効でしょう。ランチェスターの法則を活用することで弱者も強者への対抗手段を考えられるようになります。

ここでの、強者と弱者はどれだけ市場を獲得しているかで判断します。マーケティング理論で73.9%のシェアを持つ1位の企業が強者に該当し、それ以外は弱者になります。

ランチェスターの法則における2つの基本法則

ここでは、ランチェスターの法則における「第一法則」と「第二法則」について具体的に解説します。

一騎打ちの近距離戦「第一法則」

「第一法則」は一騎打ちの近距離戦を前提としたもので、「戦闘力=兵数×武器効率」で求められます。一騎打ちの場合、武器効率が両者同じだと、兵力数が多いほうが勝つことになります。例えば、同じ武器を持った兵士が10人いる側と30人いる側では、30人いる側が20人残して勝ちます。

しかし、兵力数が少ない軍でも戦い方を変えれば勝てる可能性もあります。30人いる相手の軍を、何らかの手段で10人と20人に分散させ、10人の部分に一点集中して攻撃すれば勝てます。ビジネスでは中小企業に有効な戦略となります。

1対多数の近代戦「第二法則」

「第二法則」は、1人で多数の相手を攻撃する広域戦を前提とした法則です。両軍が武器効率の高い武器を持っていると、兵力数で勝るほうが勝つことになります。第二法則の公式は、「戦闘力=武器効率×兵力数の2乗」です。

例えば、500人の軍と400人の軍との戦いでは、250,000(500の2乗)と160,000(400の2乗)の戦いになり、90,000の差が発生します。結果、500人の軍は、√90,000=300人の兵を残して勝利します。こちらはすでに資本力を持つ大企業に有利な法則になります。

ビジネスにおける弱者(中小)・強者(大手)が取る戦略

ここでは、ランチェスターの法則でビジネスにおける中小企業や、大企業が取るべき戦略を解説します。

弱者の戦略:競合他社との差別化とトップとの一騎打ち

弱者である中小企業は「第一法則」をもとにして、ビジネス戦略を考えます。社員数が劣る中小企業は、質を高める方向で戦略を立てる必要があります。具体的には、ニッチ市場や隙間市場を狙って、競合他社と差別化をする方法があります。

そのためには、4Pや4Cといったフレームワークを活用し、市場を深く理解するとよいでしょう。また、1つの市場に定めて、トップと一騎打ちするという戦略もとれます。

強者の戦略:総合力を活かして市場規模を拡大した広域戦

強者は「第二法則」を活用して戦略を立てます。ブランド力や資金力など、総合力を活かして市場規模を拡大した広域戦に持ち込むことが基本になります。例えば、中小企業が一点集中で商品を打ち出してきたのであれば、多数の商品で対応するという戦略です。

また、商品の宣伝においては、資金力を活かしてテレビCMやラジオ、広告などあらゆる媒体で顧客にアプローチする方法も採用できます。

ランチェスター戦略の3つの結論

ランチェスターの法則に則った戦略には3つの結論があります。ランチェスター戦略から考えられる結論について解説します。

1.一点集中主義

資本力で劣る弱者は、強者に全体の勝負を挑んでも負けてしまいます。そこで特定の商品やサービス、地域、顧客層といった一点に絞り、集中して勝負をかけていくのが一点集中主義です。

例えば、「A市場」「B市場」「C市場」がある場合、すべての市場で勝負するのではなく、B市場のみにフォーカスして、その市場で勝利を目指します。自社が得意とする市場に全力を注ぎ、1位の分野を作り出すという結論を得る仕組みです。

また、市場を分析すれば、今は1位ではないが逆転できる可能性のある分野も見つけ出せるでしょう。しかし、一点集中はあくまで強者に勝つまでの突破口であるため、永遠に1つに絞ることではありません。その時々の状況にあわせた柔軟な経営方針も必要であると認識することが大切です。

2.No.1(ナンバーワン)主義

ランチェスター戦略におけるNo.1主義は、2位以下を圧倒的に引き離す状態になることを目指す考え方です。1位になっても、2位とさほど差がない状態では、「No.1」とはいえないとするのが特徴です。圧倒的に引き離した状態であれば、2位以下は、まともに勝負に仕掛けても企業体力がもちません。

僅差で戦う競合他社とのトップ争いを意識しなくなり、1位の収益性が向上する仕組みです。また、ここでの「No.1」とは、大きな市場で目指すという考えではありません。どんなに小さな市場、領域でもよいので、まずはそこでNo.1を目指します。市場でNo.1になって知名度が上がり、利益性も向上すれば、その勢いで他の市場でもトップを狙っていけるでしょう。

3.「足下(そっか)の敵」攻撃の原則

「足下の敵」とは、自社よりも市場シェアが1つ下の競合を指します。例えば、自社が2位であれば3位の企業が足下の敵に該当します。足下の敵となる企業を攻撃することを「足下の敵攻撃の原則」と呼びます。

なお、すべての競合と全方位で戦っていると、確率戦・消耗戦となってしまい、結果的に得るものが少ない状態になります。足下の敵攻撃原則では、勝ちやすい相手に的を絞る必要があります。

1つ下の企業に狙いを定め、競合が有する売上や顧客を奪えれば、自社との間の差も広がります。ここでは、足元をすくわれないよう競合だけでなく自社の市場価値や企業力も分析して挑むことが重要になります。

SEOを使ったランチェスターの法則でWebでの勝負に勝つ

ランチェスターの法則は、自社の得意分野や武器をもとに、検索キーワードを分析したり、SEO対策を行ったりすることで有効活用できます。近年のマーケティングでは、WEBでの勝負も大きく影響しており、企業はWEB上でも地位を確立することが求められます。

SEO対策は、コンテンツ制作やWEB広告、SNSなどさまざまな手段があります。SEOで集まった顧客に対して、メールマガジンなどを配信して囲い込みを行います。

パレートの法則とロングテールの法則

パレートの法則とは、結果を構成する大部分は、一部の要素によって生み出されているという説です。かつては、このパレートの法則に基づいた、「2割の人気商品の売上高が全体の8割の売上高を構成している」という考えがありました。

しかし、インターネットが普及して以来、人気商品よりもその他のニッチ商品の販売数を積み上げた売上高のほうが上回るという、ロングテールの法則の考えが広まりました。

SEO対策では人気キーワードだけを追い求めるのではなく、ロングテールの法則の考えをもとにした、競合他社が狙わないようなニッチなキーワードで対策する「ロングテールSEO」を展開することが重視されています。

ランチェスター戦略を活用した企業事例

ここでは、ランチェスター戦略を活用した企業事例を4つ紹介します。

強者の事例:Apple

Appleでは、強者のランチェスター戦略を展開してきました。具体的には、スマートフォンやポータブルオーディオプレイヤーなどの他社の商品の、自社製品への応用です。

AppleはSONYのウォークマンからヒントを得て、後にヒット商品となるiPodを発表しました。Appleは、先にある他社の商品を研究し、それを上回る自社製品を展開することで市場のトップに立ち続けています。

弱者の事例:ソフトバンク

ソフトバンクが携帯電話キャリア事業に参画したとき、すでに市場にはNTTドコモという競合が存在していました。そこで、ソフトバンクは弱者の戦略として、無謀な勝負は仕掛けずに差別化をする戦略を展開しました。戦略は、他社には存在しない「低価格」を全面的に発表するというものでした。

そのほか、ターゲットを学生にしたプランやiPhoneを導入したことにより、他社との差別化に成功し、2014年には携帯電話市場のトップに立つことに成功しました。

弱者の事例:セブンイレブン

セブンイレブンが創業した間もない頃は、関西地域での知名度が低く、ローソンに負けていました。そこでセブンイレブンは、一点集中の戦略をとり、関西の一部地域で多くの店舗を開店しました。それにより地域内でのシェアを獲得し、徐々に出店地域を増やしていきました。

結果としてセブンイレブンは関西シェアでナンバーワンになり、現在は小売業界のトップになりました。

弱者の事例:HIS

HISは「海外旅行」という市場では、正面から勝負しても大手の資本力には勝てない状況でした。そこで、他の大手旅行会社が手を出さないバリやセブなど、新興リゾート地を中心としたツアーのプロモーションを積極的に行ないました。

あわせて「格安の海外航空券」を展開したことで、お金がない学生や若者を中心に支持を受け、ニッチな市場でのシェアを獲得していきました。

まとめ

ランチェスターの法則は、「第一法則」「第二法則」があり、弱者と強者にあわせた活用が重要になります。実際に法則を運用するには、競合や自社、市場の情報を収集・分析するマーケティングが重要になります。ただし、BtoBマーケティングを行うにあたっては、蓄積されたノウハウやスキルが必要になり、リソースを確保できないこともあります。

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