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プロスペクトを見極める方法!プロスペクト理論を活用したマーケティング施策も紹介

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マーケティングにおける「プロスペクト」とは?

プロスペクト(Prospect)をそのまま日本語に訳すと、「見通し」や「展望」という意味です。しかし、マーケティングにおいては、サービスや商品購入が期待できる「見込み客」のことを表します。

プロスペクトと「サスペクト」「リード」の違い

プロスペクトとよく混同されるのが、サスペクトとリードです。これらの言葉はマーケティングでは似た意味で使われますが、厳密には違いがあるため、正しく把握することが大切です。

サスペクトとは

サスペクトとは、日本語に訳すと、「容疑者」という意味がある言葉で、マーケティング用語ではプロスペクトと同様「見込み客」を表します。ただし、プロスペクトは商品やサービスを購入する可能性が高い見込み客を指すのに対し、サスペクトは購入にいたるかはまだ判断できないがその可能性がある、「潜在顧客」を指します。

リードとは

リードは直訳すると「導く」といった意味がありますが、こちらもマーケティング用語では「見込み客」を表します。ただし、リードは商品・サービスを購入する可能性の高さを問わず、見込み客全体を指します。また、リードは購入する可能性の高さや顧客のアクションなどによってさらに段階別に分けられ、プロスペクトはリードの中に含まれています。

プロスペクトの見極めが重要な理由

プロスペクトを見極めるとは、見込み客が自社の商品やサービスを利用するのに適切な要素を備えているか、労力をかけて顧客化する価値があるかを判断することです。適切な要素を備えている見込み客にアプローチすることで、成約率が高まり、広告費の最適化が行えます。

インターネットやSNSが発展し、商品の購入にいたるまでの流れにも変化が見られるようになりました。プロスペクトの見極めを行わずに集客を行おうとすると、適切なアプローチができず、広告費用や手間をかけても思うような成果が出ずに終わってしまいます。そのため、見極めをしっかりと行うことで、マーケティングの効果が高まるでしょう。

プロスペクトを判断するうえで必要な準備とは?

自社に適したプロスペクトを見極めるためには、まずは理想の顧客像を明確にしなければいけません。たとえば企業規模や扱っている製品・サービス、属している業界、企業理念、競合他社の状況、担当者の考え方など、細かく設定していく必要があります。

次にその企業が抱えている課題や、それに対し自社が提供できる解決案を考えます。それによって自社に適合する顧客であるか判断することができます。

自社に適するプロスペクトを見極める方法

有望なプロスペクトを見極めるためには、その企業に対し適切な質問を行い、抱えている課題など、情報を引き出すことが有効です。また、プロスペクトとの関係がどの程度構築できているかによって、質問を選ぶことが大切です。

プロスペクトの見極めに活用できる質問例

プロスペクトを見極めるためには実際にどのような質問をすればよいかわからない人も多いでしょう。以下で活用できる質問例を紹介します。

・サービスを探している理由やきっかけは何か
・どのような課題があるか
・自社の目標やゴールはどこにあるか?
・課題解決をできなくしている要因は何か
・競合他社の成果はどのくらいか
・自社の強みはどのようなものがあるか
・意思決定は誰が行っているか
・成果を判断する方法は何か?
・目標が達成された結果、もたらされる成果は何か

これらはプロスペクトを見極めるうえで重要な要素を含む質問です。ただし、扱う商品やサービス、理想の顧客像などによって、最適な質問や聞くべき内容は変わるため、必要に応じて質問内容を検討しましょう。

見込みが薄いプロスペクトからは離れることが大切

適切な質問を行うことで、商品購入の見込みがどの程度あるか判断できるため、顧客化できる見込みが薄いと判断できた場合は、早い段階でそのプロスペクトから離れることが大切です。

有望ではないプロスペクトの場合、どのようなアプローチをしても離れてしまう可能性が高いです。「プロスペクトの見込みが上がるかもしれない」という期待を抱きがちですが、無駄に終わってしまう可能性が高いでしょう。

「プロスペクト理論」とは?

プロスペクト理論はダニエル・カーネマンによって1979年に提唱された行動経済学の理論です。これは、自身の選択の結果得られる利益や損失、確率が示されている場合に、人がどのような意思決定を行うのかを分析した理論です。マーケティングにおいて、プロスペクトとプロスペクト理論は別のもののため、分けて考えてください。

この理論によれば、人は合理的に意思決定をするわけではなく、感情や感覚によって認知の歪みが発生するとされています。この理論を知ってマーケティングに活用することで、より大きな成果を得られるでしょう。

プロスペクト理論における人の意思決定の傾向とは?

プロスペクト理論は人が合理的ではなく、感情や感覚によって判断が変わることを理論的に説明しています。ここでは、プロスペクト理論で特に知っておきたいリスク回避と損失回避について解説します。

利益を得る場面での「リスク回避」

これは、利益を得られる場面において、得られる利益の期待値よりもリスク回避を優先する心理のことです。

たとえば、以下のような2つの選択肢があるとしましょう。
・A:確実に100万円をもらえる
・B:サイコロを振り、4以上であれば300万円もらえる

この場合、Aの期待値は100万円、Bの場合は150万円です。そのため、Bの方がお金の期待値は高くなっています。しかし、Bの場合、半分の確率で0円となるため、実際にはBを選ぶ人は多くありません。

人は得られる利益よりも、何も得られないリスクに注目してしまいます。これがリスク回避の理論です。

損失を被る場面での「損失回避」

損失回避の理論とは、損失が出る場面において、リスクをとってでも損失を回避しようとする心理のことです。

以下の2つの選択肢があるとします。

・A:20万円の負債を抱える
・B:サイコロを振り4以上が出れば60万円の負債を抱えるが、出なければ負債は抱えなくて済む

この場合、Aの方が損をしない確率が高いのですが、実際にはBを選ぶ可能性が多いです。このように人は確実に損が出る状況を嫌い、誤った判断をしてしまう傾向があります。

プロスペクト理論をマーケティングに応用する方法

マーケティングにおける価格設定や価値訴求方法に、プロスペクト理論を応用することでより利益をあげやすくなります。ここではその具体的な手法について見ていきましょう。

価格設定への応用

消費者の思う最適価格と実際の金額の差を意識して価格設定を行う方法があります。実際の価格が想定より高い場合、人は「損をした」という心理が強く働きます。この場合、購入の選択肢から外れてしまう可能性もあります。

逆に想定価格よりも安ければ「得をした」という心理が働き、購入のハードルが下がります。そのため、顧客が想定している価格を把握した上で価格設定することが大切です。

価値訴求方法への応用

価値訴求をするときにプロスペクト理論を応用してアプローチすることが大切です。よく使われる方法が、リスク回避の心理とフレーミング効果を利用した方法です。

フレーミング効果とは、同じ意味でもフォーカスの当て方によって印象が大きく変わるというものです。たとえば、「顧客満足度が98%」と「顧客の不満足度が2%」では意味が変わりません。しかし、「顧客満足度が98%」の方がよい印象を持つ人が多いです。

これは「失敗する可能性が低いから安心」というリスク回避の心理を利用しています。価値訴求をするときはこの理論を意識していくと、より利益が出しやすくなるでしょう。

プロスペクト理論を活かしたマーケティング事例

プロスペクト理論を応用したマーケティング事例を以下で紹介します。

期間限定割引

期間限定割引は人のリスク回避の心理を活用したマーケティング方法です。期間中は安く購入できるため、「期間中に購入しなければ損」という意識が生まれ、購入を促しやすくなるでしょう。BtoCビジネスを中心にどのような業界でも行われている手法ですが、BtoBビジネスでも同様の効果が期待できます。

全額返金キャンペーン

全額返金キャンペーンもリスク回避の心理を利用しています。商品を購入した結果、満足できなかった場合でも損をする心配がありません。これにより購入へのハードルが下がります。企業側からすればリスクがあるように感じますが、実際の返品率はそれほど高くありません。日本では特にこの傾向が強く活用しやすいマーケティング手法です。

ポイントサービス

ポイントサービスは多くの企業で採用されており、有効期限が設定されていることが多いです。このことで、損失回避のリスクが働き、本来購入予定ではなかった商品を顧客が購入することも期待できます。

「○人に1人無料」キャンペーン

例えば、「100人に1人無料」というキャンペーンも、プロスペクト理論を利用したマーケティング手法です。確率にすると1%の人しか無料にはなりません。しかし、人は利益が得られる可能性があるものを数字以上に大きく見る傾向があります。多く商品を購入した場合、利益が大きくなるため、大量購入を促しやすくなる効果があり、利益の向上が期待できます。

競合優位性の訴求

競合優位性を訴求する際に、表現の仕方を工夫することで、優位性を効果的にアピールできます。他社よりも優位なポイントがある場合、ポイントを明確にしておくことが大切です。また、「顧客満足度ナンバー1」などのキャッチフレーズをつけることで、商品の購入につなげることができるでしょう。

コピーライティング

コピーライティングはたとえば化粧品やサプリメントなどの商品で使われているものを例にあげるとわかりやすいでしょう。以下のように、文面を少し変えるだけで印象が大きく変わります。

「この化粧品に含まれる成分があると、肌がうるおいます」
「この化粧品に含まれる成分が不足することで、肌が乾燥してしまいます」

このような表現はリスク回避の理論を活用したものです。手法はこれだけに限りませんが、コピーライティングの手法の1つとして知っておくとよいでしょう。

まとめ

この記事では、プロスペクトの意味やプロスペクトを見極める重要性に加え、マーケティングへのプロスペクト理論の応用などについて詳しく解説しました。プロスペクト理論は行動経済学の理論の一つで、多くのマーケティング手法はこの理論を応用しています。

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