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成果につなげるデータ分析活用の本質 第5回:データのもったいない使い方~同じデータから立体的に情報を絞り出す

2018/10/03

Author:柏木 吉基/データ&ストーリーLLC代表

成果につなげるデータ分析活用の本質 第5回:データのもったいない使い方~同じデータから立体的に情報を絞り出す

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第4回では「データ分析におけるロジカルシンキングの重要性」についてお伝えしました。

前回までの内容を踏まえた上で、今回は、データから情報を多面的に引き出すデータ分析の考え方についてご紹介します。

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そのデータにはもっと情報があったかもしれないのに

例えば、「以下のドリンクAとBの販売実績データを比較・評価しなさい」と言われたら、どのような結論を出すでしょうか?

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多くの人が恐らく年間の合計販売個数を出すのではないでしょうか。その結果、ドリンクAは758(百個)、Bは559(百個)となり、「ドリンクAがより売れています」という結論に至ります。これ自体何ら間違ってはいません。

でも、何かもったいないことをしているかもしれません。

確かに「年間の総販売個数」という評価軸(指標)においては、正しい評価結果です。しかし、商品の販売実績を評価するのは、本当に個数の大小だけなのでしょうか。もし違う評価軸を取ったとすれば、違った結果になることがないか、そんな情報がデータの中にないのかを考えてみるとどうなるでしょう。

例えば、1年間を通してみるのではなく、各月の推移をみるとどうでしょう。つまり、評価指標として「成長性」や「伸び」などがキーワードになります。
これを確認するための推移を見るには、グラフによる視覚化や成長率などの指標が一般的です。ここではグラフにより推移を視覚化したものをみてみましょう。

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ここから、「Aドリンクの販売が年間を通じて減少している」と言えそうです。もし、推移を軸とした評価軸を取れば、Aドリンクは必ずしもBドリンクに勝っているということにはなりません。先の販売個数の大小とは違った結論に至ります。

他にも元のデータから引き出せる情報はないでしょうか。
例えば、毎月の販売のバラつきについてはどうでしょう。バラつきが大きければ、在庫切れを起こして販売機会を失っている可能性があります。また、販売がバラついて安定しなければ、将来の販売状況を予測することが難しく、確保すべき棚のスペースや必要な販売員の人数を計画することに苦労します。結果的に予測が外れた場合の無駄なコストを払うことになるかもしれません。
このようなバラつきを確認する方法も、ヒストグラムと呼ばれる可視化に加え、標準偏差などのバラつきを測る指標が存在します。

先の例をグラフと標準偏差でみると次のようになります。

注:「標準偏差」とは、元のデータの大小の値の広がり(偏差)の幅(すなわちバラつき)を示す指標です。

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明らかにAドリンクの月別の販売のバラつきがBドリンクよりも大きいことが確認できます。
販売の効率という観点からはBドリンクに軍配が上がりそうです。

データの多面的活用は、やはり目的次第

ここまで見てきたように、同じデータであっても単純にそのデーの値の大小だけでなく、推移やバラつきという他の視点で見ることで違った結果を得ることができます。

一方で、どの見方が必要なのか、どの見方が正しいのかは、その人が何を目的にしているかによります。
つまりここでも、「最初に分析者の目的や課題意識有りき」の原則があるのです。

とりあえず目の前にあるデータを合計や平均、標準偏差と折れ線グラフで表してから、何が見えてくるか、何が言えるか考えよう

という(よくありがちな)アプローチをしていると、いつまでたっても、データ分析から意味のある結論を導き出して仕事の成果につなげるというゴールに近づくことはできません。

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決して高度な分析手法や統計理論が求められるわけではありません。でも「データ(分析)の活用」の肝はこういったところにあります。
平均値や標準偏差という指標と理論を知っていても、仕事に有用な結論を導き出すことはできません。結局、分析者の課題・目的設定力や、仮説構築力、そしてデータから見えることから、その目的や仮説に沿った”結論“を導き出すスキルが圧倒的に重要なことがお分かり頂けるでしょうか。
このような理由から、私が行う研修やセミナーでも、このスキル習得をとても重視しています。

組み合わせることで立体的なストーリーが描ける

さらに応用を考えてみましょう。

ここまで紹介したデータの多面的な視点は、必ずしもそれぞれ単独で扱う必然性はありません。
目的に応じて”組み合わせて“使うと更に厚みのある結論を導き出せる可能性が広がります。

例えば、AとBという2地域の中級ホテルのシングル宿泊料金を比較評価しようとします。
平均値だけを見ればA地域が12,355円、B地域が7,850円と、「A地域の料金がより高い」という結論になります。

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ここに更に「バラつき」の視点を加え、標準偏差を用いてデータの標準的なバラつき幅を比較してみました。ここでは、平均から±1標準偏差の値を出し、それを”標準的なデータのバラつきの範囲“とみなしました。

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結果的に、地域Aの標準的なバラつき範囲(=平均―標準偏差)の下限は7,525円であり、地域Bの平均7,850円よりも低いことが分かります。

注:本ケースの場合、扱うデータの数が少ないため、個々のデータの値を見ることで、より正確な作業ができますが、データ数が増えた場合、このように指標によって全体の概略を掴むことが現実的です。

地域AとBどちらが“良いのか”についての評価・判断は分析者の目的や背景に委ねるとして、一つの結論例として、次のようなことが言えるでしょう。

「地域Aは地域Bよりも相対的に宿泊料は高い(=平均が高いため)ものの、選択の幅はより広く(=標準偏差が大きいため)、賢くホテルを選べば地域Bの平均的な料金以下のものを見つけられる可能性もある」

ここで一つ付け加えておきたいのは、データ分析の活用がうまい人ほど、自分の結論の中に“平均”や”標準偏差“といった結果を示す用語を織り込まないものです。それぞれの指標や視点が、各ケースで何を意味するのかをよく吟味した上で、適切な一般用語に置き換えて伝えることにも長けています。
大事なデータ活用のスキルはこのようなところにもあるのです。

相手に理解し納得してもらうためには、必ずしも高度な分析で必要以上の精度を追い求める必要はありません。むしろここまで見てきたような「データから情報を引き出し、それを目的思考で解釈する」スキルが活きてきます。

私はこれを「データ分析活用スキル」と呼び、多くの方にお伝えしています。

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