BtoB顧客の購買プロセスを滑らかにする7つの工夫
2018/11/15|BtoBマーケティング|栗原 康太/株式会社才流
・ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?
BtoB企業において、デジタルマーケティングの重要性が増し、製品/サービスのWebサイトは「マーケティング活動の基盤」と言っても過言ではないほど、大切な場所になっています。
現在、ほとんどのBtoBサイトでは
・製品/サービスの機能説明
・利用メリット
・価格
・導入事例
がコンテンツとして掲載されていますが、私が、BtoBサイトのユーザーテストを大量にやる中で被験者からよく聞くのは「どんな製品なのかわからない・・」「どこまでやってくれるのかわからない・・」という言葉です。
今回は、自社の製品/サービスが提供する価値を顧客に理解してもらい、顧客の情報収集・意思決定を助けるために有効な表現の方法をご紹介します。
①サービスの提供プロセスを伝える
https://baigie.me/expertise/consulting/
顧客は製品/サービスを導入した場合、どのような流れでサービスを提供してくれるのかを知りたがっています。
上記は、Web制作で有名なベイジ社とSEOで有名なナイル社が共同で提供しているコンサルティングサービスの「提供プロセス」を可視化したページです。
ヒアリングから納品までの実施内容が細かく記載されており、意思決定しやすいページになっています。
②サービスのアウトプットを伝える
https://www.g-race.com/quality/
マニュアル作成の東証一部上場企業、グレイステクノロジー社のサイトでは、プロジェクト期間中に提出するドキュメントのサンプルを見ることができます。「こういうアウトプットが出てくるんだ」とわかるので、安心して検討・発注できそうです。
ツール系であれば、管理画面を見せることも有効です。
リスティング/ディスプレイ広告の運用/改善を自動化する「Shirofune」のWebサイトでは、管理画面の各操作シーンを動画で紹介しています。
顧客から「管理画面を見たい」「製品のデモをして欲しい」と言われたことがある、BtoB事業者であれば、管理画面の操作イメージをWebサイト上で掲載することはオススメです。
③サービスの利用シーンを伝える
https://www.tableau.com/ja-jp#hero-video
ツールの画面紹介だけでなく、どのようなシーンでツールを利用・活用するのかを伝えている事例です。Appleのクリエイティブ(TV CMや動画)はこのパターンが多いですよね。
上記はBIツールのTableauがWebサイトのTOPページのKVで掲載している動画です。ユーザーがTableauを使っているシーンを動画で紹介しています。
④担当者を可視化する
コンサルティングサービスや、ツール導入に際して人のサポートが多く発生する場合は、顧客の「どのような人が対応してくれるのか?」よいう疑問に応えるために、メンバーを紹介するのが有効です。
属人性をどこまでもたせるか、という議論もあるので、このあたりは会社によって異なるかもしれませんが、特にコンサルティング系サービスでは有効な表現です。
⑤商談から導入までのプロセスを伝える
https://yoyaku-package.com/order-flow/
予約管理システム「ChoiceRESERVE」のサイトでは、問い合わせからデモ期間、その後の運用開始までのプロセスをガントチャート形式で伝えています。
顧客が社内で稟議を上げる際、「いつ導入が完了するのか?」「いつから使えるのか?」という議論がされていそうなので、こうした情報があると検討が早く進みそうですね。
⑥商談の様子を伝える
BtoB製品で、相談・問い合わせを受ける場合、SmartHRのようにどのような相談「体験」になるかを事前に伝えることで、相手は不安感なく、相談・問い合わせをすることができます。
結果として、相手との関係性・コミュニケーションの質が変わり、相談の内容の質も変わっていくことでしょう。
⑦サポート体制・実績を伝える
https://the-board.jp/blogs/category/51
「導入後のサポート体制はどうなっていますか?」と聞かれたことがあるBtoB事業者は多いでしょう。
クラウド経営ツール「board」では、サポートの回答時間の平均値、中央値を毎月公開しています。こうした情報があれば、ツール導入後に疑問点があった際、「すぐに回答してくれそうだな」と思ってもらうことができそうです。
まとめ
根本的には、顧客が製品/サービスを検討するにあたり、
・知りたいこと
・不安に思うこと
をしっかり把握し、必要な情報を提供することが重要です。
ドラッカーが「マーケティングの理想はセールスを不要にすることだ」と述べていますが、顧客の購買プロセスを滑らかにできれば、顧客の検討期間は短くなり、営業・サポートの効率も向上していくでしょう。
株式会社才流 代表取締役社長 栗原康太
https://twitter.com/kotakurihara
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