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30代、営業からマーケターへのキャリアエクスパンション【第1回】キャリアに迷う営業が、30代でチャンスを拡げる方法

1994年 中央大学経済学部を卒業、NECにて大手企業に対する法人営業に従事。2000年より、デルにてセールスやマーケティングなどのマネジメントを担当。2007年からはセールスフォース・ドットコムにて、インサイドセールス部門の立ち上げ、セールス部門のマネジメント、セールスイネーブルメントの立ち上げを経験し、2014年からはマルケトの立ち上げに参画。アライアンス、営業、マーケティングなどのマネジメントを歴任。2020年1月より現職。エグゼクティブコーチ、コンサルタントとして外資系企業の日本進出を支援。

マーケティングは、特別なものじゃない

いまから書くことは、私が知っている業界の話です。

つまりIT業界で法人向けにハードウェア、ソフトウェア、クラウドサービスを提供する企業における話です。この原稿のなかで「営業」や「マーケター」と言うとき、それはIT業界/BtoBの営業であり、マーケターのことを指します。さらに言うなら、外資系/IT/ BtoB/SaaSまで絞ってもいいかもしれません。とにかく狭い範囲の話をしています。

また、「自分は営業からマーケになって成功したから、君もやりなよ」という話をしたいわけでは決して無いということを、予めお伝えさせてください。

マーケティングは特別なものじゃない。
営業こそ、マーケをやるべき。
営業がマーケをやるといい理由はたくさんある。
営業がマーケに向いている理由もたくさんある。

そんな考えを皆さんと共有できたらと思い、筆を執りました。

営業→マーケは、「チェンジ」ではなく「エクスパンション」

「キャリアエクスパンション」というのは、この原稿を書くなかで生まれた言葉です。

もともとは「キャリアチェンジ」という表現で書き始めたのですが、「チェンジなのか?」という疑問が出てきました。

「チェンジ」というと、異質なものに変わってしまうイメージがあります。でも、営業からマーケへの転身は、「領域を変える」のではなく「領域を拡げる」という感覚のほうがしっくり来ます。

営業orマーケティング

どちらかを捨ててどちらかを取るのではなく、どちらもできるようになれば、その人のカバー領域は拡がっていきます。

そもそも営業にはマーケティングの要素も含まれるし、マーケティングには営業の要素も含まれるだろう。そんなことを考えていたら、「チェンジ」ではなく、「エクスパンション」という言葉が浮かび上がってきました。

キャリアに迷う30代の営業

30代の営業の50%は、キャリアに迷っている。

これは、どこかの調査をもとにした数字では無いし、50%という数字も大まかな目分量です。「データソースは?」と問われたら、ながくセールスとマーケティングの世界を渡り歩いてきた「小関の肌感覚だ」とお答えする他ありません。

「キャリアに迷っている」という表現が適当でないとすれば、「これからのキャリアについて、ずっとこのまま営業をやっていくべきなのか? 他の道を模索するべきなのか? と深く考えている」と言い換えてよいかも知れません。

営業が一歩先のキャリアを思い描くとき、実はこれまで、選択肢はさほど多くはありませんでした。

① プレイヤーとしての稼ぎを上げる
(より売上規模の大きなアカウントを担当するか、売る物を変えるか)

② マネジメント側にまわる

そこに、

③ マーケターにキャリアエクスパンションする

という新しい選択肢を加えてもらいたいというのが、この原稿を通して伝えたい私の主張です。

「自分のポジションを上げる」=「自分のカバー領域を拡げる」こと

組織の上へ行くほど、見わたす視界は広くなります。

会社のなかで自分のポジションを上げていく、ということは、言い換えれば「自分のカバー領域を拡げていく」ことです。

営業起点で考えたとき、カスタマーサクセスのように後ろの工程へカバー領域を拡げていくという選択肢もあるかも知れません。しかし私は、新しい顧客を創出したり、新しい売上をつくる前工程の仕事こそ、営業経験者が次のキャリアを拡げやすい領域だと考えています。

その理由は次の回でくわしく述べますが、営業ほどの緊迫感をもって数字と向き合える職種はおそらく他になく、また、社内外の人を巻き込み動かしていくステークホルダーマネジメントに営業ほど長けた人も、おそらくいないからです。

こうした営業の持ち味にマーケの経験が加わることで、新しいキャリアパスがひらけていきます。

営業×マーケという領域拡張で、視点を開放する

営業は目の前にいるお客様にフォーカスを絞り込みますが、マーケは市場全体や会社全体を見わたし、点ではなく面で施策を考えていきます。相対的に、大きい予算を預かることも多くなります。

大きな予算をどこに投じれば、より大きな収益を生み出せるのか。これはCRO(チーフ・レベニュー・オフィサー)やCEOといった経営陣が日々考えていることと同じです。

一方で、デジタルマーケティング一筋でデータとばかり向き合ってきた人は、数字の先にひとりのお客様がいることを、ともすれば置き去りにしがちです。

視点を開放し、ひとりのお客様を深く見つめる目も、大局を広く見わたす目もあわせ持つことで、一歩経営に近いところで感覚を養うことができるようになります。

マーケターは不足している

「良いマーケの人、知りませんか?」 と聞かれることがあります。私の答えは決まってこうです。

「そうなんですよね」
質問に対する答えになっていないのはわかっています。

「そうなんですよね」をもう少し丁寧に言うならば、「活躍しているマーケターはいます。でも、そういう人たちはなかなか転職しないですよね。若手で優秀な方もたくさんいると思うんですけど、よく知らないんです。御社に転職して即戦力として活躍するようなマーケターは思いつきません」という言い方でしょう。

BtoBマーケティングの業界は、BtoCのように表立って認知度の高いプロモーションを手がけている人も少なく、「どんなプレイヤーがどんな活躍をしているのか」知り得る機会も限られています。

いない人を探すのはやめよう

優秀なマーケターは確かにいます。しかし、求人ニーズに対しては圧倒的に不足しています。

「うちの会社には」「この業界には」「日本には」と、どのような枕ことばをつけても良いのですが、不足しているものは不足しています。

いない人を探すのではなく、社内にいる人材に目を向けてもらいたいと私は思います。営業というマーケターに向いた人材が、そこにはたくさんいるはずですから。

そして、マーケターが不足しているという状況こそ、これからマーケターをしようとしている人にとってはチャンスだといえます。

それでは、なぜ私が「営業がマーケターに向いている」と言い切るのか。次の回でご案内させてください。

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