【EXPANSION TALK】営業はマーケへ、マーケは営業へ キャリアエクスパンション実践者たちのインタビュー #03 トランスフォーマー 水谷博明さん 後編

【EXPANSION TALK】営業はマーケへ、マーケは営業へ キャリアエクスパンション実践者たちのインタビュー #03 トランスフォーマー 水谷博明さん 後編

ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?

営業は、次のキャリアの選択肢にマーケターを加えてほしい。そしてマーケターは、営業の現場にもっと目を向けてほしい。

営業で10年、マーケターとして10年、キャリアを築き上げてきたトランスフォーマー水谷博明さんは、まさに営業からマーケターへのキャリアエクスパンションを体現し、いきいきと仕事を楽しまれている方です。

キャリアエクスパンション実践者たちのインタビュー #03 トランスフォーマー 水谷博明さん 前編

そんな水谷さんに、マーケターとしての自身を構成する要素や、マーケターに求められる特性や役割について、お考えを伺いました。

トランスフォーマー 水谷 博明 氏(写真左)

小関 貴志(写真右)
ジャパン・クラウド・コンサルティング株式会社 シニアディレクター
ワンマーケティング株式会社 アドバイザー

圧倒的な「課題分析」をもとに、調整を進めていく

小関:マーケターにも、いろいろなタイプの方がいらっしゃると思います。知人の言葉で印象に残っているものがありまして、「数字を見て分析することが得意な人と、コンテンツを書くことが得意な人はタイプが大きく違う。両方できる方というのは、ごく稀ではないか」という話をされていたのですが、水谷博明さんというマーケターをあえて分類するとしたら、ご自分ではどのようなタイプのマーケターだと思いますか?

水谷:そうですね。自分で筆を執ってコンテンツを書くタイプではなくて、その分、人の動きを観察して、その結果をマーケティング活動や仕組みに入れていくことにかけては、長けているのではないでしょうか。たとえば、データを分析して、お客様の動きを把握して、仮説とストーリーを組み立てて行動に移していく、というところを得意としています。

小関:水谷さんというマーケターを構成している要素として、「分析」というものが一つあり、「テクノロジー」という軸もあると思います。それから、営業経験者の持ち味でもあると思うのですが社内を動かしていく「突破力」というものを水谷さんから感じることがあります。ご自身では、どのような要素が水谷さんを構成しているとお考えですか?

水谷:「課題分析」が、かなり大きな要素になっていると思います。人が困っていることに対する好奇心が、昔からすごく強くあって、自分から相手の課題を感じられるような場に身を置こうとしてきました。

水谷:自らその場に身を置いて「体感」する力と、その人が置かれた状況を俯瞰して「観察」する力ですね。そこが自分は圧倒的に尖っているのではないかと考えています。逆に言うと、それしかないというくらい(笑)。その分析をもとにいろいろな方とお話をするので、調整が進めやすいのですね。

小関:お客様の真実を、きちんと正しく理解していく。

水谷:お客様に対しても、社内の仕組みづくりにおいても、同じ考えのもとで動いています。

BtoBのマーケターは、必ず営業を経験するべき

水谷:マーケターとして今の会社に入った時も、お客様の課題をちゃんと理解しなければマーケティングができないので、まずは自分で営業活動も経験しました。もちろん営業とバッティングしないように配慮しながら、クロージングまで自分で経験しました。
そこまですることで、お客様の課題も、購買プロセスも理解できるし、自社の営業がどのような動きをしているのかを体感することができます。「この課題が何なのだろう」と追求していくことにかけては、「行動力が半端ではない」と自分でも思います。

小関:そうすると、営業の現場を知らないマーケターの人に対して、歯がゆくなることもあったりされますか?

水谷:そうですね。よくインタビューの時などに、「これからのBtoBマーケティングには具体的に何が必要ですか」というような質問を受けるのですが、「自分で営業をやってみることです」とお答えしています。

小関:もともと、この連載コンテンツの企画を考えている時は、「営業はマーケターに向いているよ」というテーマが念頭にあったのですが、今日お話をしている中で、「営業はマーケターに向いている」だけではなく、「マーケターこそ、営業を知るべき」という新しいテーマが見えてきました。

水谷:そうですね。特にBtoBのマーケターは絶対、営業を経験すべきだと思います。逆にマーケターがちゃんとセールスを理解して歩み寄れば、部門間の軋轢のようなものも無くなり、お互いにとってチャンスが増えていく。そこはすごく重要だと思います。

そして、最終的に売上をあげるのは営業でなければできないことですから、そこはもう営業が決めてくれないと自分たちもごはんを食べていけないという謙虚な気持ちを持つべきですね。

小関:お客様に近いところで最後の責任を負ってくれているのが営業ですからね。

マーケティングができる環境は、さまざまな部署にある

小関:マーケターもすこし違う風を浴びることが必要かも知れませんね。水谷さんも現在の会社でマーケティングだけでなく、カスタマーサクセスもされています。希望して行かれたのですか?

水谷:会社全体としてセールスの部隊をある程度仕組み化することができたので、次はCSの部隊をさらに仕組み化しようということで、我々のチームが異動することになりました。既存顧客は会社の成長に伴って増えていきますから、我々にとってCSの重要度がより一層高まるフェーズを迎えた中での動きでした。

小関:チームのみなさんが揃っての異動だったのですね。

水谷:チームごと移り、今まで通りセールスのことも見ながらCSの仕組み化を進めています。

小関:まさにエクスパンションですね。私は、キャリアというものは一方通行ではなく、いろいろな選択肢があったほうが良いと考えているのですが、実際にマーケターをされてみて、他の仕事への適応の可能性であったり、応用が効く効かないであったり、その辺りはどのように感じていらっしゃいますか?

水谷:そうですね。マーケティングのチームにいる間は、もちろんマーケティングの活動が中心になってきます。ただ、マーケティングをできる環境は、実はさまざまな部署にあります。セールスもCSもHRも、その先に人がいる部署であれば、そこでできることは絶対あると考えています。

小関:HRの場合、いわゆる採用マーケティングによって募る入社志望者をお客様だと捉えれば、マーケティング活動としてできることがあります。

水谷:相手が変わるだけで、やるべきことのベースはきっと同じではないでしょうか。

小関:マーケティングとは幅広いものですね。いろいろなことに活用できます。

水谷:しかし現状のままだと、それこそ「マーケティングしかできないマーケター」が増えていきかねません。マルチキャリアを築けるようになるには、経験が無いのであれば、やはり1,2年ほどセールスを経験してみてはどうかと思います。

小関:その経験を持つことで、営業との関わり方が変わりそうですね。

水谷:絶対変わりますね。

小関:その結果、マーケターとしての数字も上がっていくのではないでしょうか。

水谷:会社の中でのその人の価値も、絶対に上がるはずです。

マーケターから営業へ働きかけ、関係を積み重ねていく

小関:マーケターとしての価値は、どこにあるとお考えですか?

水谷:どれだけ売上に貢献する活動ができるかということと、社内のリレーションをどれだけちゃんと見ながら動けるかということ。そこに尽きますね。

小関:この人はセンスが良いのに、でも苦労しているなというマーケターの方がいるとして、ブレイクスルーするためのポイントはどの辺りにあるのでしょうか?

水谷:「センスが良いな」と感じる時点で、その人は既に自分から何らかの行動を起こしている場合が多いですね。自ら社内を巻き込んで、いろいろ調整しようとしている方だと思います。

小関:それができていない方は、どこで止まってしまっているのでしょうか。

水谷:たとえばデータの分析をしている方だったら、営業と会話をして、「こういう分析結果があるけれど、WEBサイトのどこに問題があると思いますか?」という働きかけができるかどうか。その積み重ねがあれば、課題に対して深く入り込んでいけるはずです。

小関:営業の意見を聞くことに躊躇するマーケターの方もいると思うのですが、何がそうさせてしまうのでしょう。

水谷:営業の方は、最前線で常に闘っていて臨戦態勢にあります。話しかけづらい雰囲気を漂わせている時も多いかも知れません。

それでも、「時間をとって申し訳ないのですが、このコンテンツについて、率直な意見をもらえませんか?ぼろくそに言ってもらって構いません」くらいのスタンスで足もとに入れるのであれば、そういうことをちゃんと積み重ねていくと、お互いに話ができるようになるし、積極的にコミュニケーションを取れるようになっていく。

小関:聞けば聞くほどやはり、マーケターの方には営業を経験してもらいたいですね。

水谷:半年くらいでいいので、1件受注するまでがんばってほしいです。

その時、お客様との距離が一番近い人が、一番重要

小関:相手への想像力ということを考える時、お客様への想像力もそうですが、私は「社内への想像力」がとても大事だと思っていまして、マーケターがインサイドセールスに接する時の想像力であったり、営業が受注した後のサポートの方に対する想像力であったりが、ものすごく大切なのではないかと感じています。

水谷:その時その時で、お客様との距離が一番近い人が一番重要だと思います。受注した後は、サポートやCSの方が一番お客様と近しくなるので、そこに敬意を払うべきですし。自分たちはなぜお給料をもらえているのかという根本的なところで、営業を経験すると目の前でお金を体感することになりますよね。ところがマーケターは基本的に、出ていくお金の体感しかできない。入ってくるお金を体感したことがあるかどうかは、大きな違いかも知れません。

小関:大きな予算を使うマーケターに対して、営業は「セミナーで5万円くらい予算を使わせていただきたいのですけど……」という感覚で、出ていくお金に対しても敏感ですよね。

一方で、マーケターになっていいなと思うのは物を買う立場を体験できることですね。この経験を持って再び営業に戻っても、ものすごく役立つと思います。

水谷:営業とマーケターをどちらも経験すると、交渉も絶対うまくなります。

マーケティングの視点を取り入れ、自分のバリューを高めていく

小関:この連載の目的として、今営業をがんばっている方に、「マーケターもキャリアの一つだよ」というメッセージをお伝えして背中を押せるきっかけになれたら、という想いがあるのですが、水谷さんから今営業をされている方に向けて、「マーケターにはこんな良いことあるよ」というメッセージをいただけたらうれしく思います。

水谷:そうですね。やはり俯瞰した視点からいろいろ見えるようになることは、良いことだと感じています。なぜ俯瞰して見ると良いことが起こるかというと、自分がいる会社でキャリアを積んでいきたいと考えている場合、物事を俯瞰的に見られるようになるほど経営層の考え方に近づくことができます。そうすると経営陣、上長からもさらに評価されるようになり、どんどんキャリアアップできていく。こうした視点を獲得するためにも、マーケティングを経験することは、すごく良いことだと考えます。

そして、「私はこの先何十年とセールスでやっていく」という方にも、マーケティングをおすすめしたい。今まで通りの営業スタイルでは今後ますます物が売りにくくなっていくと思われます。その中で営業としてのバリューを出すためにも、マーケティングを経験することで、コンテンツを自分で考えられたり、お客様にアプローチするためのストーリーを組み立てられるようになったり、デジタル系のツールやデータを自分から活用したり、さまざまな要素を取り入れて自分のバリューを高めていくことが重要だと考えます。

小関:お客様のことをきちんと知っていて、それを根拠や自信にして社内を動かせる。それだけでも立派なマーケターではないかと思います。

水谷:そういう人もマーケターであると、世の中的に言われるように変わってほしいですね。今のカテゴリーだと「結局、何をしている人?」というかたちになってしまい、説明が面倒でして(笑)

小関:何をしているか一言では言えないけれど、「この人すごいな」という人が増えてきていますね。

水谷:本当にそうですよね。逆に一言で言える人は、減っていくのではないでしょうか。

小関:私は、マーケティングは型にはまったものではないと考えていて、お客様のために何でもしようという方にとっては営業もマーケターも実は同じ競技で、野球でいうと何番を打つかの違いだと思っています。水谷さんのお話を伺って、ますますその感覚が強まりました。今日は、ありがとうございました。

水谷:ありがとうございました。

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