アジャイル型インサイドセールス実践法 ~テレアポから脱却し、SaaS時代に適応したプロセスを構築する~ 【第3回】今こそインサイドセールスが求められる理由

アジャイル型インサイドセールス実践法 ~テレアポから脱却し、SaaS時代に適応したプロセスを構築する~ 【第3回】今こそインサイドセールスが求められる理由

ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?

こんにちは。グローバルインサイト代表の水嶋玲以仁です。第3回はアジャイル型インサイドセールスを取り上げるにあたり、セールスを取り巻く市場環境の変化について確認していきます。

【第1回】“誤解”が迷走を招く10大課題
【第2回】連続性と持続性なしに変革はあらず
【第4回】“量だけ”のKPIにサヨウナラ~小さな組織から生まれるクリエイティビティ
【第5回】インサイドセールス人材に必要な素養とは
【第6回】パフォーマンス評価に直結するインサイドセールスのプロセス定義

購買プロセスの変化がセールス活動の相対的価値を変えた

働き方改革や労働力の減少、グローバル競争の側面から、業務効率化の切り札としてインサイドセールスを取り入れるという企業も多いことでしょう。確かに重要な視点であり、インサイドセールスは生産性向上に貢献できる部分もあります。でも今の時代にインサイドセールスが注目されるのは、それだけが理由なのでしょうか。私はインターネットの普及に伴う、購買活動の変化の影響も大きいと見ています。

今から20数年前、携帯電話も一般に普及していなかったこの頃、BtoBセールスではフィールドセールスの助言や提案が重要な情報源でした。今ほどセキュリティーも厳しくなく、訪問先のオフィスを歩き回ることもできた時代です。セールスの情報専有性は高く、顧客も頼りにしていました。

しかし現在はどうでしょう。顧客はWeb検索で課題解決につながる情報を見つけ、商材のページにアクセスして資料請求を行う。また並行して他社商品と比較し、展示会やセミナーにも足を運んでいるかもしれません。ある調査によると、商談を迎える頃には購買プロセスの7割近くを終えていて、購入の意思を既に固めていると言われます。

ここで注目したいのは、対面営業の相対的価値の低下です。検討の初期段階にフィールドセールスが入り込む余地がほとんどない現状を踏まえると、購買の意思決定における影響力はかつてほど期待できません。

けれどもWebマーケティングが対面営業でカバーしきれない部分を補完できているかというと、そうとも限りません。商材サイトへの頻繁な訪問、資料のダウンロードは顧客の購入意欲を推測するには役立ちますが、直接的に意思を確認しているわけではありません。けれども商談が購買プロセスの最終段階に位置付けられている以上、その手前で顧客とコミュニケーションを図り、関係構築を担う存在が大切になってきます。

もうお分かりですね。インサイドセールスはフィールドセールスに変わり、検討段階から顧客の購買行動をアシストする、重要なポジションを担っているのです。

SaaS型サービスにおけるインサイドセールスの存在感

ところで読者の皆さんは、第1回で、「インサイドセールスは人の体でいう感覚器官そのものだ」という話をしたのを覚えているでしょうか? 電話やメール、SNSなどで顧客の声に直接触れるインサイドセールスは、顧客が今何に困っているのか、何が事業のボトルネックになっているのか、何が解決されれば快適な状態なのかを具体的に知ることができます。サービス開発において、“顧客の声”は貴重なヒントです。けれども市場調査はコストがかさむし、フィールドセールスが対応できる顧客の数も限られています。ところがインサイドセールスには、毎日たくさんの顧客の声が集まってきます。それをサービス開発やマーケティング戦略に生かさない手はありません。

特にここ数年、ソリューション界隈ではSaaS(Software as a Service)型サービスが主流になりつつあります。ベンダー側でソフトウェアを起動し、ユーザー側はネットワークを介して利用する仕組みです。SaaSはパッケージ型のソフトウェアと違い、バージョンアップを柔軟に行えるのが特徴です。極端なことを言えば、後からフォローできる程度の欠陥なら、それを修繕するより先にリリースしようという考えが通用するのです。言い方を変えれば、顧客の声を聞きながら数カ月単位でどんどん改善できるのがSaaS型サービスの特徴です。

となるとマーケティングやセールス戦略も、頻繁なブラッシュアップが求められます。けれども購買までの検討期間が長い商品の場合、施策の効果を測るのに成約段階まで待っていてはどんどんタイムロスが生まれてしまいます。そこでカギとなるのが、インサイドセールス。ここでの顧客の反応を改善に活かすことで、効果の高い施策につながります。

多くの人はインサイドセールスを、マーケティングとフィールドセールスの仲立ち役と捉えているかもしれません。けれども特性を活かすことで、商材やサービス全体の質の向上や進化のスピードアップに大きく寄与することができるのです。

事業部横断の小さな組織がクイックな変革を生む

商材や、セールスを含めたサービス全体のデザインをクイックに変革していくには、部署間の連携がカギを握ります。けれども部署単位で動こうとすると組織が大き過ぎて、どうしても動きが鈍くなりがちです。機動力を高く保ちながら部署間のネットワークを密にするには、小集団にすることが考えられます。つまり各部署1、2人ずつのメンバーから構成された、部署横断型の小さな組織を運用するのです。


小さな組織は音楽に例えるなら、ロックバンドやジャズバンド、カルテットなどの小さなグループです。バンドではそれぞれのメンバーが異なるパートをこなし、意思を出し合いながら一つの音楽をつくり上げていきます。それはオーケストラで指揮者が指示を出し、各パートの演奏をまとめていくのとは対照的なやり方です。

小さな組織なら、新しい施策もすぐに試せます。例えば商材のバージョンアップに伴い、リードとの対話の中で確認事項を変えてみる。それが商談にどう影響するかをフィールドセールスがフィードバックし、マーケティング施策やインサイドセールスのトークに反映させる…というように、改善のスピードが格段に変わってきます。このように、小さく回しながら確実に改善を重ねていく“アジャイル型”のインサイドセールスが、SaaS時代にはフィットすることでしょう。

けれども小さな組織の運営には、難しさもあります。それはメンバーの主体性が問われるためです。それぞれが違う役割を担っているため、個々の責任が大きくのしかかってきます。全員が自主性を持って行動できなければ、数カ月間のスパンでアウトプットを出し続けることは困難でしょう。

ここでいう自主性とは、マーケティングやフィールドセールスなどの取り組みに関心を持ち、インサイドセールスとしてのアクションを自ら組み立てることです。少し大げさかもしれませんが、商材が市場に提供する価値や、自社がこの事業に取り組む理由、また会社が社会に存在する意義と、自身の業務が及ぼす影響が一本の軸で貫かれた状態になって、初めて主体性は発揮されるものです。組織や会社に属することが目的化した状態では、望ましいパフォーマンスは期待できません。

このことから、組織のビジョンとミッション、自身の仕事観を照らし合わせることが、アジャイル型インサイドセールスの最初の作業であることは明らかです。小さな組織を組んだら、自分たちが大切にすべき価値観やめざす姿、顧客に届けたい価値などを徹底的に話し合いましょう。これはバンドを組んだ時に、表現したい音やファッション、コンセプトなどをメンバー同士で語り合うのと同じです。

ベクトルの向きが揃うことで、一人ひとりの役割がはっきり輪郭を帯びるようになるはず。ぜひ前のめりで、最高のバンド(=小さな組織)をつくり上げていきましょう。

グローバルインサイト合同会社 代表 水嶋 玲以仁
https://globalinsight-japan.com/

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