実践!コンテンツマーケティングの始め方②伝わる文章を書くための 4つの作法
2014/05/09|コンテンツマーケティング|久岡 崇裕/parks
・ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?
前回はコンテンツテーマを導き出すための3ステップをご紹介しましたが、それ以外にもコンテンツマーケティングの実施に踏み切れない一因として、ブログを書くこと、つまり、人に読んでもらうための文章を書くという行為に抵抗を感じている方が、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
文章を書くという行為は、たしかにエネルギーを必要とします。しかし、いくつかのポイントを押さえておけば、決して難しい作業ではありません。
新聞や雑誌広告、会社案内や製品パンフレット、WEBサイト、ブログ、企画書など、コピーライターとして、さまざまな文章の制作をお手伝いさせていただいている筆者が、伝わる文章を書くために心がけている4つの作法をご紹介します。
実践!コンテンツマーケティングの始め方① 書くことが次々に見つかる 3つのステップ
実践!コンテンツマーケティングの始め方③ブログコンテンツを情報資産として活用する方法
作法1:何かひとつ、プレゼントを用意する。
ここで言うプレゼントとは、物理的な贈り物のことではありません。せっかく忙しい時間の合間を縫ってブログを読んでいただく方のために、何かひとつでも「読んでよかった」「役に立った」と思えるものを用意したい。そんな心がまえのことです。サービス精神と言ってもいいかもしれません。
こうした気持ちでブログに取り組むことは、書き手の都合ではなく、読み手を主役にして記事の内容を考えることにつながります。また、コンテンツマーケティングの大きな目的は、お客様と良好かつ長期的な信頼関係を築いていくことですから、「ギブ&テイク」ではなく、「ギブ&ギブ&ギブ」というスタンスで、読み手に良質な情報を提供していくことが大切になります。
【プレゼントを選ぶときのように、読み手に喜んでもらえる内容を考える】
・相手にとって、価値のある情報とは何か?
・どんなお困りごとを抱えているか?
・何か気づきを与えることはできないか?
・その情報を受け取ったあと、どんな反応をしてもらいたいか?
・ただ商品を売りたいだけの押しつけになっていないか?
作法2:具体性を持たせる。
ある先輩デザイナーの方に、「良いキャッチコピーは、見た瞬間に絵が浮かぶものだ」と教わったことがあります。ブログを書くうえでも同じだと思うのです。
たとえば、
●私たちの工場では、地球環境に配慮して生産体制の見直しを進めています。
と一般的な言葉を書くよりも、
●梱包に使う段ボールを1mm薄くしたら、資材消費量を年間3,000t削減できました。
と具体的なエピソードを紹介した方が、絵としてストーリーが浮かび、読み手の心に届きやすくなるのではないでしょうか。
具体性は、信頼性につながります。「地球環境に配慮している」と言われても、つい「本当かな?」と疑いたくなってしまいますが、「梱包に使う段ボールを1mm薄くした」という具体的な行為を伝えることで、「ちゃんと取り組んでいるのだな」と印象づけることができます。さらに、「うちでも実践してみよう」と、読み手の行動を喚起することにもつながるかもしれません。実際の写真や数値・データなども入れると、より信頼性の高い記事になるはずです。
作法3:目で、音で、読みやすさをチェックする。
私が文章を書きながら意識していることのひとつに、「漢字とひらがな・カタカナのバランス」があります。漢字だらけの文章は、どうしても第一印象が重くなりがちです。せっかく良いことが書いてあっても、「なんだか小難しそうだな」とページを離脱されてしまってはもったいないと思いませんか。
内容以前に、まずパッと見て「読みやすそうな文章」だと感じてもらい、心理的なハードルを少しでも下げることが大切なのではないかと考えています。
【その文章は、もう少しやわらかい印象にできないか?】
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また、少し感覚的な話になってしまいますが、長文をストレスなく読んでいただくためには、文章のリズムも大切です。私は、原稿を書き終えたあと、その文章を頭の中で朗読するようなイメージで、始めから終わりまで読んでみる作業をしています。(実際に、声に出して読んでみることもあります)。そして、リズムやテンポに違和感のあるところは、自然なつながりになるように調整しています。
作法4:客観的にチェックする。
文章は、「書くことよりも推敲(すいこう)に時間をかけるべき」だと言われます。推敲とは、書いたものを何度も練り直すことで、よく作家さんなどが使う言葉です。
作家のようにとまではいかなくとも、一度書いたものをそのまま公開するのではなく、チェック作業を行うことは、どんな文章であれ重要なことだと思います。
しかし、文章を書き上げたばかりというのは、なかなか自分の書いたものを客観的に見られない状態にあります。できれば、「寝かせる時間」をつくり、1日もしくは数日あけてから見返すことができればよいのですが、日々の業務の中で、そんなにブログに時間をかけられない場合も多いでしょう。筆者も1日に何本か〆切が重なってしまうことがあり、すべての文章を寝かせるわけにはいきません。そこでよく取る方法が、一旦別の作業を挟むことです。
机のうえを整理する、メールのチェック・返信をする、コーヒーを買いに行くなど、一度気持ちをその文章から離しておいてから、新鮮な目で読み返すのです。また、私の経験上ですが、パソコンのモニターではなく、紙にプリントして見返すと、不思議とパソコン画面では見過ごしていた点に気づけることが多いように思います。
【文章の完成度を高めるために、チェックしておきたいこと】
・誤字・脱字はないか?
・専門用語など、読者にわかりづらい言葉はないか?
・相手に誤解や不快感を与えてしまいそうな表現はないか?
・もっと、わかりやすい言い方はないか?
・文章だけで伝わるか?写真や図を入れると、もっと伝わりやすくならないか?
まとめ
1、主役は読み手。読み手に喜んでもらえる情報(プレゼント)を記事に盛り込む。
2、一般的な言葉ではなく、具体的なエピソードや数字のほうが信頼につながる。
3、文章をストレスなく読んでもらうために、見た目やリズムも大切にする。
4、書き上げたものをそのままサイトに上げるのではなく、ひと呼吸おいてチェックする。
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