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インサイドセールス成功の秘訣とは?【第2回】効果的な設計・アクションプランとは?

水谷博明

個人事業主、トランスフォーマー水谷として多くの企業のSaaS・データ活用、インサイドセールス立ち上げを支援。これまで広告代理店、Webコンサル、ITベンダーにて、営業を10年、Webマーケティング10年を経験。現在は、セキュリティSaaSベンダーにて、インサイドセールスの立ち上げ、デジタルマーケティング、CRM/MAの管理に従事。

(編注:下記の原稿は、水谷氏にインタビューを行った際の発言を編集した内容となります)

第1回:インサイドセールス成功の秘訣とは? 導入の手順と役割を徹底解説!

現場の意見を取り入れてフェーズごとの定義を固める

では、インサイドセールスを導入して、どのようにマーケティングとセールスを連携していくのか? 効率的なインサイドセールスのアクションとはどのようなものかを解説します。

インサイドセールスを導入した場合、リードファネルを用いたクライアントのステージ管理をしていきますが、リードファネルの考え方はマーケティング側が考えたメソッドなので、齟齬が生じる場合があります。

上図は、一般的なデジタルマーケティングのリードファネルです。SFA・CRMと連携・管理しますが、SQL(Sales Qualified Lead=営業がフォローすべき対象となる見込み客)の定義をなぜマーケティングが考えるのか、というご意見をよく聞きます。マーケティングがクオリファイしているかもしれないが、営業からしたらクオリファイしていないリードかもしれない。設計時にこのようなマーケティングとセールスとの齟齬が生じるケースが多いです。

まずはMAL(Marketing Accepted Lead=マーケティング部門が対象とするリード)とは、どういう状態の顧客のことか? MQLは? SALは? それぞれの定義をマーケティングも営業も含めて全員で決めなくてはいけません。MALは、「自社のことやサービスのことを知っている」くらいの簡単な定義でいいと思います。小さなズレはPDCAを回しながら軌道修正するイメージですが、運用後の大きなズレは再設計など致命的なロスになることもあり得ます。

インサイドセールスがフィールドセールス側の現場感やリアリティを持って、動けるか、という点が大きな壁となるので、土台となるマーケティング領域の定義付けもセールスを巻き込むのが重要です。

どれだけデジタル化しても最終的に“人”が決める

現在はSFAやCRM、MAが普及してデジタルシフトが進み、科学的に仕組みが整った状態で営業をすることが当たり前になってきています。しかし、最終的に人と人が接して、交渉して打診するという行為はなくならないと思います。デジタル化しても、セールスマインドは必要なのです。

インサイドセールスにもセールスマインドを学ぶプロセスを意図的に入れるとより機能的になります。また前回(前回記事のリンク)でもお伝えしたようにフィールドセールスへのキャリアパスもスムーズになります。

そのため、フィールドセールスとの週1回の1on1であったり、トークスクリプトの見直し、商談への同行などをインサイドセールスにおこないます。そうすることでフィールドセールスの意識もインサイドセールスを育てよう、と変わってきます。そのサイクルを築くことが、インサイドセールスを機能させる大きなポイントになります。

インサイドセールスのヒアリング項目はどのように作る?

マーケティングファネルの各フェーズで、インサイドセールスがどのような項目をヒアリングするといいのか? ここに頭を悩ませているご担当者も多いでしょう。

前述の通りに、それぞれの定義付けをおこなっているので、基本的にはその定義を満たすヒアリングができていないといけません。つまりMQLにあげるにはMALでこれをヒアリングしないといけない、という項目を洗い出していきます。同時に、どのフェーズにあっても自社のサービス上、必ず聞かないといけない項目がどの企業にもあります。

▼インサイドセールスのヒアリング項目を考える2つの基本
①各フェーズで次のフェーズの定義を満たす項目
②どのフェーズでも必ず聞くべき項目

インサイドセールスは、どのタイミングでどの項目を聞けばよいのか整理されていない状態ですので、この二つにカテゴライズしてヒアリング項目を分けながら洗い出すのが基本的な考え方になります。

SFAとインサイドセールスの連携の基本

SFAとインサイドセールスの連携には大きく2つの使い方があります。ひとつはインサイドセールスの中だけで完結する使い方、ふたつ目がフィールドセールスに情報をエスカレーションする方法です。

インサイドセールスの役目が商談化まででしたら、インサイドセールスの役割に応じたSFAの設計にすれば問題ありませんが、商談化ないしは失注後もインサイドセールスがリードを追うなど情報のタスクリレーがある場合は、フィールドセールスと一緒に使う設計にしなくてはいけません。
最近では、後者のフィールドセールスが失注したリードをインサイドセールスが追うのがもっとも生産的です。フィールドセールスがコミュニケーションしたリードに対して、再度インサイドセールスがアプローチをして商談を生んでいくという活動です。いわゆる「リードのリサイクル」です。

しかし、この方法も販売しているプロダクトによって良し悪しがあります。例えば、ITシステムだと5年間はリプレースしないなど、インサイドセールスが追いつづけるのはハードです。一方でSaaSベンダーだと1年でリプレースする可能性があるので、機会損失をなくしていくのがインサイドセールスの役割になります。

その場合、セールスフォースで例えると、リードだけではなくて、取引先責任者や商談情報も随時確認しながら活動するように設計しなくてはいけません。

活動トリガの設定がカギを握る

インサイドセールスが膨大な数のリードを追うことになります。直近でいつ、どのようなアプローチをしたのか、セールスフォースで「活動」をためていく必要があります。

「活動」を使いこなせている企業は意外と多くありません。記録していくには万能なのですが、例えば直近3カ月活動していない企業を抽出する、ということはやりにくいものです。そのために営業担当者が、直近の活動を入力された日付をリードにためていき、毎回最新にアップデートしていくことをおすすめします。そうすることで、一覧性があがり、直近3カ月アプローチしていない、活動できていないリードが分かります。
さらにMAと連携したときに直近活動をしていないリードに対して、メールを送ることができ、インサイドセールスと足並みをそろえることもできます。

人に依存しない再現性も担保できます。組織の人事異動があった場合でも、これまでの情報が溜まっている状態でないといけませんし、新しくアサインされた人も、すぐにどのリードにアプローチすべきかが判別できるようにしなくてはいけません。

セールスマインドを注入しながらオペレーション化を目指す

攻めのインサイドセールスを構築するには、オペレーション化による効率化とそれと相反するような要素でもあるセールスマインドをいかに根付かせるか、という双方の視点が必要となります。

オペレーション化はSFAやCRMの設計段階である程度形成することができますが、セールスマインドはフィールドセールスによる協力が不可欠です。フィールドセールスにもインサイドセールスの理解を深め、育てていくという共通認識を持つことが重要です。

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