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成果につなげるデータ分析活用の本質 第2回:そもそもデータから答えなんて出てこない

2018/06/19

Author:柏木 吉基/データ&ストーリーLLC代表

成果につなげるデータ分析活用の本質 第2回:そもそもデータから答えなんて出てこない

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データ分析を行う方の中には、延々とデータと格闘し、結果的に実利を得るに至らない方もも少なくはないでしょう。

「成果につながるデータ分析活用の本質」の第2回にあたる今回は、「そもそもデータから答えなんて出てこない」をテーマに、データ分析ができない理由とデータ分析を適切に実行するためにまず理解しておくべきことについて記載します。

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「データ分析ができない」理由のトップはこれだ!
課題や目的設定の重要性

データ分析には大きく2種類のアプローチがあります。一つは、集めたデータから何かしらの特徴や傾向を見出し、そこから結論を導くアプローチ。もう一つは、分析する対象や目的に応じた仮説を立てて、データによるその検証結果から結論を導くアプローチです。

どちらがより適切かは目的や場面によりますが、一般の実務家が「仕事に活かす」ためにデータやデータ分析を活用するケースでは、後者が圧倒的に多いはずです。にも拘わらず、この2つの違いがごちゃまぜに理解されている現場が少なくありません。

そのため「目的もないまま目の前のデータをあれこれいじると、やり方によっては何か有用な発見がある」と思ったまま作業を続け、時間だけを浪費する問題が多発します。
アカデミックな研究、データサイエンティストとしてクライアントのデータの中から何かを発見する作業などのケースでは、前者のアプローチが必要なケースもあります。

ただし、提案や課題解決など実務上の目的を持ったデータ分析の場合、「最初にデータに手を付けて(作業を始めて)しまってはいけない」のです。

「きっと目の前のデータに何かしらの答えがあるはずだ」という幻想のもと、データ収集・処理作業に邁進した結果、うまくいかなかった経験はないでしょうか。

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この状況を避けるには、まず自分が取り組むべき課題や目的をできるだけ具体的に定義することから始めましょう。例えば、具体的に次のような質問に具体的に答えることができるかどうか、自問してみるとよいでしょう。

・何のために何を知る必要があるのか
・何がどういう状態になることをゴールとしておいているのか
・それを知ると、具体的にだれのどんなアクションにつながるのか など

私は講演や講義の中で、これらをまとめて次のような質問を常に(分析作業中でも)自問することをお伝えしています。

「で、それ知ってどうするの?」

この質問に対して即答できない状況だと、更にかける時間や労力が無駄になるリスクが高いと言えます。
また、その時はじめて「目の前のデータに自分の欲しい答え(情報)がない」という事実に必然的に気づかされます。

私が講演で使う例の一つを見てみましょう。

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これは、ある週の私の睡眠の実績をモニターしたものです。
まずこのデータから得られる情報は何か、について考えてみてください。
きっと次のようなことが挙がるのではないでしょうか:

・金曜日の睡眠合計時間が長い
・土曜日の睡眠合計時間が短い
・日曜と月曜は「深い眠り」が長くとれている
・木曜日は「深い眠り」が少ない  などなど

はい、いずれもデータから読み取れることとして間違っていません。
では、先の質問(「それ知ってどうするの?」)に対して答えが出せますでしょうか。
もしここで答えに詰まってしまうようであれば、それは“目の前のデータの中に(自分が知りたい)答えは存在せず”、「データを活かしきれていない」状況を示しています。

例えば、このデータを活用したい目的の例として、「もっと深い眠りを取りたい」があるとします。
先のグラフの情報(データ)だけでは、この目的を達成することはできそうにないことは明白です。
でも、「もっと深い眠りを取りたい」という目的を持っていれば、更にそれを具体化した次のような方針が立てられるはずです

・木曜日の深い眠りが少ない原因を知り、それを解決するようにしたい
・日曜日、月曜日に深い眠りが多く取れた理由を知り、それを他の曜日でも実践したい

このように方針が決まれば、「では、そのためにはどんなデータを見る必要があるのか」が導き出せます。

この段階で、「目的」⇒「必要なデータ」という流れになっていることに再度着目してください。
そして、この考える順番(プロセス)がデータの実務活用において極めて重要なのです。

どんなに高度な分析手法を使おうが、最新の分析ツールを使おうが、ビッグデータを使おうが、それらは関係ありません。最初に「あなたは何を知りたいのか」という目的が具体的でない限り、この本質的課題は共通です。

同じ課題でも使うデータ(指標)によって結果が変わる

また、仮に目的や課題が言葉の上で具体的に定義できたとしても、更に詰めておくべきポイントがあります。

それは、その目的や課題をどのようなデータや指標で表すのか、です。
例えば、どこの職場にでもある「売上を改善したい。そのための有効な方策をデータで特定し提案したい」という目的があったとします。

ところが、売上の現状や問題を把握するにあたり、どの指標を使うかの判断も分析者に委ねられています。
例えば、昨年度の売上額実績を製品ごとに比較して、具体的な問題製品を特定しようとします。

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大きな差ではないものの、売上額という尺度では「製品Cが低い」ことに目が行きますね。
ところが、もし「売上」を売上額ではなく売上個数という指標で表現すると、次のようになるかもしれません。

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どちらも「売上」を示したものですが、結果が全く変わってきます。
同じように、売上を昨年度比競合比予算比などで評価するとこれまた違った結果が出てくるかもしれません。
更に、売上額であっても、過去にも目を向けて過去4年間分の推移データを評価指標とすると、次のようなものが出てきました。

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これだと、製品Bの下落が目につきます。つまり、同じ指標でもデータの捉え方によって結果が変わり得ることを示しています。
果たして、これらの結果から、「どの製品に問題があり改善が必要か」や「どの製品に着目し、更なる改善が見込めそうか」に唯一絶対の答えが出せるでしょうか。答えはNOですよね。

つまり、データ自身は分析者が欲しい答えなんて持っていないのです。

ここがデータ分析の面白いところでもあり難しいところでもあります。
この答えは「データ」や「分析」で出せる領域ではありません。この答えを出すのは、統計学でもなく、分析ツールやアプリケーションでもなく、分析者自身なのです。当然絶対的な正解が存在するわけではありません。分析者自身が「この問題は、何を重要な評価指標や軸として捉えるべきなのか」という”正解“を自ら創り出す必要があります。

もちろん、何もないところに「エイヤ!」と覚悟を決めて言い放つのではなく、いくつか候補となり得る評価軸を想定し、それぞれをデータで確認しながら、説得力ある評価指標を決めても良いと思います。

現実に、このような思考プロセスをスキップして、過去からずっと職場で使われていた指標やデータを(目的と照らし合わせることなく)使い続け、有効なアウトプットを出せずにもがき続けていることが多くの現場で起こっています。
組織に身を置いていると「当然この指標を使う」「上司はこのデータを見慣れている」といった惰性でデータを選び、作業をスタートさせてしまいます。そしてそのデータから何とか報告に耐えうる情報や発見が手に入らないかと期待します。それが見つからないと、それは「方法が適切ではなかったのではないか」と考え、新たな分析手法や理論を手に入れようとします。その前に大事なプロセスがあり、それをスキップしていることが真の問題であるかもしれない、にも関わらずです。

私が大学や研修で教えている「課題解決」や「データ分析活用」「クリティカルシンキング」などの授業で必ず強調するフレーズがあります。

「正しい問題を解いていますか?(Are you solving a right problem?)」

問題解決ができない、データ分析で有用な情報が得られない、という問題は、この問いに具体的な答えを出すことで半分以上解決するのではないか、と感じることがあります。それだけ多くの場面で見落とされ、且つ改善することで目的に適った情報を最短距離で掴みにいけるようになるのです。

ただ、その「何を解くのか」の答えはデータの中にあるのではなく、分析者が最初に決める(作る)ことが求められるのです。

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