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The Marketing Nation Summit 2017 第四編~BtoBマーケティングのパラダイム・シフト

BtoB企業におけるカスタマーオブセッションのマーケティングとは?

Forrester research社(以後Forrester社)は、テクノロジー調査を得意とする米国の独立系調査会社である。

このセッションは、ほとんど空席がないほどのマーケッターで埋め尽くされ、関心の高さが伺えた。

Wizdo氏はまず「どうして、顧客満足に執着するマーケティングが必要されているのか?」と問いかけ、「私たちは、BtoBマーケティングのルネッサンスの真っ只中にいる。顧客の購買行動は劇的に変化しており、それはマーケティングの従来のやり方に混乱を及ぼすと同時に、BtoBマーケティングの可能性を拡大させるものである」と説明した。

私たちBtoBマーケッターは、目覚ましく変わる顧客の行動やテクノロジーに合わせて、戦略を素早く適応させなければならない。

Forrester社の調査によるとBtoB顧客の60%は、セールス担当者とできれば関わりたくないと思っている。また、68%の顧客は、オンラインで自らの手で商品を探したいと思っている(この数字は2年前の2015年の53%よりも大きく上昇している)。そして、62%の顧客は、デジタルのコンテンツだけで判断基準を決め、発注候補先のリストを作成することができると答えている。

Customer Obsession(顧客満足への執着)のミッション

Wizdo氏は、BtoB企業は今日のデジタル時代の顧客に対応できるようマーケティング、セールスの権限、協力関係なども再考する必要があり、顧客満足に執着できなければ、顧客やマーケットシェアを失うことになるという。

Forrester 社が考える、顧客満足に執着するマーケティングにおける7つの軸

1.Product-centric(製品中心)からCustomer-centric(顧客中心)

マーケティングは“中から外に発するもの(Inside Out)”から、“外から中に発するもの(Outside In)”にシフトしなければいけない。

そして、顧客のデジタル上の購買サイクル全てに深く関わる(Engagement)必要がある。

顧客中心のマーケティングを構築するための以下の問いが鍵となる。

・自社にとって最高の顧客とは?
・なぜ彼らは自社から購入するのか?
・顧客にとって自社の何が有益なのか?
・顧客は何に関心を持っているのか?
・どうしたら顧客と繋がりを持てるのか?
・深い関わりはどうしたら持てるのか?

2.Value Props (バリュープロポジション)からOutcomes(成果重視)へ
―それは、パラダイム・シフトである

■従来のマーケティングは、プロダクト(製品)から

Capability (組織的能力) → Solution (解決策) → Problems Solved (問題解決) → Buyer who have the problem(問題のある顧客への提供)

■新しいマーケティングは、顧客から

Key buyer or Segment(キーとなる顧客もしくはセグメントに訴えかける)→Outcomes (成果重視)→Solution Offering (解決策の提示) → Capability(組織的能力)

3.Reaching (リーチする)からAttracting(惹きつける)

Forrester社が2017年1Qに、190社のBtoB企業を対象に「オンラインによる商品リサーチは、商品を購入する前の購買行動の中で何%を占めるか?」を調査した。それによると、“購入前に75-100%をオンラインでリサーチをする“企業が48%、”50%から74%“は16%、”25-49% “は15%、”0%-24%“は20%という結果であった。

そして、「商品・サービスの購入にあたり、どのようなサイトを最初に利用するか?」という質問に対しては、66%が検索エンジン、12%が当該メーカーのウェブサイト、10%がeBayなどのコーマスサイト、5%がamazon business、そして残りの5%が業界の流通業者のサイト、となっている。

Wizdo氏は「顧客は既にあなたの企業を検索エンジンで見つけているかもしれない。あなたは顧客に発掘されるマーケターでなければならない。」と語った。

4.Campaigns(キャンペーン)から Engagement(エンゲージメント)

どうしてキャンペーンだけでは不十分なのか?従来のキャンペーンによるマーケティングはファネルマーケティングだった。しかし、それでは現代の顧客のカスタマージャーニーにとっては十分でなく、コンテンツも対応しきれていない、と語る。新しいBtoBマーケティングでは、Zero Moment of Truth(以下ZMOT)に対応しなければならない。

ZMOTとは、グーグルが提唱したオンラインでの購買意思決定によるマーケティングモデルである。氏は顧客のカスタマージャーニーにおいて沢山のZMOTが存在し、オンライン上で得られるあらゆる情報が顧客のZMOTに作用していると話した。

顧客とのエンゲージメントを成功に導くには、マーケッターが適正なタイミングで適正なチャンネルを通して、適正なコンテンツを伝達しなければならず、全てが揃わなければエンゲージメントは成功しないと語った。

5.Content development (コンテンツ開発)からContent delivery(コンテンツ配信)

Forrester社の調査によると、BtoB企業の60%が、「ベンダーが資料や情報を過度に提供している」と感じている。そして、BtoB企業の54%は「それらの与えられた情報は、あまり役に立たない」と感じている。

氏は、カスタマージャーニーマップを作成することが、カスタマージャーニーを理解するのに役立つという。顧客のライフサイクルごとにマップを作成し、仮説検証を行い、メッセージを最適化することを提案した。

6.Targeted (ターゲット)からPersonalization(パーソナライゼーション)

顧客の行動、データ、リサーチ、顧客プロファイリングなどのあらゆる情報を駆使してパーソナライゼーションを行う。

7.Sales Enablement(セールス・イネーブルメント)から Customer Enablement(カスタマー・イネーブルメント)

従来のマーケティングは、セールス促進型のマーケティングだったが、今日の顧客はセルフサービスでウェブ上で商品検索を行うのが日常である。

■セールスが直面しているBtoB購買の現状

・92%は、ウェブ検索から始まっている
・74%は、ウェブサイトでの購入の方が便利であると感じている
・75%は、ソーシャルネットワークサービスを通じて、複数のベンダーに触れている
・53%は、セールスの関わった購入よりも、オンライン上での購入の方が良いと感じている

■顧客はセールスに何を求めているのか?

・顧客データやそのからのインサイトを盛り込んだ深い会話をしたい
・自分たちが知らない情報を教えて欲しい
・特定の商品やサービスが、自社にどのような効果をもたらすかを具体的に紹介して欲しい
・会話を通じて自社にとっての重要事項を知らせて欲しい

氏は、カスタマー・イネーブルメント(顧客のための一連の取り組み)のマーケティングでは、顧客一社ごとにマーケティングを行うことが重要であると強調した。

Wizdo氏は「今日ほどBtoBマーケターとして、最適な時はない」と述べ、世界最高の経営思想家の1人ピーター・ドラッカーの著書“Marketing and Innovation produce result”より、“企業の目的が顧客の創造であることから、企業には2つの基本的な機能が存在することになる。すなわち、マーケティングとイノベーションである”を引用してセッションを終了した。

まとめ

今回のセッションを通して、急速に変化するBtoBマーケティングで成功するためには、カスタマーオブセッション(顧客満足に執着する)のマーケティングを早急に取り入れる必要性を感じた。ポストデジタル世界に突入したことにより、商品・サービスを選択する過程での顧客の行動、意識は大きく姿を変えつつある。顧客は情報ではなく、価値を求めている。私たちマーケッターも常に進化が求められ、向上し続けなければならない。この大きな変化は、大いなるチャンスになるかもしれない。

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