3つの軸で考えると視界が開ける!BtoBのWEBマーケティング戦略立案の勘所

「BtoB商材のWEBマーケティングに力を入れたいけど、何から始めたら良いのかわからない」
「WEBを活用して見込み顧客を獲得したい」
このようなことを漠然と考えているBtoBマーケターは多いのではないでしょうか。

BtoBのWEBマーケティングの領域はかなり幅広くなっています。SEO、リスティングといったキーワードは10年以上前からありますが、近年はマーケティングオートメーション、コンテンツマーケティング、オウンドメディア、ビッグデータ、アトリビューション分析、動画広告など挙げるとキリがないくらい幅が拡がり、1つ1つが高度になってきました。

高度化し複雑化するBtoBのWEBマーケティング。できることも増えて、KPIとして追える数値もやろうと思えば何でも拾えてしまいます。しかしながら、実はBtoBのWEBマーケティングの本質的な考え方は変わっていません。

BtoBのWEBマーケティングの目的をシンプルに考えると「見込み顧客を創出する」ことです。今回は、この目的を達成するためのWEBマーケティングの考え方の基本軸およびKPIの設定方法をご紹介します。

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タッチポイントを制するものはWEBマーケティングを制す。マーケティング戦略の基本3軸とKPI設定とは

見込み顧客を創出するためには、顧客とのタッチポイントを抑えることが重要です。タッチポイントを制するものは、WEBマーケティングを制すといっても過言ではありません。
この顧客とのタッチポイントを自社サイトのWEBマーケティング視点でシンプルに考えると、「集客」「見込み獲得」「見込み育成」の3つの軸で適切な打ち手を用意する必要があります。

また、KPI設定も重要です。WEBマーケティングを行ったことがない場合、そもそも何をKPIにすれば良いのか、どれくらいの数値を目標にすれば良いのかということも悩みの種ではないでしょうか?
このような悩みを抱えている方向けに、3つの軸それぞれに必要なKPI設定の代表例を表したのが上記の概念図です。
KPI設計は本来、商品サービスの特性やターゲット、顧客の購買プロセスなどを考慮しながら設定することがあるべき姿ですが、本ページではこれからWEBマーケティングを始める方を対象にしているため、敢えてシンプルに決め打ちでおすすめのKPIを紹介しています。

では、それぞれの軸とKPI設定に関して詳細を説明します。

“集客”軸のKPIとおもな手法

WEBマーケティングに限ったことではありませんが、集客は最も重要です。集客が弱ければ何も始まりません。

集客軸のKPI

「ユーザー数」「PV数(ページビュー)」をKPI設定してください。
なぜこの2つの指標をKPI設定するのかと言うと、

「ユーザー数」はウェブサイトに来る顧客だからです。
例えばコンビニ店舗で言えば、来店数。あなたがコンビニのオーナーであれば必ず意識する数字ですよね。そもそも顧客が来ないことには話にならないからです。

「PV数」は、社内への説明時に求められる可能性が高いからです。筆者はPV数をほとんど気にしていませんが、なぜか社内の関連部門やマネージャー・経営層はPV数という言葉だけは知っていたりします。恐らくウェブ媒体社や広告代理店が広告掲載の案内資料などで、PV数を誇張し広告料金が妥当な金額だと主張していた歴史があるからかもしれません。背景はさておき、PV数は聞かれる場合に備えてのおまけ指標として把握しておくことをおすすめします。

集客軸のおもな手法

上図は、顧客の検討度合い別のおもなWEBマーケティング施策マップです。
BtoB事業のマーケターである筆者が考える最も重要な施策は、自社サイトを活用したコンテンツマーケティングやSEOです。理由は、幅広いユーザー層にアプローチできるからです。また、リスティングやリマーケティングなどの広告施策を行う際に、検討顧客にとって魅力的なコンテンツが自社サイト内になければ広告の無駄打ちになってしまうからです。
コンテンツがある程度用意できた段階であれば、リスティング広告施策も有用です。BtoBの場合、顕在層の顧客数には限りがあります。従って顕在層のタッチポイントに確実にリーチできるリスティング広告は外せない施策の1つです。

“見込み獲得”軸のKPIとおもな手法

BtoBサイトの場合、見込み獲得(リードジェネレーション)をいかに増やすかがポイントになってきます。見込み獲得軸のKPIとおもな手法を説明します。

見込み獲得軸のKPI

「資料ダウンロード数」「メルマガ登録数」「資料請求数」などのメールアドレスを獲得できるものをKPI設定してください。
なぜメールアドレス獲得を重要視するのか。
見込み獲得と言っても、顧客の検討度合いはさまざまです。情報収集ステージの顧客もいれば、具体的に数社で比較している顧客もいます。もちろん、メールアドレス以外の情報も取得できればベストですが、往々にして個人情報を入力する項目が多ければ多いほど見込み獲得数は減っていきます。次段階の見込み育成軸で施策を実施する場合にメールアドレスがわかっていると展開しやすいため、何はなくともメールアドレスだけは取得しておくことをおすすめします。
また、FacebookやTwitterなどのSNSを運用している場合は、いいねやフォロー数をKPIに設定することも1手です。

見込み獲得軸のおもな手法

メールアドレスなどの個人情報を取得するという観点でコンテンツを用意します。ポイントは顧客の検討フェーズ別にオファーコンテンツを用意することです。

例えば、「勤怠管理システム」を例に考えてみましょう。勤怠管理システムの導入を検討する顧客は、背景として働き方改革というキーワードが気になっているのかもしれません。情報収集段階では、働き方改革における企業の対応状況の市場調査レポートのような資料を欲しているかもしれません。また、検討が一歩進んだ段階で、労働時間の適切な把握を実現したいというニーズは顕在化すると、クラウド型かパッケージ型か、どのような観点で勤怠管理システムを選べば良いかわからないというお悩みがあるかもしれません。この場合、勤怠管理システムの選び方のような資料があると検討顧客は助かるかもしれません。さらに一歩進み、本格的に比較検討している段階では、導入運用費用のシミュレーションやお試し体験をしたくなるかもしれません。

このように、顧客の検討フェーズ別にオファーコンテンツを用意することが見込み獲得に繋がります。

“見込み育成”軸のKPIとおもな手法

獲得した見込み顧客に対し、商談化するために仕掛けを施す段階が見込み育成(リードナーチャリング)軸です。BtoB商材の場合、クロージングは営業が行うことが多いため、この段階ではいかに顧客行動を意識したシナリオを展開し、いかにオフラインに誘導し営業と接触するかがポイントになってきます。

見込み育成軸のKPI

「見積もり依頼」「詳しい話が聞きたい」などの受注につながる営業対応が必要な問い合わせをKPI設定してください。商品やサービスによっては、「トライアル申し込み」「セミナー参加」をKPIとしても良いと思います。

ではなぜ、受注につながる営業対応が必要な問い合わせを重視するのか。
多くの場合、BtoBサイトのWEBマーケティングを強化する際の最終的な目標は売上。マネージャー・経営層の関心は売上であり費用対効果です。従って、売上の前段階である営業対応が必要な問い合わせ数をKPIとすることをおすすめします。
逆に、最終的な目標である受注数や売上を直接のKPIとするとBtoBのWEBマーケティングの場合は行き詰まる可能性が高くなる傾向があるのでおすすめしません。
なぜなら、KPIを売上とすると、“風が吹けば桶屋が儲かる”的な飛躍したロジックになってしまうからです。BtoBの場合、商談の最後は営業によるクロージングが必須の商品サービスが多いと思います。この場合、WEBサイト経由で見積もり依頼を受けることはできますが、商談化してから受注できるか否かは、商談時の営業と顧客との信頼関係や商品自体の商品力など、WEBマーケティングとは別の要素が関わってくるからです。

どうしても費用対効果を算出する必要がある状況下では、「受注につながる営業対応が必要な問い合わせ」×「1件あたりの平均想定生涯収益」× 「受注率」=受注貢献額 とするとマネージャー経営層に説明しやすくなります。

見込み育成軸のおもな手法

見込み育成は、簡単ではありません。いわゆるマーケティングオートメーションやインサイドセールスといったツールや組織的な動きが必要になってきます。見込み育成の目的は商談化です。目的達成のための戦術はさまざまですが、重要なことは顧客行動を意識したシナリオを設計することです。シナリオ設計のポイントは、「適切な顧客に、適切なタイミングで、的確なコンテンツを届ける」こと。また、極力オフライン施策に誘導して顧客と直接接触することを意識することも重要です。

BtoB事業のマーケターである筆者のおすすめは、メルマガではなくステップメールです。メルマガの場合、毎回手間と労力がかかりますが、ステップメールであれば設定しておけば自動でメールを送ることができるため、省力化に繋がり属人化も防ぐことができます。
メルマガとステップメールの違い、効果的なシナリオ作成方法などBtoBステップメールの基本と実践方法の全てをこちらにまとめています。合わせて参考にしていただければと思います。

BtoBのWEBマーケティング戦略のヒントは見つかりましたでしょうか。
マーケティング戦略の立案時は3つの軸を意識してシンプルに考え、1つ1つ進めていくことが成功への第1歩です。

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