「トップセールス」を仕組みで生み出す考え方
目次
「受注率が伸びない」
「対応するお客様が多すぎてリソースが足りない」
「一部のセールスパーソンは売上を立てているけど、営業部全体で成果が上がらない」
このようなお悩みを、セールスパーソンや営業管理職の方ならもっているのではないでしょうか?
本記事では、そんなお悩みを解決するための「トップセールスを生み出す仕組み化」の考え方について解説致します。
この記事の著者
佐藤 凌太
コンサルティング&ソリューションセールスチーム
コンサルタント リーダー
営業活動のプロセスとは?トップセールスの動き方を解説
まずは、そもそもトップセールスが何をして高い成果を上げているのかを解説します。
営業活動のプロセスとは
「営業活動」と一言で言っても、そこにはいくつものプロセスや活動が絡んでいます。
大まかに整理をすると、まずは名刺などからお客様の連絡先情報を獲得する「集客」のフェーズからスタートします。集客後すぐに案件がある場合には「提案」のフェーズに進み、すぐに案件に進まない場合には、関係構築を目的としたお客様の「育成」が必要です。そして育成後に案件が発生したタイミングをキャッチする「選別」のフェーズから構成されます。
提案をして最終的に受注もしくは失注した後には、また次の案件が発生するまで「育成」と「選別」を繰り返します。
詳細は異なりますが、基本的にはこのようなプロセスの繰り返しで、営業活動は構成されています。
トップセールスの動き方・他セールスとの違い
「集客・育成・選別・提案」の営業活動全体のプロセスに対し、トップセールスは一体どのような取り組みをしているのでしょうか?ここではセールスパーソンを3つのタイプに分類して解説します。
■トップセールス
積極的に検討しているお客様から確実に受注を獲得し、その上で将来的に購入を検討するであろう見込み客との接点作りや関係性の構築も同時に行い、将来的な見込み客からも確実に受注を獲得し高い業績の創出に貢献します。
場合によっては集客フェーズの新規リード獲得まで行っており、集客・育成・選別・提案すべてのフェーズを一気通貫して1人でこなします。
■普通のセールス
積極的に検討している受注確度の高いお客様からは受注しますが、将来的な見込み客との接点作りや関係性の構築までも多くの時間を割けていません。
そのため、トップセールスほどの圧倒的な成果を残せていないのが、普通のセールスです。
■売れないセールス
売れないセールスは、現時点で積極的に検討している受注確度が高いと見込まれるお客様との商談でさえ失注してしまいます。将来的な見込み客との接点作りや関係性の構築にはとても時間を捻出する余裕がなく、セールスとして結果を残せずにいます。
トップセールスを生み出す仕組みとは?
一人一人のセールスパーソンに営業活動を一任してしまうと、人によっては集客と育成ができるが、選別まではできないといった具合に個々のスキルによる「差」が出てしまうでしょう。
そこで、以下の専門チームを設立し役割分担と協業体制を構築します。
- 集客の専門チーム
- 育成の専門チーム
- 選別の専門チーム
- 提案の専門チーム
トップセールスの取り組みを、組織全体で仕組化するのが、「トップセールスを仕組みで生み出す」ことです。それは、トップセールスの取り組みに再現性をもたらし、業績を安定させるという考え方が根底にあります。
トップセールスを生み出す仕組みの構造
一般的には、以下のようにトップセールスの取り組みを切り分けたうえで、チーム体制を構築して仕組み化します。
■マーケティング(集客・育成・選別)
見込み客の集客と、メールやイベントといった様々な施策を通じた継続的な接点を用いて、育成を行います。サービスや商品ページ、事例の閲覧などの購買意欲が高いと思われる行動をした見込み客を選別して、インサイドセールスにパスをします。インサイドセールスが存在しない場合は営業に直接パスして対応を依頼しましょう。
一般的な目標数値の設定は集客数・インサイドセールスや営業にパスしたホットリード数などが挙げられます。
■インサイドセールス(育成・選別)
インサイドセールスでは、マーケティングよりさらに個々のリードをパーソナライズして育成活動を行います。
具体的には、リードの抱える課題やお悩みの仮説を事前に立て、電話で課題をヒアリングし、課題解決に役立つような情報の提供を行います。パーソナライズされた個々の情報でコミュニケーションをとることでリードとの関係性が構築されます。
そして本格的にサービスや製品の購入を検討し始めたら、リードを選別して営業に案件としてパスをします。営業にパスできた案件数が目標として設定されることが多いです。
■営業(提案)
インサイドセールスからパスされた案件に対し、具体的な要件をヒアリングし、自社の製品やサービスを提案していくのが営業の役割です。受注数・受注金額といった指標が目標として設定されるというのが一般的でしょう。
このように、トップセールスが行っている各フェーズの活動を、個々のセールスパーソンのスキルに依存するのではなく組織として「仕組み化」することで、全体として安定的に売上を伸ばしていくことが可能です。
マーケティング・インサイドセールスが確立していない営業組織では成長に限界がある
一部のトップセールスの立てる売上に依存する体制では、トップセールスが退職しただけで組織全体に大きな打撃を与えるリスクをはらんでいます。
研修やOJTを重ねて営業人員一人一人の提案力を伸ばしていくにも時間は掛かりますし、そうして時間とお金を掛けて育てた営業も退職しないとは限りません。
トップセールスへの依存から脱却し、組織全体としての地力をつけるためには、トップセールスの行っていることを分解・棚卸しして、「仕組み」として誰もが実践できる体制を構築することが必要です。
このような仕組みを構築するにはマーケティングやインサイドセールスといった役割が必要です。仕組みを構築できない限り、営業「組織」としての成長に限界があるのではないでしょうか。
最後に
本記事では、「トップセールスを生み出す仕組み化」の考え方について解説させて頂きました。「営業」と「マーケティング・インサイドセールス」、特に「マーケティング」は営業とは別のくくりにされることが多いですが、担当するプロセスが提案よりも前段階なだけで、実は本質は営業と同じく「売上の創出」を目的とした活動を行っています。
自社で営業組織の売上をさらに伸ばすために、マーケティングやインサイドセールスという考え方を、ぜひ取り入れてみてください。
この記事の著者
佐藤 凌太
コンサルティング&ソリューションセールスチーム
コンサルタント リーダー
人材紹介業での部門立ち上げとインサイドセールス業務、外資系教育機関でのフィールドセールスを経験。2020年にワンマーケティングに入社し、インサイドセールス業務を中心にマーケティング部門、営業部門との連携を図り、コンテンツやウェビナーの企画実行まで幅広く従事。コンサルティング部門に配属後は、MAの導入運用支援や施策提案を通じ、お客様の課題解決のサポート業務を担当。
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