キャズム理論とは?キャズムを超える方法とその事例

キャズム理論とは?キャズムを超える方法とその事例

ワンマーケティングが考える「BtoBマーケティング」とは?

マーケティング担当者が理解しておくべき知識の一つが「キャズム理論」です。

「キャズム」は直訳すると「溝」のことを指し、マーケティング用語では「市場に製品・サービスを普及させる際に発生する、超えるべき障害」を指します。

本記事では「キャズム理論」について詳しく解説します。

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キャズム理論とは?

イノベーター理論とは?

キャズム理論を理解するためには、まずイノベーター理論についても理解する必要があります。

イノベーター理論とは、製品、サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論で、市場におけるユーザー層は、製品の普及率に合わせて5つ(イノベーター、アーリーアダプターアーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)に分類されます。

※イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!

キャズム理論とは?

キャズム理論とは、イノベーター理論におけるイノベーターとアーリーアダプターを初期市場、アーリーマジョリティーからラガードをメインストリーム市場とし、両者の間には「キャズム」と呼ばれる深い溝(市場に製品やサービスを普及させる際に超えるべき障害)があって、この溝を超えることが市場開拓において重要だとする理論です。
ジェフリー・ムーアの著書『キャズム』で提唱した理論です。

※キャズム理論の原著

イノベーター理論における5つの消費者グループ

イノベーター理論では特性ごとに消費者のタイプが以下の5つに分けられています。

イノベーター

イノベーターは名前の通り、商品の先進性や流行の新規性へ価値を感じる層であり、商品のディテールには関心を持っていません。消費者グループでは最初期に位置します。

アーリーアダプター

アーリーアダプターは商品やサービスのディテールやメリットを重要視しており、普及可能性のある商品やサービスをいち早くキャッチするグループです。
イノベーターの次の層であり、以降続くアーリーマジョリティやレイトマジョリティへの影響力が非常に大きいことから「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」と呼ばれることもあります。
後述いたしますが、アーリーアダプターへ受け入れられるかが消費やサービス普及の鍵になるといわれています。

アーリーマジョリティ

アーリーマジョリティはアーリーアダプターの次のグループです。そのため、アーリーアダプターの影響を強く受ける層であり、世間で話題の商品やサービスに反応する人たちがここに属します。
商品やサービスを市場全体へ浸透させる役割を担っており、その役割から「ブリッジピープル」とも呼ばれます。

レイトマジョリティ

レイトマジョリティはアーリーマジョリティのように流行りものをすぐ受け入れるのではなく、周囲の動向をよく見定めたうえで採用します。普及率が高くなると採用を検討する層のため「フォロワーズ」とも呼ばれます。
アーリーマジョリティの次の層です。

ラガード

ラガードはレイトマジョリティの次のグループであり、5グループの中でも最も保守的な層です。先進的なものに興味関心がなく、古来のものを優先する志向があり、伝統や文化になるまで採用しない人や最後まで採用しないという層も含みます。

キャズムが生まれる原因、隔たれた2つの市場の特徴とは?

なぜ、キャズムが発生するのか?その原因は、初期市場とメインストリーム市場、それぞれのユーザーの価値観の違いにあります。

キャズム以前の初期市場とキャズム以降のメインストリーム市場ではユーザーの購買におけるプライオリティが異なります。

初期市場のユーザーにとって「新しさ」というのは魅力の1つです。自社の価値観に合致している、目新しくて今後トレンドになるかもしれないということが彼らにとっての魅力です。

しかし、メインストリーム市場では、ただ新しいだけではユーザーを開拓できません。信頼して使用できるモノなのか、他にも使用している企業はいるのかなど、購買において「安心」を求めるのがメインストリーム市場のユーザーです。

「いかにキャズムを超えてメインストリーム市場を攻略するか?」

キャズム理論は、この重要性を説く理論であり、キャズムを越えられないビジネスモデルは、市場が当初の予想よりも大きくならず、事業として採算が取れないケースが見られます。

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キャズムを超える戦略のヒントと事例

キャズムを超えるための戦略、方法のヒント

キャズムを超えるためには、製品・サービスを「目新しい」モノから「安心」して使用できるモノに昇華させる必要があります。そのためには、信用訴求、品質訴求のためのコンテンツ作りが必要です。
BtoBであれば、その業界に大きな影響を与える企業が製品・サービスを導入し好意的な意見をもらうこと、研究機関、その道の専門家がお墨付きを与えることなどが、キャズムを超えるカギの一つになるかもしれません。

キャズムを超えた成功事例:メルカリ

メルカリは近年最も成功したスタートアップ企業の1つですが、実はサービス開始当初から注目されていたわけではありません。
CMをたくさん放映しているイメージがあるかもしれませんが、CMを放送し始めたのは200万ダウンロードを突破する前後で、それ以前はUI・UXの改良を重ねてサービスのブラッシュアップをしていました。そして、200万ダウンロードを目安に、CMにより認知度を高めたことで、現在多くの人が知るサービスへと成長しています。

クライアントの導入基準が読めなかった失敗事例

戦略的に進めてもキャズムを超えられないことは十分あります。
対象市場の広く汎用性が高いハイパフォーマンスプロセッサの設計・販売を行っている某ベンチャー企業がプロダクトをローンチした際にキャズムを超えられない事例がありました。
この失敗の大きな原因として、顧客への導入基準の調査不足とリソース配分の見誤りが考えられます。高いパフォーマンスとハードウェアの提供は行えていましたが、競合のようなアーリーアダプター受けが良いライブラリやサポートが不足していました。
以上の事例から、顧客の導入基準を深く理解し、リソースの配分を上手く調整することがキャズムを超える一つの条件といえるかもしれません。

キャズムを超えるために押さえるべき5つのポイント

キャズムを超えるためには大きく5つのポイントがあります。まずは、以下の5つを押さえて商品やサービスの普及を進めましょう。

キャズムを超えるポイント①現在地の把握

まずは、商品やサービスの現在地を把握する必要があります。
自社の商品やサービスが初期市場と呼ばれるイノベーターやアーリーアダプターに位置するか、アーリーマジョリティー、レイトマジョリティー、ラガート等にあるのかで戦略も異なります。
イノベーター理論を知り各市場の特徴を捉えることで、自ずと現在地が掴めてキャズムを意識した対応がしやすくなります。そのため、まずは自社の商品・サービスが市場のどの位置にあるかを確認してみましょう。

キャズムを超えるポイント②ユーザビリティの尊重

アーリーマジョリティへのアピールにもつながりますが、ユーザビリティの尊重は先端技術の知識や技術がない市場へは特に効果的です。
キャズム以降はイノベーターやアーリーアダプタのように先端技術の知識や技術がある人は少なく、先進性の高い商品やサービスを使いこなせる層が少ないのが事実です。そのため、商品やサービスのユーザビリティが低いと購入後にメリットをユーザが感じにくくなります。
場合によっては顧客の意見を取り入れて、システム更新によるユーザビリティを最適化していく必要があります。

キャズムを超えるポイント③アーリーマジョリティを意識したアプローチ

前述の通り、アーリーマジョリティは世間で話題の商品やサービスに反応する人たちであり、商品やサービスを市場全体へ浸透させる役割を担います。
そのため、この層へ訴求することはレイトマジョリティ以降の市場の購買意欲を向上させることに繋がります。
アーリーマジョリティを意識したアプローチでは以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
①実績を出すこと
②具体的な数字を基にアピールすること
③購入リスクを押さえること

キャズムを超えるポイント④リリース直後の先進性の強調

キャズムを超えるための初期段階で注力すべき点はリリース直後の先進性の強調です。初期市場と呼ばれるイノベーターやアーリーアダプターは先端技術など先進性の高いものに多くの関心を持っています。この初期市場に上手く受け入れられることにより、新ビジネス・サービスを軌道にのせていくことができます。
リリース直後に先進性のアピールにより初期市場を獲得し、メインストリーム市場を狙えるフェーズには「誰もが知っており使っている」という環境を訴求していくことでキャズムを超える可能性が高まります。

キャズムを超えるポイント⑤ 狭い市場をターゲットに絞る

最後にご紹介するのは”狭い市場をターゲットに絞る”です。
最初から巨大市場を狙うのではなく、市場を狭くターゲティングし少しずつシェアを増やしていくという手法です。
時間や根気は必要となりますが、着実に市場を広げることでキャズムを超えることができるようになるでしょう。

まとめ

今回は、キャズム理論について解説しました。
新しい製品、サービスを普及させるためには、ターゲット市場における自社製品・サービスの現状の立ち位置を理解し、そのフェーズと顧客層に合わせたマーケティング戦略を立てることが重要です。
イノベーター理論とキャズム理論への理解を深めることは、それらを実現するのに非常に役立ちます。
まずは、現状の自社製品・サービスはどのフェーズに存在するのか?から考察してみましょう。

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